2022/23 UEFA ヨーロッパリーグのラウンド16・セカンドレグが行われ、アウェイでフライブルクと対戦したユベントスはヴラホヴィッチ選手とキエーザ選手のゴールで 0-2 で勝利し、準々決勝に駒を進めました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
SC Freiburg [3-4-2-1] |
Juventus FC [3-5-2] |
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GK | 26: フレッケン | 1: シュチェスニー |
DF | 17: キュブラー 28: ギンター 5: グルデ |
15: ガッティ 3: ブレメル 6: ダニーロ (C) |
MF | 25: シルディリア 8: エッゲシュタイン 27: ヘフラー 30: ギュンター (C) |
11: クアドラード 44: ファジョーリ 5: ロカテッリ 25: ラビオ 17: コスティッチ |
FW | 42: 堂安 9: ヘーラー 38: グレゴリッチュ |
9: ヴラホヴィッチ 18: ケーン |
フライブルクのシュトライヒ監督は予想に反して 3-4-2-1 を選択。ユベントス戦への出場意欲を燃やすグリフォ選手をベンチに置き、CF のグレゴリッチュ選手の背後に堂安選手とヘーラー選手を配置する布陣で試合を迎えます。
対するユベントスのアッレグリ監督は 3-5-2 を選択。ミレッティ選手が試合前に段階で左太ももを痛めたためケーン選手が先発した以外は予想されたメンバーで試合に臨みます。
良い入りを見せたのはホームのフライブルク。5分にグレゴリッチュのポストプレーから堂安がシュートにまで持ち込むが、ボールは枠の右を通過する。
対するユベントスは15分にファジョーリがペナルティエリアで倒されるが笛は鳴らず。19分にはクアドラードも倒されたが主審はファールを取らずにストレスが募り始める。
フライブルクは22分に左 CK からギンターが高い打点のヘディングシュートを放ったが、GK シュチェスニーが横っ飛びセーブで応戦。こぼれ球を押し込ませずにユベントスは何を逃れる。
ピンチを脱したユベントスは27分にコスティッチの FK をブレメルが合わせるも GK フレッケンの好守とクロスバーに嫌われるも混戦からヴラホヴィッチが押し込むことに成功する。だが、VAR でケーンがシュートを放った際のヴラホヴィッチの位置がオフサイドと判定されてゴールは認められない。
徐々にペースを掴んだユベントスは41分にラビオのスルーパスに反応したケーンが枠内にシュートを放つも、GK フレッケンが左足でブロック。こぼれ球を回収したガッティのシュートも相手 DF に阻まれてしまう。
ところが、ガッティの決定的なシュートをグルデが右手でブロックしていたことが VAR で判明。ユベントスは PK を獲得し、グルデは2枚目のイエローで退場となってしまう。この PK をヴラホヴィッチが真正面に蹴り込み、ユベントスは1点をリードして前半を折り返す。
1人少なくなったフライブルクはグレゴリッチュのフィジカルを活かすセットプレーに逆転の望みを賭ける。
グレゴリッチュは49分にやや距離のある位置からの FK を直接狙うもシュートは枠のわずかに左。57分には FK からの混戦から左足でシュートを放ったが、GK シュチェスニーの守る牙城は崩せない。
無理をして攻める必要のないユベントスはリスク管理をしつつ、時計の針を進める狙いを徹底。スコアを膠着させたまま後半アディショナルタイムにまで持ち込む。
すると94分に途中出場のキエーザが左サイドを突破してシュートに持ち込むも、GK フレッケンの好守とクロスバーに嫌われてしまう。それでも95分にボール奪取したラビオからのラストパスを受けたキエーザが今後はゴール左下にシュートを決めて2点目を奪取。
試合はこのまま 0-2 で終了し、2戦合計 3-0 としたユベントスが準々決勝に駒を進めた。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 7.5
守護神として最後尾で君臨。要所で好セーブを見せてクリーンシート達成に大きく貢献した。
DF: ガッティ 7.0
ヘーラーの仕掛ける駆け引きに惑わされることなく、3バックの一角として強固な守備陣を形成。残りにシーズンに向けて自信が持てる試合となった。
DF: ブレメル 6.5
グレゴリッチュへの対応に苦しむことはなかった。欠かせない選手ではあるが、温存できなかった弊害が出ないことを祈るばかりだ。
DF: ダニーロ 6.0
元気な堂安に対して後手に回る場面もあったが、決定的な仕事はさせずに防ぎ切った。週末のダービー戦も良い形で締め括りたい。
WB: クアドラード 6.0
ギュンターの背後に上手く回り込む走路の取り方でチャンスメイク。守備でもスペースを献身的に埋め、チームの勝利のために汗をかき続けていた。
MF: ファジョーリ 6.5
周囲との連携が良く、連動した攻撃でアクセントを加えていた。試合の重ねるごとに成長を続けている。
MF: ロカテッリ 6.0
フライブルクの圧力を弱めるために DF ライン前で守備に奮闘。攻撃面にあまり労力を割くことはできなかったが、中盤 MF 陣での役割交換で相手を惑わせる楽しみな可能性を示していた。
MF: ラビオ 6.5
中盤でのボール奪取と縦パスの起点として存在感を発揮。チームを牽引していた。
WB: コスティッチ 5.5
シルディリアとのマッチアップでは問題なかったが、堂安と対峙した際は相性の悪さが鮮明だった。相手の戦術ミスに救われたことは否めない。
FW: ヴラホヴィッチ 6.0
チームのために献身的に働き続けているものの運に恵まれていない状況は不変と言わざるを得ない。PK で決めたゴールが起爆剤になることが期待される。
FW: ケーン 6.0
相手 DF を背負った状態でのポストプレーに奮起し、裏のスペースがある場合は抜け出しを狙う役割を最後まで遂行。地味ながらもチームのために汗をかき続けた。
【交代選手など】
FW: キエーザ 6.5
ヴラホヴィッチとの交代で70分から出場。不安視される右ひざの状態を実戦で確認する形での起用となる。ゴールという結果を残したが、起用には慎重になるべきだろう。
WB: イリング 6.0
70分からコスティッチとの交代で出場機会を得る。リスタートのブロックでカードをもらってしまったが上手く試合に入れていた。コスティッチに休養を与えられる選手は貴重だ。
DF: デ・シリオ ー
クアドラードに代わって83分から出場する。
MF: バッレネチェア ー
ロカテッリとの交代で83分から出場する。
FW: スーレ ー
90分にケーンとの交代で出場。
アッレグリ監督 6.0
フライブルクが試合開始時から勝負に出なかったことにも救われて勝利という結果を持ち帰ることに成功。この点は高く評価されるべきだろう。気がかりなのはミレッティが離脱を強いられたこととブレメルやダニーロの疲労度合いだ。週末の大一番で再び真価が問われることになる。
ギョジュビュユク主審 6.0
予想されたバトルを容認する傾向のレフリングを披露。57分の混戦でフライブルクのファールが取られた理由は分かりにくかったが、判定基準は定まっていたので許容範囲内だろう。ハンドによる PK とイエローカードの判定は妥当だった。