2022/23 UEFA ヨーロッパリーグ・ラウンド16のファーストレグが行われ、ホームにフライブルクを迎えたユベントスはディ・マリア選手のゴールで 1-0 の勝利を手にしました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus FC [3-5-1-1] |
SC Freiburg [3-4-2-1] |
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GK | 1: シュチェスニー | 29: フレッケン |
DF | 6: ダニーロ (C) 3: ブレメル 12: A・サンドロ |
25: シルディリア 28: ギンター 3: ラインハート |
MF | 11: クアドラード 20: ミレッティ 5: ロカテッリ 25: ラビオ 17: コスティッチ |
17: キュブラー 8: エッゲシュタイン 27: ヘフラー 30: ギュンター (C) |
FW | 22: ディ・マリア 9: ヴラホヴィッチ |
22: シャッライ 32: グリフォ 9: ヘーラー |
ユベントスのアッレグリ監督は 3-5-1-1 を選択。トリデンテは起用せず、ミレッティ選手を中盤で先発起用。ローマ戦の前半で退いたA・サンドロ選手も先発し、ポグバ選手は規律違反でメンバー外となりました。
対するフライブルクのシュトライヒ監督は 3-4-2-1 を選択。こちらは予想されたシステムを採用し、CF ヘーラー選手や2列目のグリフォ選手が攻撃を牽引する形で試合を迎えます。
最初に決定機を作ったのはユベントス。13分にディ・マリアのスルーパスに反応したラビオがシュートを放つが GK フレッケンが右足で当ててゴールを死守する。
19分にはクアドラードが左サイドの FK を枠内に飛ばすが、これも GK フレッケンがセーブ。ヴラホヴィッチも自ら得た FK を GK フレッケンの好守に阻まれてしまう。
主導権を握ったユベントスだったが、23分にA・サンドロがプレー続行不能となってボヌッチと公式戦2試合連続で途中交代。嫌な雰囲気が漂う。
すると27分にギュンターの入れたクロスをクアドラードがクリアを試みたがボールは自軍のゴールへ。しかし、シュチェスニーがキャッチして痛手とはならず。
前半の内で先行したいユベントスは45分に右サイドから仕掛けたクアドラードが左足で強烈なミドルシュート。こぼれ球にヴラホヴィッチが詰めるもヘディングシュートは枠を捕らえない。
0-0 で迎えた後半で均衡を破ることに成功したのはユベントス。53分に左サイドのコスティッチがクロスを入れると、逆サイドからゴール中央に侵入したディ・マリアが豪快なヘディングシュートで合わせ、ユベントスが先制に成功する。
対するフライブルクは62分にグリフォの FK から最後はヘーラーが押し込んで同点かと思われたが、VAR でギンターの手に当たって折り返していたことが確認されてゴールは認められず。ユベントスは肝を冷やす。
同点に追い付きたいフライブルクは76分にグリフォが FK を直接狙ったものの今後は枠を捕らえず。
一方のユベントスは80分にキエーザがダニーロとのワンツーでカウンターを発動させて相手ゴールに迫ったがシュートは打てず。しかも、このプレーで右ひざを痛めた様子で満足に動けなくなってしまう。
実質的に10人となったユベントスだったが、自陣内の守備を固めて少ない人数でのカウンター攻撃で時計の針を進めて試合を終わらせることには成功。ファーストレグを 1-0 で制し、セカンドレグに臨むこととなった。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
トラブルに見舞われくこともなく平穏な夜を過ごしていた。
DF: ダニーロ 7.0
良い出足で相手の縦パスをインターセプトし、ケーンが左 WB に入った後はコーチングで守備陣を引き締める頼もしい主将だった。
DF: ブレメル 6.5
あのハンドは “ご愛嬌” だろう。ゴール前にしっかりと鍵をかけ、フライブルクの FW 陣に決定的な仕事を許さなかった。
DF: アレックス・サンドロ 6.0
結果論にはなるが、温存すべきだったのではなかろうか。セカンドレグへの影響が気がかりだ。
WB: クアドラード 6.5
対面したギュンターの攻撃参加を上手く制限し、自身が攻撃に転じた際は相手の背後を巧みに突くことができていた。ゴールやアシストという結果で報われなかったことだけが悔やまれる。
MF: ミレッティ 5.5
予想外の先発起用で上々のプレーを見せていたが、脅威になり切れなかったことも事実。レジスタとしての守備での貢献が求められる展開となったことで戦術的な交代の対象になった。
MF: ロカテッリ 6.5
中盤で攻守の基準点として存在感を発揮。流動性も確保するクオリティーの高さを見せていた。
MF: ラビオ 6.5
ディ・マリアからのスルーパスを呼ぶ動きでオープニングシュートを放ち、中盤ではフィジカルを活かして優位性を確保するなど貢献度の高い試合だった。頼もしい限りだ。
WB: コスティッチ 7.0
ヨーロッパリーグもドイツ勢も得意なのだろう。左サイドでの存在感は抜群であり、ピンポイントクロスで貴重な先制点を演出。コンディションの維持だけが課題となるだろう。
FW: ディ・マリア 7.5
中盤まで下がってビルドアップをサポートし、相手 DF の意表を突く斜めの動きでゴール前に侵入してヘディングで決勝点を奪取。相手の嫌がるプレーを効果的に繰り出してチームの攻撃を牽引していた。
FW: ヴラホヴィッチ 5.5
34分すぎのカウンターを逸した場面が象徴的だった。いずれはゴールを決めてトンネルを脱するだろう。だが、その兆しはこの試合でも見えなかった。
【交代選手など】
DF: ボヌッチ 5.5
23分にA・サンドロとの交代で出場。バトル容認の主審だったため肉弾戦でヘーラーとの優位性を確保していたが、1番のアピールポイントであるキック精度は “イマイチ” だった。
MF: ファジョーリ 7.0
ミレッティに代わり、後半開始の46分から出場する。ダブルボランチの一角として DF ライン前のスペースを管理しつつ、タイミングを見て攻撃参加に加わるなど戦術眼を駆使した貢献度が高かった。
FW: キエーザ ー
67分にヴラホヴィッチとの交代で出場するも、80分すぎのロングカウンターに参加した際に右ひざを痛めた様子でプレー続行不可能に。最後の10分間はピッチに立っているだけだった。
FW: ケーン ー
78分にコスティッチとの交代で出場機会を得る。CF として起点を作る役割が期待されての出場だったが、キエーザが負傷したことで左 WB として守備にも奔走。献身性でチームに貢献していた。
アッレグリ監督 6.5
勝つために必要な攻撃を積極的に仕掛けた姿勢で試合に臨み、先勝したことは評価されるべきだろう。キエーザの負傷は止むを得ないにしてもA・サンドロの先発起用は批判されても仕方のないことだ。セカンドレグに向けた不安が残ったことは否めない。
シディロプロス主審 6.0
激しめの接触プレーを容認する基準は一定していた。ギンターのハンドは「身体の前にあった腕に当たっただけだからセーフ」との主張が出るだろうが、それだと “バレーボールのレシーブ” が合法になる。背中で相手 DF を背負った CF による “自身の身体の前にあった腕にボールが当たったポストプレー” は今でも『ハンド』だ。