ユベントスは公式サイト上で、アニェッリ会長がトップを務める ECA (欧州クラブ協会)が定例会を行ったことを報告しています。「2021年の FIFA クラブW杯構想への反対」と「2024年以降の変革」を宣言しており、クラブを取り巻く環境が激変する可能性があるでしょう。
ECA の会長を務めるアニェッリ会長はオランダ・アムステルダムで行われた定例会に出席。そこで基調演説を行い、参加クラブ数が増加する『FIFA クラブW杯』に対して「ECA はサポートできない」と宣言しています。
これは新フォーマットが導入される2021年の6月が “殺人スケジュール” になるからでしょう。
- 2021年5月29日: UEFA CL 決勝
- 2021年5月31日〜6月8日:国際Aマッチデー
- 2021年6月中旬〜7月上旬:FIFA クラブW杯
- 2021年6月中旬〜7月上旬:アフリカネーションズカップ、ゴールド杯(北中米)
FIFA が「6月中旬からクラブW杯を開催する」と宣言したのですから、同時期に開催が予定されていたアフリカ・ネーションズカップや北中米カリブのゴールドカップは7月中旬以降に先送りされるはずです。
8月下旬から「欧州の 2021/22 シーズン」が開始することを考えると、過密日程の限度を超えていると言わざるを得ないでしょう。だから、ECA は「反対」の姿勢を鮮明にしているのです。
この FIFA の動きに対し、UEFA と ECA は『スーパーリーグ構想』で対抗すると考えられます。
ただ、以前から言及されていた『スーパーリーグ』ではなく、『スーパー・チャンピオンズリーグ』という形で UEFA と歩調を合わせたものになるでしょう。なぜなら、その布石が既に打たれているからです。
- UEFA は 2021/22 シーズンから『3つ目の大会』を開催
- 大会フォーマットは3年周期で変更される
→ 2023/24 シーズンが1つの区切り - ECA の総会では「2024年以降」との発言が主体
要するに、2024/25 シーズンから「UEFA の3つのコンペティションを変更して『スーパーリーグ』として運用する」ことが現実的に考えられるのです。
- チャンピオンズリーグ:
- 名称は「チャンピオンズリーグ」のまま
- 参加クラブ数は 18〜20 で、総当たりのリーグ戦
- 下位チームは降格
- ヨーロッパリーグ:
- 「新・チャンピオンズリーグ」の下部リーグ
- 上位チームは昇格
“3つ目のコンペティション” と “ヨーロッパリーグ” を「2部として同格に扱う」なら、それぞれのリーグから CL への昇格チーム数を「2」とすれば、リーグ戦は成り立ちます。またはネーションズリーグを参考に3部制で運用しても問題にはならないでしょう。
2024年以降の欧州サッカー界がどのようなフォーマットで行われることになるのか。ビッグクラブを中心とした駆け引きの行方に注目です。