2022/23 UEFA ヨーロッパリーグ・プレーオフのファーストレグが行われ、ホームでナントと対戦したユベントスはヴラホヴィッチ選手のゴールで先制するも追い付かれ、1-1 で引き分けました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
| Juventus FC [4-3-3] |
FC Nantes [5-3-2] |
|
|---|---|---|
| GK | 1: シュチェスニー | 1: ラフォン (C) |
| DF | 2: デ・シリオ 6: ダニーロ (C) 3: ブレメル 12: Ａ・サンドロ |
28: セントンゼ 3: ジロット 4: パロワ 21: カステレット 11: ココ |
| MF | 44: ファジョーリ 5: ロカテッリ 25: ラビオ |
17: シソコ 5: チリベジャ 8: ムトゥサミ |
| FW | 22: ディ・マリア 9: ヴラホヴィッチ 7: キエーザ |
31: モハメド 10: ブラス |
ユベントスのアッレグリ監督は 4-3-3 を選択。前線はセリエＡ第22節フィオレンティーナ戦に続けて “トリデンテ” が起用され、最終ラインは4バックで試合に臨みます。
対するナントのコンブアレ監督は 5-3-2 を選択。最終ラインでの人数を確保し、モハメド選手とブラス選手の2トップによるカウンターでの得点を狙う陣容で試合を迎えます。
良い入りを見せたのはホームのユベントス。ディ・マリアが2分と6分に惜しいシュートで相手 GK ラフォンを脅かし、得点を予感させる。
すると13分にディ・マリアからのフィードに反応して DF ラインの裏に抜け出したキエーザが頭で折り返したところをヴラホヴィッチが左足で合わせ、トリデンテで1点を奪ったユベントスが先制する。
ユベントスは28分に再びディ・マリアのロングシュートが枠を捕らえたが、これも GK ラフォンが横っ飛びセーブでゴールを死守。前半アディショナルタイムには左サイドで得た FK からパレデスが狙うも追加点とはならず。
それでもユベントスはナントに惜しい場面を作らせることなく、前半を1点のリードで折り返す。
前半の流れを継続したいユベントスだったが、最初の決定機を活かしたのはアウェイのナント。60分にセントンゼがロングカウンターを発動させて前線のモハメドに託すと、最後は並走して来たブラスが右足で豪快に決めて 1-1 の同点に追い付く。
対するユベントスは失点直後の61分にヴラホヴィッチからのラストパスを受けたキエーザが左足を振り抜くが、クロスバーを叩いたシュートは右ポストにも嫌われて勝ち越しとはならず。
攻めるユベントスは66分にディ・マリアの右 CK が直接ゴールに向かうも GK ラフォンの牙城は破れず。91分には上手く入れ替わったダニーロが後方からの浮き球をボレーで狙ったがシュートは枠を捕らえない。
95分にはクアドラードのクロスに飛び込んだブレメルと競り合ったセントンゼのハンドが疑われるも VAR はノーファールの判定。
結局、後半はユベントスは攻め続けたが2点目とはならず。試合は 1-1 でセカンドレグの結果に委ねられることとなった。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
ブラスのシュート1本に泣く結果となった。
DF: デ・シリオ 5.5
献身性はあったが貢献度は低かった。チームが攻勢を強めていた試合展開だっただけに攻撃面での関与や貢献が欲しかったことは否めない。
DF: ダニーロ 6.0
連戦出場しつつ出場した試合では安定感を発揮。後半アディショナルタイムで勝ち越し弾を決めることができていれば完全にヒーローだった。
DF: ブレメル 6.0
失点時にスリップでブラスを時間とスペースを与えてしまったが、パフォーマンスそのものは悪くはなかった。最後は主審の意味不明な判定に泣かされた。
DF: アレックス・サンドロ 6.0
出場試合数に応じた契約延長オプションがなければ出場機会は増えたことだろう。良いサポートでチームに貢献しており、状態の良さが左 SB としても窺い知れた。
MF: ファジョーリ 5.5
パレデスのパフォーマンスに引っ張られる形で不完全燃焼に終わる。中盤でコンビを組む相手によって取るべき選択肢の序列を変えた方が良い。
MF: パレデス 5.0
先発で起用された試合で結果をまたも残せず。失点を許した際のカウンター対応で最善を尽くしたとは言えないため批判は避けられそうにない。
MF: ラビオ 6.0
屈強なフランス勢を相手にしたフィジカル勝負を苦にすることなく自身の仕事を遂行。後半はペースダウンしたが、手堅いプレー内容だった。
FW: ディ・マリア 7.0
2列目を主戦場にヴラホヴィッチとキエーザの得点機を演出。格の違いを周囲に見せ付けたパフォーマンスだった。
FW: ヴラホヴィッチ 6.5
キエーザのお膳立てで先制点を奪取し、お返しに決定機のお膳立てをする。フィオレンティーナ時代からのコンビが健在であることを示した。
FW: キエーザ 6.5
ヴラホヴィッチとのコンビが機能した際の爆発力を見せ付け、トリデンテの起用が最適解であることをアピール。自身のゴールがあれば理想だった。
【交代選手など】
MF: ロカテッリ 6.0
ファジョーリとの交代で63分から出場。勝ち越しを狙って攻撃のタクトを振ったが、主審のジャッジなどに阻まれてストレスが残る結果となった。
WB: コスティッチ 6.5
63分にパレデスとの交代で出場し、左 WB として攻撃に横幅を確保。3-4-2-1 で攻め立てる号砲として機能した。
FW: スーレ 5.5
ディ・マリアに代わって73分から出場。前任のパフォーマンスが良すぎたため、比較対象で評価が相対的に劣ってしまうことは止むを得ない。
WB: クアドラード 6.0
デ・シリオとの交代で73分から出場。右 WB としてコスティッチと同様に攻撃の足がかりを作る仕事を献身的に行った。
FW: ケーン ー
86分にヴラホヴィッチとの交代で出場する。
アッレグリ監督 6.0
ファーストレグのホームで先勝できなかった結果は批判されるだろう。だが、3得点はできるだけの決定機をチームとして作り出していたことは事実だ。1点差で安全圏に入った後のような攻撃とカウンター対策の甘さを修正することが課題。
ピニェイロ主審 5.0
ヨーロッパリーグのレベルに合った審判員と揶揄すればそれまでなのだが、UEFA のコンペティションに登場する審判員の水準としては大いに問題ありだ。注目度の高い試合で主審を任されることはしばらくないだろう。
