2019/20 セリエA第21節ナポリ戦はジーリンスキ選手とインシーニェ選手のゴールで2点を取ったナポリがユベントスの反撃をロナウド選手の1点に抑え、2-1 で勝利しました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
SSC Napoli [4-3-3] |
Juventus [4-3-1-2] |
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GK | 1: メレト | 1: シュチェスニー |
DF | 23: ヒサイ 44: マノラス 22: ディ・ロレンツォ 6: マリオ・ルイ |
16: クアドラード 4: デ・リフト 19: ボヌッチ 12: アレックス・サンドロ |
MF | 8: ファビアン・ルイス 4: デンメ 20: ジーリンスキ |
25: ラビオ 5: ピアニッチ 14: マテュイディ 10: ディバラ |
FW | 7: カジェホン 99: ミリク 24: インシーニェ |
21: イグアイン 7: ロナウド |
ナポリのガットゥーゾ監督は 4-3-3 を選択。カジェホン、ミリク、インシーニェの3選手が攻撃を牽引し、中盤では新加入のデンメ選手がバランスを取る陣容で試合を迎えます。
対するユベントスのサッリ監督は 4-3-1-2 選択。ディバラ選手をトップ下に置き、イグアイン選手とロナウド選手が2トップに入る布陣で試合に臨みます。
試合は両チームが最終ラインの守備力に不安を抱えているため、中盤での激しいプレス合戦で幕が上がる。
最初にシュートにまで持ち込んだのはホームのナポリ。8分にミリクの右 CK からニアでマノラスが頭で合わせるが、シュートは枠の上。対するユベントスは15分に抜け出したディバラのパスからロナウドがシュートも、こちらも枠の上へと外れる。
ナポリは直後の16分にインシーニェのクロスに右サイドから斜めの動きで侵入したカジェホンがダイビングヘッドで狙うも、シュートはシュチェスニーの正面。28分には右サイドに流れたミリクがカットインからシュートを放つも、ボヌッチのブロックに阻まれてしまう。
結局、前半は互いに相手ペナルティーエリア付近までは持ち込むも得点を感じさせるシュートは放てず。0-0 で折り返すことになる。
後半は開始直後にアクシデント。ユベントスは48分にピアニッチが左足首を痛めた様子でプレー続行不可能となり、ラビオとの交代を余儀なくされる。
それでもユベントスは53分にイグアインのクロスからディバラがシュート。これはポストを直撃したが、ロナウドが押し込む。しかし、マテュイディからのパスを受けたイグアインがオフサイドでゴールは認められず。62分には左サイドを突破したロナウドのクロスからイグアインがシュートもメレトがキャッチ。
対するナポリは63分にインシーニェが中央をドリブルで持ち上がり、ミリクとのワンツーからミドルシュート。これはシュチェスニーが防いだが、こぼれ球をジーリンスキが押し込んでナポリが1点を先制する。
ビハインドを背負ったユベントスはD・コスタとベルナルデスキを投入して 4-3-3 にシフト。しかし、前線からのプレスが機能せず、ポゼッションに比重を移したナポリが上手く時計を進める。
すると、86分にナポリは左サイドのミリクがクロスを供給。これは逆サイドに流れたがカジェホンが回収して折り返し。これをインシーニェがボレーで決め、ナポリのリードは2点に広がる。
ユベントスは90分にベンタンクールのフィードに反応したロナウドが飛び出して来たメレトよりも先にボールに触れて流し込み、一矢報いることに成功。しかし、反撃はここまで。試合は 2-1 でナポリが制し、ユベントスは勝点を取りこぼす結果となった。
試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 5.5
2失点はしたものの、GK の能力で防げたものではなかったことは事実だ。GK の責任を問われることは酷と言えるだろう。
DF: クアドラード 5.5
攻守両面で献身的な貢献を続けていたが、周囲にあるスペースを活用される形で2失点に関与。ただ、システム上の欠陥であるため、誰が右 SB に入っていたとしても同じ結果になっただろう。
DF: デ・リフト 6.0
身体を張ったシュートブロックを見せるなど守備で貢献。ただ、ペナルティーエリア内での決定的な仕事を防ぎ切るまでには至らなかった。
DF: ボヌッチ 5.5
守備陣を上手く統率することはできていたが、“隙間” を突かれて2失点を献上。期待のビルドアップでの貢献度も低く、不完全燃焼の試合となった。
DF: アレックス・サンドロ 5.5
前半はカジェホンを上手く封じていたが、後半は自身の前のスペースに起点を作られるなど苦戦。4-3-3 になってからは蓋をされる形となり、攻撃での見せ場はほとんどなかった。
MF: ベンタンクール 6.0
右インサイドハーフでスタートし、ピアニッチの負傷交代後はレジスタとしてプレー。ボールを散らすことには少し苦労したが、それでもロナウドのゴールをアシスト。期待された仕事は果たした。
MF: ピアニッチ 6.0
レジスタとしてボールを散らすと共に、中盤での攻守のバランスも上手く成り立たせる。後半開始すぐに負傷交代となっただけに状態が気になるところだ。
MF: マテュイディ 5.0
対面するF・ルイスとのデュエルで劣勢となり、攻守において後手に回る。後半に右サイドからの攻撃に比重を移したナポリに良いようにやられてしまった。
MF: ディバラ 5.5
FK や2トップへの展開などリンクマンとしての役割を十分に果たす。ただ、得点に直結する働きはできず。戦術的な理由でまたも途中交代となった。
FW: イグアイン 5.0
サッリの寵愛を受けてフル出場。しかし、相手が嫌がるポストプレーをすることはできず、シュートは GK メレトの正面を突いた。94分のオーバーヘッドはゴールを期待させたが、勝負弱い FW であることに変わりなかった。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 6.5
爆発的なスプリントで相手を置き去りにしてチャンスを拡大し、90分にはベンタンクールのフィードに反応して決定力の高さを示す。タイトなマークが日常茶飯事であり、実力は別格であることを示した。
【交代選手など】
MF: ラビオ 5.5
50分に負傷したピアニッチとの交代で出場。ベンタンクールがしていた仕事を引き継ぐも、持ち味の出すまでには至らず。
MF: ベルナルデスキ 5.0
73分にマテュイディに代わり出場。中盤でのドリブルで積極性を示そうとするが、ナポリ守備陣に脅威を与えることはできず。判定に抗議して警告を受けるなど空回りに終わった。
FW: ドウグラス・コスタ 5.0
ディバラとの交代で73分から出場機会を得る。ナポリの SB に縦へのドリブルコースを消され、自らはA・サンドロの攻め上がりに蓋をするなど逆効果になる場面が多かった。
サッリ監督 5.0
守備に不安の抱えるチーム同士の対戦だったにも関わらず、得意の攻撃が沈黙することになった責任は重い。ディ・ロレンツォの前に沈黙したイグアインを最後まで使い続け、交代投入の選手は脅威を与えることはできず。守備ではゾーンの穴を突かれるなど散々な出来だった。
マリアーニ主審 6.5
クアドラードの手に当たったシーンは PK を取っても良かったが思い止まる。カードを出す枚数は多かったが、荒れ模様になる前に上手く試合をコントロールしており、レベルの高い審判団だった。