『トゥット・スポルト』がユベントスとバルセロナの間でトレードの話が進んでいるとの記事を書いています。何選手かの名前が出ていますが、実現の可能性は低いでしょう。なぜなら、両チームともに「新たに選手を獲得する必要がないから」です。
■ バルセロナ → ユベントスで名前が出ている選手
ユベントスが獲得に興味を示していると報じられているのはラキティッチ選手とバルサBに所属するファン・ミランダ選手です。
- ラキティッチ(31)
- デ・ヨングの加入で主力 MF を放出する必要あり
- 余剰戦力ではないため、バルサの姿勢は「オファー次第」
- ファン・ミランダ(19)
- バルサBに所属する左 SB
- ジュニオル・フィルポ選手を獲得したことでトップチームの左 SB は枠が埋まる
- バルサの姿勢は「保有権は手放したくない」
バルセロナもユベントスと同様に中盤 MF が飽和状態にあります。だから、「放出候補」としてラキティッチ選手やビダル選手の名前が出ており、サッリ監督のスタンスに合うと考えられるラキティッチ選手のユベントス行きが噂になっているのです。
ただ、バルセロナがユベントスと異なるのは「選手を売らなければならない状況ではない」という点です。そのため、選手を放出することはあっても、新たに獲得することになるトレードをすることはないでしょう。
ファン・ミランダ選手は「ペッレグリーニ選手を獲得していないなら素晴らしい補強」と言える選手です。しかし、実際にはペッレグリーニ選手の保有権を得るために2200万ユーロを投下していますので、具体的なアプローチに発展することはないと考えられます。
■ ユベントス → バルセロナで名前が出ている選手
逆にバルセロナが興味を示している選手として名前が出ているユベントスの選手はエムレ・ジャン選手とマンジュキッチ選手です。
- エムレ・ジャン
- ユベントスの中盤 MF は飽和状態
- ケディラ選手が適性を示したため、エムレ・ジャン選手の序列は2番手以下
- フィジカルを持った選手はバルサでは稀有
- マンジュキッチ
- ユベントスは FW も飽和状態
- マンジュキッチ選手はサッリ監督のスタイルとは合わない
- バルサは昨季『9番』としてボアテング選手を獲得
実際にはバルセロナが獲得の噂が出ているユベントスの選手に興味を示すことはないでしょう。なぜなら、両選手ともに「獲得は不要」と断言できる根拠があるからです。
エムレ・ジャン選手の場合は「同タイプのビダル選手」がバルセロナに在籍中です。そのため、“毛色の異なる選手” を新たに獲得する必要性は少なく、ラキティッチ選手とのトレードは起こり得ないと考えられます。
次にマンジュキッチ選手の場合は「 “サッリボールよりも足元の技術を要求するバルセロナ” がサッリ監督のスタイルに合わないと言われる選手を獲得するのか」という根本的な疑問点があります。こちらも「飛ばしが濃厚」と言わざるを得ないでしょう。
選手売却に苦しむユベントスのフロント陣に地元紙が世論作りでサポートしたくなる気持ちは理解できなくもないですが、過度な忖度は自重すべきでしょう。ユベントスの人員削減が上手く機能するのかに注目です。