2020/21 シーズンの最終戦となったセリエA第38節ボローニャ戦はキエーザ選手のゴールを皮切りに4得点をあげたユベントスが 1-4 で勝利しました。
なお、ナポリが引き分けたため、ユベントスはチャンピオンズリーグ出場権の確保に成功しています。
試合に先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Bologna FC [4-2-3-1] |
Juventus [4-4-2] |
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GK | 28: スコルプスキ | 1: シュチェスニー |
DF | 14: 冨安 健洋 17: メデル 5: スマオロ 29: デ・シルベストリ |
16: クアドラード 4: デ・リフト 3: キエッリーニ 12: A・サンドロ |
MF | 30: スハウテン 32: スバンベリ 11: スコフ・オルセン 55: ビニャート 99: バロウ |
44: クルゼフスキ 13: ダニーロ 25: ラビオ 22: キエーザ |
FW | 24: パラシオ | 10: ディバラ 9: モラタ |
ボローニャのミハイロビッチ監督は 4-2-3-1 を選択。パラシオ選手を CF に起用し、2列目にはスコフ・オルセン、ビニャート、バロウの3選手を配置する陣容で試合に臨みます。
対するユベントスのピルロ監督は 4-4-2 を選択。ロナウド選手がベンチスタートとなり、ディバラ選手とモラタ選手の2トップで先発。レジスタにはダニーロ選手を起用する布陣で試合を迎えます。
試合は立ち上がりから両チームが積極的な姿勢を見せる。まずは4分に左サイドを突破したデ・シルベルトリがクロスを入れるもシュチェスニーが辛くもストップ。
対するユベントスは6分にモラタが残したところをクルゼフスキが折り返し、ラビオが狙うもシュートはクロスバー。しかし、跳ね返りをキエーザが押し込んでユベントスが先制に成功する。
ビハインドを背負ったボローニャだったが11分に冨安のクロスにスバンベリがジャンピングボレー。しかし、シュートは枠を捕らえず。23分のスハウテンのミドルはシュチェスニーの正面でゴールとはならず。
すると29分にクアドラードの縦パスを受けたディバラがドリブルで仕掛けて左足アウトで GK をかわす浮き球を送ると、最後はモラタが押し込んでユベントスのリードは2点に拡大する。
45分にはディバラの縦パスをキエーザが落とし、回収したクルゼフスキがラストパス。これをラビオが冷静に流し込んで3点目。ユベントスは前半で試合を実質的に決め、他会場の結果にチャンピオンズリーグ出場権の行方を委ねることになる。
後半は開始同時にボローニャがスバンベリのスルーパスに抜け出したパラシオがシュートを流し込むも、これはオフサイドでゴールは認められず。
対するユベントスは47分にシュチェスニーのパントに反応したモラタが左足シュートでネットを揺らすがオフサイドの判定。しかし、VAR でオンサイドが確認されてユベントスは4点目の奪取に成功する。
集中力が切れたボローニャ守備陣をユベントスは一方的に攻め立てるが5点目とはならず。70分過ぎにはナポリが同点弾を許したとの一報が入り、ユベントスは暫定4位のまま試合最終盤を迎える。
ボローニャは85分にクリアボールを拾ったパラシオの右サイドからの折り返しを走り込んだオルソリーニが右足でゴール左下に蹴り込み、一矢報いることに成功する。86分には再び右サイドからの崩しで最後はバロウが強烈なシュートを放つもピンソーリョがストップ。
後半アディショナルタイムがほとんどなかった試合は 1-4 で終了。ユベントスのチャンピオンズリーグ出場権は他会場の結果に委ねられる。ミランはアタランタを下したが、ナポリはホームでベローナを相手に 1-1 の引き分け。これによりユベントスは逆転で4位が確定し、チャンピオンズリーグ出場権を獲得した。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.5
デ・シルベストリの鋭いクロスをキャッチしたことを皮切りにシュートストップも安定していた。
DF: クアドラード 6.0
自陣でのビルドアップ参加に加え、対面したバロウの攻撃も上手く制限。攻守において堅実なプレーで貢献した。
DF: デ・リフト 6.0
接触プレーで右足首を痛める場面があったが上手く守り切った。細かい部分では修正点はあったが大量得点をした攻撃陣に感謝する必要がある。
DF: キエッリーニ 6.0
ボローニャの攻撃陣に慌てさせられることもなく守備陣を統率。パラシオやスコフ・オルセンにゴール前での自由を与えず、健在であることを示した。
DF: アレックス・サンドロ 6.5
左 SB からスタートして偽 SB の役割も担い、キエッリーニが退いた後は左 CB としてもプレーした。多才であるだけにどう査定するかが注目点だろう。
MF: クルゼフスキ 7.0
今節でも持ち味が発揮されていた。右サイドからの仕掛けは効果的でキックの精度も高かった。ストロング・フィニッシュに成功したことが好印象を残した。
MF: ダニーロ 6.0
ボールを配球する点に関してはベンタンクールよりも秀でているだろう。だが、42分の処理ミスでオウンゴールを誘発しかけた場面にはゾッとさせられた。
MF: ラビオ 7.0
欧州選手権には好調で臨めそうだ。最前線に良いタイミングで顔を出し、決定力も見せつけた。デシャンは大いに喜んでいるはずだ。
MF: キエーザ 7.0
左サイドをスタートポジションに仕掛けや中央でのポストプレーで存在感を発揮。こぼれ球を押し込める場所にも顔を出し、移籍金に見合ったパフォーマンスを見せてシーズン最終戦を締めくくった。
FW: ディバラ 7.5
自らの得点はなかったが、リンクマンとしても攻撃の最終局面で変化を付けられる存在としても眩い輝きを放った。素晴らしいパフォーマンスだった。
FW: モラタ 7.5
先制点の起点となるスプリントに始まり、ドッピエッタで今シーズンを締めくくる。攻撃陣とのコンビネーションも良好だった。
【交代選手など】
DF: ボヌッチ 5.5
後半開始と同時にデ・リフトとの交代で出場。パラシオに入れ替わられたり、オルソリーニへのマークが甘くなるなど不安な部分を露呈したがチームが結果を出したことに救われた。
MF: アルトゥール ー
58分にキエッリーニとの交代で出場。ボランチとしてプレーする。
MF: マッケニー ー
キエーザに代わり58分から出場する。キエーザの仕事をほぼそのまま引き継ぎ、試合を終える役割を担った。
GK: ピンソーリョ 6.0
67分にシュチェスニーとの交代で出場機会を得る。オルソリーニにゴールを許したが、あのシュートを止められる GK はいない。バロウのシュートを止め、ご褒美ではないことを示したのがプラス。
DF: ベルナルデスキ ー
67分にダニーロに代わり出場。左 SB 兼 WB としての役割を担ったが持ち味が発揮されたとは言い難いパフォーマンスだった。
ピルロ監督 6.5
選手起用に疑問符は付くかもしれないが最善を尽くした采配はできていただろう。前半で試合の行方を実質的に決めることに成功し、果報を待つ状態を作れたことは評価に値する。後は審判の行方を見守るだけだ。
バレリ主審 6.5
空気のような存在だった。審判団としてそれだけ仕事をしていたことになる。モラタの2点目でのオフサイド判定を副審が間違えたぐらいしかミスが見当たらなかった。