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2021年夏の移籍市場で求められるユベントスの補強戦略

 アッレグリ監督が復帰したことで今夏の移籍市場での動きは直近2シーズンは違ったものになるでしょう。現時点でユベントスがどのような移籍市場での動きが求められるのかを整理したいと思います。

画像:アッレグリ監督復帰で獲得が噂される選手たち
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■ 余剰戦力の放出は不可避

 まず、現時点でユベントスが保有権を持つトップチームに在籍する選手は下表のとおりです。

表:ユベントスが保有権を持つ選手(2021年6月1日現在)
選手名
GK
(3)
シュチェスニー、ピンソーリョ
ペリン
DF
(12)
CB
(6)
キエッリーニ、デ・リフト、ボヌッチ、デミラル、ドラグシン
ルガーニ
SB
(6)
A・サンドロ、ダニーロ、クアドラード、フラボッタ
デ・シリオ、ペッレグリーニ
MF
(6)
アルトゥール、ラムジー、マッケニー、ラビオ、ベンタンクール
ニコルッシ、(ロベッラ)
FW
(7)
CF ロナウド、(モラタ)
ST ディバラ
WG キエーザ、ベルナルデスキ、クルゼフスキ
ピアツァ

 期限付き移籍から戻ってくる選手もあり、基本的にどのポジションも余剰戦力を抱えています。唯一の例外は「ブッフォン選手が退団を表明した GK」で、フィールドプレーヤーは「放出」の必要があるでしょう。

 ただ、「どの選手をチームに残すのか」はアッレグリ監督とフロント陣で擦り合わせをしなければなりません。

 それを怠ったのが「サッリ監督とパラティーチ CFO」であり、エムレ・ジャン選手から公然と批判される失態を招いたからです。したがって、『現有戦力の序列』を定めた上で今夏の補強戦略が決まることになるはずです。

 

■ GK: ドンナルンマ獲得の前に『第2GK』の決定が必要

 イタリア・メディアは「ドンナルンマ選手の獲得」を盛り立てていますが、それよりも重要なのは『第2GK』の指名です。

 ペリン選手がジェノアから戻ってきたため、現状で「セリエAの正 GK を2人擁している状況」です。クラブチームが擁することができる上限に達しており、現状でドンナルンマ選手の獲得に乗り出す意味はありません。

 そのため、まずは「第2GK を誰にするか」を決めるべきでしょう。

 ドンナルンマ選手を獲得するなら、シュチェスニー選手の放出先が決まってからです。“ユベントスからの売り込み” では足元を見られるため、ネドベド副会長から代理人のライオラ氏に「シュチェスニーの売却先を探せ」と伝言し、汗をかかせる必要があります。

 一方でユベントスのフロント陣は「ペリン選手の去就」と「第2GK探し」で汗をかかなければなりません。ドンナルンマ選手の案件に掛かり切りでは先が思いやられるでしょう。

 

■ DF: 主軸となる選手の指名と余剰人員の削減

 DF 陣は『主軸となる選手』を定めた上で序列を作り、余剰人員となった選手を換金することが求められます。

 CB ではボヌッチ選手とキエッリーニ選手の衰えが顕著になっており、「来夏には契約解除条項が発動するデ・リフト選手と荒さの残るデミラル選手」のどちらを軸に “長期的なチーム作り” をするのかを決める必要があります。

 CB 陣はBチーム所属でドラグシン選手や(アッレグリ監督が 2018/19 シーズンに17歳でセリエAデビューをさせた)ゴッツィ・イウェル選手など若手有望株を擁しています。彼らの成長曲線を描く余地を残す必要があるため、外部から補強する必要はないでしょう。

 テコ入れの必要があるのは SB 陣の方だと考えられます。

 SB は頭数は揃っているものの守備に定評のある選手は見当たりません。ポゼッション時や突破力で高く評価される選手はいるものの相手の攻撃力を防ぐ高い守備力を持った選手が不在であり、この部分がどう評価されるかで入れ替えは起こり得るでしょう。

 左 SB は「左利きの若手選手」が重複しているため、どちらかは期限付き移籍になると予想されます。

 

■ MF: レジスタ役に任命する選手がポイント

 MF 陣は「役割分担に基づき序列が決まる」ことになるでしょう。大まかには『レジスタ役』と『(レジスタをサポートする)ガード役』に分けた上で評価されることになるはずです。

 問題となるのはレジスタ役となる『4番』で誰が指名されるかです。

 2018/19 シーズンまでピアニッチ選手が担っていた役割です。現有戦力ではアルトゥール選手がその1番手と思われますが、適性を有しているかは外部からでは判断できません。そのため、ピアニッチ選手の復帰説やロカテッリ選手の獲得説が出ているのです。

 ラビオ選手とベンタンクール選手は『8番』で計算できるため、相応の獲得オファーがない限り市場に出ることはないでしょう。

 若手選手を手元に置いた場合は余剰人員が発生するポジションであり、選手の補強に乗り出す場合は売却や放出が前提となるはずです。

 

■ FW: 抜きん出た年俸を得ているロナウドの去就次第

 FW 陣の補強戦略が本格化するのは「ロナウド選手の去就が定まってから」になると思われます。

 契約期間が残り1年のベルナルデスキ選手は放出が既定路線。得意とするサイドのポジションにはキエーザ選手とクルゼフスキ選手がいますし、4-3-1-2 の場合は適性ポジションがないからです。

 一方でディバラ選手は契約延長が動き出すでしょう。アッレグリ監督が「ディバラ中心のチーム作り」をする可能性が高く、自身の年齢的なピークと重なることからモチベーションの面でも飛躍的な向上が期待できるためです。

 タイプ的に見当たらないのは「相手の屈強な CB から挑まれる肉弾戦を避けようとしない CF」です。「可能なら肉弾戦は回避するタイプの CF」を擁しているため、補強に乗り出す可能性はあると言えるでしょう。

 

 アッレグリ監督との意見の擦り合わせを行った後にユベントスが移籍市場でどのような動きを見せるのかに注目です。