2020/21 セリエA第26節ラツィオ戦はJ・コレア選手に先制ゴールを許すものの、ラビオ選手の同点弾とモラタ選手のドッピエッタでユベントスが 3-1 の逆転勝利を手にしました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus [4-2-3-1] |
SS Lazio [3-5-2] |
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GK | 1: シュチェスニー | 25: レイナ |
DF | 16: クアドラード 28: デミラル 12: A・サンドロ 33: ベルナルデスキ |
77: マルシッチ 14: フート 33: アチェルビ |
MF | 13: ダニーロ 25: ラビオ 44: クルゼフスキ 8: ラムジー 22: キエーザ |
19: ルリッチ 21: ミリンコビッチ 6: L・レイバ 10: L・アルベルト 96: ファレス |
FW | 9: モラタ | 17: インモービレ 11: J・コレア |
ユベントスのピルロ監督は 4-2-3-1 を選択。ダニーロ選手とラビオ選手がダブルボランチの位置に入り、モラタ選手を1トップに起用し、ロナウド選手はベンチに温存する布陣で試合に臨みます。
対するラツィオのインザーギ監督は 3-5-2 を選択。こちらは最終ラインにマルシッチ選手を起用する台所事情ではあるものの、攻撃陣はインモービレ選手を筆頭にお馴染みの選手を起用して試合を迎えます。
試合はラツィオが良い入りを見せる。4分にファレスがドリブル突破からシュートを放つと、9分にはミリンコビッチ=サビッチの FK が枠のわずかに右をかすめる。
カウンターが効果的だったラツィオは14分にクルゼフスキのパスミスを奪ったJ・コレアがデミラルとの 1対1 を制してゴール左下に決め、ラツィオが1点を先行する。
リードを奪ったラツィオは20分にミリンコビッチ=サビッチのシュートが枠を捕らえるもシュチェスニーが横っ飛びセーブがクリア。22分にはL・アルベルトのシュートがシュチェスニーの正面に飛ぶ。
チャンスを作れていなかったユベントスは37分にベルナルデスキの FK にモラタが頭で合わせるが、シュートは枠のわずかに右。それでも39分に縦パスを受けたモラタのポストプレーを活かして左サイドを抜け出したラビオがニアに強烈なシュートを突き刺し、1-1 の同点に追いついて前半を終える。
後半は両チームが立ち上がりから勝ち越しゴールを狙う。
ユベントスは49分に細かいステップで左サイドをこじ開けたキエーザのシュートが枠を捕らえるもレイナが CK に逃れる。対するラツィオは52分にL・アルベルトのクロスにミリンコビッチ=サビッチが頭で合わせたがシュートはクロスバーを叩く。
スコアが動いたのは57分。ユベントスはクアドラードのクロスをエリア内で処理したモラタがムルシッチに倒されるが、PK の笛は鳴らず。このプレーにラツィオがカウンターを発動すると最後はL・アルベルトが狙うもユベントス守備陣がブロック。
すると今後はユベントスが逆カウンターが発動させ、キエーザのドリブルからラストパスを受けたモラタが左足シュートを決めてユベントスが逆転に成功する。
1点のリードを奪ったユベントスは60分にラムジーがミリンコビッチ=サビッチに倒されて PK を獲得。これをモラタがゴール右下に決め、ユベントスのリードは2点に拡大する。
ポルト戦を見据えて主力選手の温存に入ったユベントスに対し、ラツィオは76分にインモービレのミドルシュートが枠を捕らえるもシュチェスニーが好セーブ。90分には右 CK から最後はファレスが狙ったが、シュートはサイドネット。
結局、試合はこのまま 3-1 で終了。前半で同点に追い付き、後半の2得点で勝ち越したユベントスが勝点3を積み重ねた。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.5
J・コレアの先制ゴールを止めるのは無理だろう。それ以外の枠内シュートは確実に処理をし続け、チームの逆転勝利を呼び込んだ。
DF: クアドラード 6.0
復帰即先発出場となったが試合勘の欠如を感じさせることなく上々のプレーだった。ファレスとJ・コレアに手を焼いていたが、状態を上げれば問題にはならないだろう。
DF: デミラル 6.0
J・コレアには苦しめられたが、インモービレには仕事をさせなかった。失点の場面では最悪の形でボールが渡ったのだから批判の対象とはならないはずだ。
DF: アレックス・サンドロ 6.5
CB として上手く立ち振る舞うことができていた。スペースを消し、クロスには落下点を先読みして高さ不足をカバーしており良いパフォーマンスだった。
DF: ベルナルデスキ 6.0
ミリンコビッチ=サビッチのマークを途中で止めてしまった52分のプレーは猛省が必要。しかし、それ以外のプレーは素晴らしいものがあった。クアドラードと同様に前方にスペースがある SB の方が輝ける可能性がある。
MF: ダニーロ 6.5
レジスタとして大部分をプレーし、ポゼッションに関しは卒なくプレーした。課題となるのはアンカーとして DF ラインの盾としても計算できるかだろう。ポリバレントな才能は光っていた。
MF: ラビオ 7.0
ダブルボランチとしてプレーしつつ、ボックス・トゥ・ボックスの役割を担当。課題として指摘され続けていた MF 陣の得点力に対する強烈な回答をお見舞いした。この調子を維持して欲しいところだ。
MF: クルゼフスキ 5.5
コンディションは相当悪いのだろう。クイックネスが不足気味で背後のスペースをラツィオに狙われ続けた。先制点に直結するパスミスもあり、休養によるリフレッシュを与えるべきだ。
MF: ラムジー 6.0
本職であるトップ下で周囲を活かす潤滑油として機能。中盤からボールを引き出す動きや守備時にスペースを消すなど汗をかき続けていた。
MF: キエーザ 7.0
持ち前の縦への突破力で決定機を演出し、ファイナルサードの局面で存在感を発揮。ミッドウィークのポルト戦でも相手守備網を切り裂くことが期待される。
FW: モラタ 7.5
マルシッチに倒された場面で集中力を切らさず、カウンターの応酬でフィニッシャーとして能力の高さを見せつけた。ドッピエッタで決定力を見せつけたことも心強い。
【交代選手など】
MF: アルトゥール 6.0
70分にクアドラードとの交代で出場。レジスタを担当し、パスワークの精度を高める。離脱の要因となった骨化筋炎の症状が再発するかが注目点になるだろう。
MF: マッケニー 6.0
ラムジーに代わり70分から出場する。
FW: クリスティアーノ・ロナウド ー
モラタとの交代で70分から出場。ポルト戦に向けた調整試合となった。
DF: ボヌッチ ー
83分にキエーザとの交代で戦線に復帰。途中出場とは言え、起用できる目処が立ったことは大きい。
DF: ディ・パルド ー
クルゼフスキに代わり91分から出場する。
ピルロ監督 6.5
4-2-3-1 でクルゼフスキの背後にスペースが生じたままだったのは改善すべき点だろう。ただ、失点後に腹をくくって攻勢を強めて同点に追い付き、カウンター合戦を制したことは自信になるはずだ。勢いをどこまで継続できるのかがポイントだろう。
マッサ主審 6.0
フートの手にボールが当たった場面で PK の判定が下されなかったのは疑問だ。キエーザの足に当たってボールが跳ね上がったので不可抗力と判断は可能だが物議は醸すだろう。それ以外の判定は熱くなった選手たちを相手に上手く判定していた。