2021/22 コッパ・イタリア準々決勝サッスオーロ戦は試合終了間際のヴラホビッチ選手のシュートがオウンゴールを誘発し、試合はユベントスが 2-1 で勝利しました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus [4-2-3-1] |
US Sassuolo Calcio [4-2-3-1] |
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GK | 36: ペリン | 56: ペーゴロ |
DF | 2: デ・シリオ 19: ボヌッチ 4: デ・リフト 12: A・サンドロ |
44: ルアン 5: アイハン 31: フェッラーリ (C) 77: キリアコプロス |
MF | 28: ザカリア 5: アルトゥール 11: クアドラード 10: ディバラ (C) 14: マッケニー |
20: ハルイ 8: M・ロペス 25: ベラルディ 18: ラスパドーリ 23: トラオレ |
FW | 7: ヴラホビッチ | 91: スカマッカ |
ユベントスのアッレグリ監督は 4-2-3-1 を選択。ヴラホビッチ選手とディバラ選手が縦関係の2トップを組み、中盤はアルトゥール選手とザカリア選手のダブルボランチで試合に臨みます。
対するサッスオーロのディオニージ監督も 4-2-3-1 を選択。スカマッカ選手を1トップに2列目にはベラルディ、ラスパドーリ、トラオレの主力3選手が入る布陣で試合を迎えます。
試合が動いたのは3分。ユベントスはA・サンドロが左サイドを抜け出してクロスを入れるとマッケニーがシュート。これは相手 DF にブロックされたが、跳ね返りをディバラが左足ボレーで叩き付けてユベントスが先制に成功する。
対するサッスオーロは13分にボヌッチのフィードを引っ掛けたベラルディが強烈なミドルも GK ペリンが好セーブ。16分にはトラオレの落としからキリアコプロスのシュートが枠を捕らえたが、これもペリン立ちはだかる。
ポゼッションを強めて主導権を握ったサッスオーロは24分にトラオレが左サイドをドリブルで持ち上がり、スカマッカとのワンツーを用いてシュート。これがゴール右上に決まり、1-1 の同点に追い付く。
ユベントスは37分にボヌッチのフィードに反応したヴラホビッチが抜け出しに成功したが、シュートは GK ペーゴロの阻まれて勝ち越しとはならず。前半は 1-1 で折り返すことになる。
後半はサッスオーロがスカマッカの高さを活かしてサイドからのクロス攻撃でユベントスゴールに迫るも、2回のシュートはどちらもクロスバーを越えてしまう。
ユベントスは55分にサッスオーロの CK からカウンターを発動させると、最後はデ・リフトのパスを受けたマッケニーがシュート。だが、右ポストを叩いてしまう。
勝ち越しゴールを狙って猛攻を仕掛けるユベントスだが、手にした決定機は GK ペーゴロに阻まれてスコアは動かない。73分にはディバラの FK にマッケニーが飛び込むが GK ペーゴロが好守で応戦し、こぼれ球に詰めたデ・リフトのシュートは右ポストに嫌われる。
82分にはマッケニーのロングスローをラビオのフリックシュートが枠に飛ぶが、これも GK ペーゴロが CK に逃れて延長戦の雰囲気が色濃くなる。
だが、試合は終了間際の88分に動く。ユベントスはディバラがスルーパスを送るとヴラホビッチが左サイドを突破し、ミュルドゥルを振り切って右足でシュート。これがルアンに当たってコースが変わってゴールに吸い込まれ、土壇場で勝ち越しに成功する。
サッスオーロは残された時間で反撃を試みるも再び同点に追い付くことはできず。試合は 2-1 で終了し、ユベントスが準決勝に進出した。
試合に出場したユベントスの選手・監督への採点は次のとおりです。
GK: ペリン 7.0
前半に枠内シュートを浴び続けたが、高いシュートストップ能力でチームに貢献。ビルドアップへの参加にも慌てずに堅実なプレーに終始した。
DF: デ・シリオ 5.5
トラオレのプレーを制限することに苦労し、前半に押し込まれる要因になってしまった。
DF: ボヌッチ 5.5
復帰直後で試合勘が鈍っていた。13分のベラルディへのパスミスがサッスオーロを勢い付ける呼び水になったことは否めない。
DF: デ・リフト 6.5
守備での力強さと最前線まで駆け上がる攻撃参加の両面で存在感を発揮。スペースへの縦パスなど光るプレーが随所にあった。
DF: アレックス・サンドロ 6.5
今シーズンの不振が払拭された内容を披露した。左サイドのウィンガーやインサイドハーフとの連携も良く、捲土重来となるかがポイントだろう。
MF: ザカリア 6.0
ダブルボランチの一角としてプレー。持ち味を存分に発揮したが、攻撃参加時のバランス維持や守備ブロックの構築時の連携には改善の余地を残した試合だった。
MF: アルトゥール 6.0
レジスタの役割を主に担当するダブルボランチとして個の能力を見せ付ける。その一方でパスのタイミングが味方と合わないなど安易なミスも散見された。この点が反省点になるだろう。
MF: クアドラード 5.5
右サイドで幅を取る仕事が期待されたが、キリアコプロスの攻撃参加に振り回される形で持ち味が消えてしまっていた。良いパフォーマンスを見せれた試合ではなかった。
MF: ディバラ 6.5
ゴール前での勝負強さとヴラホビッチへのラストパスで2得点に関与。チームが勝ち越しを狙って攻勢を強めた中で決定機の演出を続けており、意地を見せ付けた試合となった。
MF: マッケニー 6.0
ペナルティーエリアへの飛び込みで決定的なシュートを放つなど持ち味を発揮。ペーゴロの好守に阻まれたが、期待された仕事は攻守両面で果たしていた。
FW: ヴラホビッチ 6.5
裏のスペースへの抜け出しやポストプレーでの起点作りなどでチームに貢献。最後はディバラのスルーパスを引き出してサイドを突破し、決勝ゴールで勝負強さを見せて価値を証明した。
【交代選手など】
MF: ロカテッリ 6.0
ザカリアとの交代で61分から出場する。役割を引き継いで右サイドを立て直し、アルトゥールが下がった後はレジスタとして舵取り役を担った。
FW: モラタ 6.5
61分にデ・シリオとの交代で出場し、左ウィンガーとしてプレーする。勝ち越しを狙って攻勢を強めるチームの中で良いアクセントとなり、波状攻撃を加える一員として機能していた。
MF: ラビオ 6.0
70分にアルトゥールに代わって出場。左インサイドハーフとして中盤でのバランスを維持し、惜しいシュートを放つなど見せ場を作っていた。
FW: カイオ・ジョルジ ー
89分にヴラホビッチとの交代で出場する。
アッレグリ監督 6.5
立ち上がりに先行したまでは良かったが、前半の中頃からはサッスオーロの左サイドからの攻撃を抑え切れずに同点弾を献上。前半の内容は大いに反省すべきだろう。後半は 4-3-3 への変更して勝ち越し点を狙い続けた姿勢が最後に報われる結果となっただけに総括が重要になる。
マリネッリ主審 6.0
ヴラホビッチが PK を要求する場面もあったがノーファールの判定は正しい。全体として試合をコントロールしており、審判団として堅実な仕事をしていた。