『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によりますと、トリノ地検が訴追しているユベントスの不正会計疑惑の予備審・公聴会が5月10日延期されたとのことです。こちらは一般司法ですから判決が出るまで年単位の時間を要することになるでしょう。
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ユベントスに関する不正会計問題は『スポーツ司法』と『一般司法』の双方で進行している状況です。
- ユベントスをめぐる不正会計問題
- スポーツ司法
- イタリア・サッカー連盟(FIGC)の検察が訴追
- 連盟の裁判所が「勝点15剥奪」の処分を下すもユベントスが控訴
- イタリア五輪委員会(CONI)が4月19日に裁定を下す予定
- 一般司法
- トリノ地検が訴追
- 「予備審の公聴会が5月10日に実施」と決まった段階
- スポーツ司法
今回の動きは『一般司法』でのことです。と言っても「どこの裁判所で訴訟の審査を行うのか」すら決定しておらず、判決が出るまでには年単位の時間を要することになると予想されます。
大まかな争点は「2020年1月から6月までの決算報告書に記載されていた “当初の内容” は法的な罪に問われるか」でしょう。
- 当時は新型コロナの感染拡大でセリエAが中断
- 収入が途絶えた各クラブは「年俸の支払いを凍結」
- FIGC は「年俸の2ヶ月分を支払うように」と要請
ユベントスは「選手が4ヶ月分の年俸を放棄することで合意した」と発表したものの、実は「3ヶ月分の年俸を後日支払っていたこと」が発覚しました。
「今季の年俸はシーズン8ヶ月分」と発表していた人件費が実際は「シーズン11ヶ月分」だったのです。この情報が投資家に提供されていなかった訳ですから、ユベントスが罪に問われる可能性はあるでしょう。
ただ、事情が事情だけに裁判所が情状酌量の判決を下す可能性もあります。緊急事態宣言でリーグ戦の開催を止めたのも、スタジアム収容人数に制限を設けたのもイタリア政府だからです。
まずは公聴会で争点がどう整理されるのかに注目です。