2023/24 セリエA第14節が行われ、アウェイでモンツァと対戦したユベントスは後半アディショナルタイムに同点ゴールを許すもガッティ選手のゴールで勝ち越し、1-2 で勝利しました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
AC Monza [3-4-2-1] |
Juventus FC [3-5-2] |
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GK | 16: ディ・グレゴリオ | 1: シュチェスニー |
DF | 33: ダンブロージオ 22: P・マリ 5: カルディロラ |
4: ガッティ 3: ブレメル 12: A・サンドロ |
MF | 19: ビリンデッリ 32: ペッシーナ (C) 6: ガリアルディーニ 77: キリアコプロス 28: コルパニ 7: ペピン |
27: カンビアーゾ 16: マッケニー 41: ニコルッシ 25: ラビオ (C) 11: コスティッチ |
FW | 84: シウリア | 9: ヴラホヴィッチ 7: キエーザ |
モンツァのパッラディーノ監督は 3-4-2-1 を選択。シウリア選手を CF で起用し、2列目にはコルパニ選手とペピン選手を配置。流動的な前線に攻撃を託す布陣で試合を迎えます。
対するユベントスのアッレグリ監督は 3-5-2 を選択。こちらはA・サンドロ選手がルガーニ選手に代わって先発に復帰。ニコルッシ選手を含む他の10選手は前節インテル戦と同じ顔ぶれで試合に臨みます。
試合に動きが出たのは9分。コスティッチのロングフィードに反応してゴール前に侵入したカンビアーゾがキリアコプロスに倒されてユベントスが PK を獲得。だが、ヴラホヴィッチの PK はディ・グレオリオに阻まれてしまう。
だが、この直後に PK で得た右 CK をニコルッシが入れるとゴール正面でラビオが豪快に合わせてユベントスが先制に成功する。
1点を先行したユベントスは33分にコスティッチの左 CK にニアでA・サンドロがヘディングシュート。ポスト右に逸れる軌道だったが、ガッティが素早く処理をして右足アウトサイドで狙うもクロスバーの上を通過してしまう。
一方のモンツァは “1点リードで無理に食い付く必要がなくなったユベントス” の守備ブロックの前に苦戦。前半は GK シュチェスニーを焦られるシュートを放つことができずに 0-1 で終了する。
「ユベントスはスペースを消すことを優先する守備をする」と踏んだモンツァは後半開始と同時に純粋な FW であるコロンボとダニー・モタを投入。ユベントスの守備ブロックをこじ開けるための策に出る。
しかし、両チームの力関係を変えるまでには至らず。モンツァが試合を動かすための選手交代をするとユベントスが試合を終わらせる試合交代で応戦し、後半はスコアが動かないままでの終了が現実味を帯びる。
ところが91分にモンツァは右サイドのV・カルボーニが中に絞って左足でクロス。ガッティの背後から抜け出したダニー・モタの伸ばした右足はわずかに届かなかったが、クロスがそのままゴールに吸い込まれ、土壇場で 1-1 の同点に追い付くことに成功する。
ユベントスは94分に右サイドに回ったラビオがマッケニーからの縦パスを受けて突進し、深い位置からグラウンダーのクロス。これをパワープレーで前線に陣取っていたガッティが合わせるも自分の軸足に当ててしまう。ただ、そのこぼれ球をガッティが自ら真っ先に押し込んで勝ち越しに成功。
試合はこのまま 1-2 で終了し、ユベントスに軍配が上がった。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は以下のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
V・カルボーニのクロスへの判断をギリギリまで待ったことが自身を無力な存在にしてしまった。チームが劇的勝利を手にしたことで結果的に救われた。
DF: ガッティ 7.0
前半もセットプレーから惜しいシュートを放ち、土壇場の94分にはチームを救う値千金の決勝点を決める働きをする。モタの動き出しを身体でブロック可能だったかを見返すことが反省点だ。
DF: ブレメル 6.5
様々なタイプの FW への対応を強いられたが、トラブルに陥ることなく無難に対処。イエローカードも特に問題にはならないだろう。
DF: アレックス・サンドロ 6.0
対面した若手注目株のコルパニに満足な仕事をさせず。攻守両面でもっとできる選手だが、負傷明けで先発フル出場の中では十分なパフォーマンスだった。
WB: カンビアーゾ 6.5
良い動き出しで前半の立ち上がりに PK を奪取したことは大きい。右 WB としても板に付きつつあり、判断力やプレー精度が向上していることがプラス材料だ。
MF: マッケニー 6.5
右サイドで『インサイドハーフ』と『ウィングバック』の役割を相手チームや状況に応じて “簡単に” 入れ替えられることが今節でも効果的だった。
MF: ニコルッシ 6.5
前節インテル戦に続く先発2試合目で落ち着いて試合に入れていた。先制点をアシストしたことで武器であるプレースキックも認められ出すだろう。
MF: ラビオ 7.5
1ゴール1アシストと中盤での守備だけでなくチームの攻撃も牽引。ディ・グレゴリオに止められはしたが、35分のシュートも惜しかった。自身のプレーで語れる主将の存在は変えがたいものがある。
WB: コスティッチ 5.5
普段よりも下がり目のポジショニングをする事情があってか持ち味である攻撃面での貢献は影を潜めていた。献身的なプレーは随所に見られたが、消化不良感が残ったことは否めない。
FW: ヴラホヴィッチ 5.0
PK 失敗とその跳ね返りのシュートをディ・グレゴリオに阻まれたことがプレー全体に尾を引く結果となった。
FW: キエーザ 5.5
一瞬の眩い輝きで自身の課題を覆い隠す選手だが、今節で輝きを放つプレーは見当たらなかった。ヴラホヴィッチとの息も合っておらず、75分の出場で十分すぎるパフォーマンスだった。
【交代選手など】
MF: ダニーロ 6.0
69分にニコルッシとの交代で出場。レジスタの役割を引き継ぎ、DF ライン前での盾としてチームに貢献した。
FW: ミリク 6.0
ヴラホヴィッチに代わって69分から出場する。
FW: ケーン ー
キエーザとの交代で75分から出場機会を得る。
MF: ロカテッリ ー
87分にカンビアーゾとの交代で出場。マッケニーが右サイドに回り、自身は中盤 MF としてプレーする。
アッレグリ監督 6.0
試合が落ち着いていない早い時間帯に先行し、得意の “籠城戦” に持ち込んで後半アディショナルタイムにまで持ち込めたことは「計画どおり」だっただろう。だが、同点弾を許したことは「誤算」だったし、その後に勝ち越せたことは「想定外」だったはずだ。0-1 は讃えられても 1-2 だと反省点が多くなる。
ファッブリ主審 6.5
イエローカードも少なく、審判団として上手く試合をコントロールしていた。PK はキリアコプロスが左手で背中を右手で右手首を引っ張って倒したのだから妥当な判定と評されるはずだ。