2019/20 セリエA第37節カリアリ戦は前半に2得点を決めたカリアリがそのまま逃げ切り、ユベントスは 2-0 で敗れました。

先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。

Cagliari Calcio [3-4-1-2] |
Juventus [4-3-3] |
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GK | 28: クラーニョ | 77: ブッフォン |
DF | 40: バルキエビツ 23: チェッピテッリ ![]() 15: クラバン |
16: クアドラード 24: ルガーニ 19: ボヌッチ ![]() 12: アレックス・サンドロ |
MF | 24: ファラゴ 21: ヨニツァ 6: ログ 3: マッティエッロ 10: ジョアン・ペドロ |
30: ベンタンクール 5: ピアニッチ 38: ムラトーレ |
FW | 37: ガリアーノ 99: シメオネ |
33: ベルナルデスキ 21: イグアイン 7: ロナウド |
カリアリのゼンガ監督は 3-4-1-2 を選択。J・ペドロ選手をトップ下に配置し、2トップはガリアーノ選手とシメオネ選手のコンビで試合を迎えます。
対するユベントスのサッリ監督は 4-3-3 を選択。ブッフォン選手が先発に名を連ね、アタランタへの移籍が決定済みのムラトーレ選手が初スタメンとなる布陣で試合に臨みます。
試合は両チームの FW 陣が積極的な姿勢を見せる展開で幕が上がる。最初に決定機を活かしたのはカリアリ。8分にJ・ペドロがファラゴに展開して右サイドからクロス。これを逆サイドのマッティエッロが落とし、最後はガリアーノが押し込んで先制に成功する。
カリアリは13分にクロスのクリアをマッティエッロが左足で抑えの効いたシュートを枠内に飛ばすが、これはブッフォンがキャッチ。
ユベントスは16分にベルナルデスキの突破からロナウドが押し込むも、これはオフサイドでゴールは認められず。ロナウドは37分に FK を直接狙うが、こちらは壁に阻まれて CK に。この右 CK をイグアインがジャンピングボレーで狙うも、枠を捕らえず。
すると前半アディショナルタイムに中盤からの浮き球パスを上手く処理したシメオネが素早くミドルシュート。このシュートが難なく決まってカリアリは2点のリードで前半を折り返すことになる。
後半は暑さもあり、チャンスは両チームともにカウンターで相手ゴールを脅かす。
カリアリは50分にJ・ペドロが狙うも、シュートは枠の右。対するユベントスは54分にムラトーレのミドルシュートが枠を捕らえたが、これはクラーニョが CK に逃れる。この CK をA・サンドロがニアで合わせたが、これもクラーニョがストップ。
ユベントスは得点王を狙うロナウドのシュート機会を演出しようとするも、中央を固めるカリアリ守備陣の前に攻めあぐねて時間だけが経過する。
後半アディショナルタイムには途中出場のザニマッキアがミドルシュートでクラーニョに冷や汗をかかせたもののゴールとはならず。結局、試合は 2-0 のままで終了。ユベントスは敗れ、ロナウドはノーゴールに終わった。
試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: ブッフォン 5.0
1失点目は防ぎようがないが、2点目は如何なものか。シュートを打ってくるタイミングではないと誤った判断をしたことで反応が遅れたのが全てだった。
DF: クアドラード 5.5
サイドバックとしてできる貢献はした。だが、前線の攻撃陣が手詰まり状態で局面を打開することはできなかった。
DF: ルガーニ 5.5
ガリアーノに許した先制点でバッシングを受けるだろう。だが、ペナルティーボックスの両脇に陣取った相手 WB に守備陣が振り回された責任は彼のせいではない。その証拠にシメオネなどマークに付いた相手 FW は抑えていたのだから。
DF: ボヌッチ 5.0
右に流れたシメオネのマークをしていたはずだが、何もすることなくシュートを許す。スケープゴートを得た重鎮選手の弊害が強く現れた試合だった。
DF: アレックス・サンドロ 5.5
攻め上がりを自重しつつ、最終ラインで3バックを形成してバランスを取り続ける。ムラトーレとの急造ユニットだったため、左サイドでのコンビネーションは今一つだった。
MF: ベンタンクール 6.0
中盤で普段どおりのテクニックとカバー能力を見せるも、右サイドに偏りすぎて渋滞が発生した状況から抜け出すことはできなかった。不完全燃焼だったと言えるだろう。
MF: ピアニッチ 5.5
ボールを引き出して散らそうとしたが、普段と異なる左サイドの人選による偏りに手を焼く。また、中央に固まり過ぎたことでパスコースも限定されて持ち味を発揮し切ることはできなかった。
MF: ムラトーレ 6.0
スペースへの走り込みは少なかったものの、相手のプレスに動じることなく足元の技術とフィジカルの持ち味を発揮。シビアに見ても良好なパフォーマンスであり、来季の指揮官であるガスペリーニが喜んでいることだろう。
FW: ベルナルデスキ 5.0
またもマッティエッロに封じられた。フォーメーション上のギャップを突けた時しか突破できないのでは立場が危うくなったとしても止むを得ない。焦りからシュートの正確性も大きく欠いていた。
FW: イグアイン 5.0
7分にベンタンクールの縦パスに反応してシュートに持ち込んだ場面と37分のジャンピングボレーがハイライト。プレスはサボりがちでチャンスメイクでも汗をかけず、低調な出来だった。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 5.5
得点を狙い続ける貪欲な姿勢を示したが、その可能性が最も高くなるペナルティーエリア内への侵入は徹底して阻まれた。後半は得意のカットインも対峙することになったマッティエッロに封殺され、フラストレーションを溜め続けた。
【交代選手など】
MF: マテュイディ 6.0
61分にムラトーレとの交代で出場。ダブルボランチの一角としてプレーし、カウンターの芽を摘み取り、サイドの味方にボールを託すシンプルで堅実なプレーを遂行した。
FW: ザニマッキア 6.0
ピアニッチとの交代で61分から出場し、セリエAデビューを果たす。右サイドのライン際を主戦場に積極的に仕掛けてクロスを供給。持ち味をアピールすることに成功した。
MF: ペーテルス ー
76分にベンタンクールとの交代で出場。こちらもセリエAデビューとなる。アンカーとしての役割で DF ライン前で陣取る。ただ、ボールに触れるプレー機会はほとんどなかった。
FW: オリビエリ ー
88分にイグアインに代わり出場機会を得る。前線でボールを追い回す姿勢は示したが、決定機に関与することはできなかった。
サッリ監督 5.0
消化試合を特に収穫を得ることなく消化した。攻撃は極端なまでに右サイドに偏っていたが、これはムラトーレが「新入り」かつ「シーズン終了後の退団が決定済み」でコンビネーションを高める動機が皆無だったからだろう。次戦相手のローマも次節は消化試合になったことは計算外と思われる。
ジェルジーニ主審 6.0
ピアニッチにカードを出した場面はその前にJ・ペドロのハンドがあったため、見逃しは問題視されるだろう。ただ、それ以外は無難に裁いており、セリエBを主戦場にする審判員としてまずますの内容だった。