サウジアラビア・ジェッダで行われた 2018/19 シーズンのスーペル・コッパはロナウド選手のゴールでユベントスが 1-0 で競り勝ち、3年ぶり通算8度目の栄冠を手にしました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus [4-3-3] |
AC Milan [4-3-3] |
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GK | 1: シュチェスニー | 99: ドンナルンマ |
DF | 20: カンセロ 19: ボヌッチ 3: キエッリーニ 12: アレックス・サンドロ |
2: カラブリア 17: サパタ 13: ロマニョーリ 68: リカルド・ロドリゲス |
MF | 30: ベンタンクール 5: ピアニッチ 14: マテュイディ |
17: ケシエ 14: バカヨコ 39: パケタ |
FW | 11: ドウグラス・コスタ 10: ディバラ 7: ロナウド |
7: カスティジェホ 63: クトローネ 10: チャルハノール |
ユベントスのアッレグリ監督は 4-3-3 を選択。カンセロ選手を先発で起用し、前線はD・コスタ、ディバラ、ロナウドの3トップが流動的なポジションを取る布陣で試合に臨みます。
対するミランのガットゥーゾ監督も 4-3-3 を選択。新加入のパケタ選手を中盤の一角に起用し、前線はカスティジェホ、クトローネ、チャルハノールの3トップで試合を迎えます。
試合はキックオフと同時にミランが押し込むも、即座にユベントスが反撃する。4分にカンセロからのパスを受けたD・コスタのシュートがわずかに左へと外れ、惜しいシーンを作り出す。
17分にはD・コスタからのパスを引き出したカンセロがエリア内に侵入して右足でシュート。しかし、これもわずかに枠の左へと飛んでしまう。
43分には左サイドに展開したD・コスタからのクロスをロナウドがジャンピングボレーで狙うが、叩きつけたシュートはクロスバーの上を通過してしまい、ゴールとはならず。結局、前半は両チームともにシュートの正確性を欠き、0-0 で折り返す。
後半に入ると、ロングカウンターに賭ける意思統一をしたミランがユベントスゴールを脅かす形を作ることに成功する。
48分にバカヨコからの縦パスが最終的にクトローネへと渡り、左足で放たれたシュートがクロスバーを直撃。この後もロナウドからボール奪取してカウンターを発動させるなど惜しい場面は作ったが、最後のシュートを放つところでブロックされ、ゴールを決めることができない。
すると、61分に試合が動く。ユベントスは左サイドでマテュイディがピアニッチにボールを戻すと、ロナウドが裏のスペースへスプリント。ピアニッチからのフィードを頭で合わせたロナウドがドンナルンマを破り、ユベントスが1点を先制する。
ユベントスは68分にマテュイディとのワンツーでミランの守備網を突破したディバラがゴールネットを揺らすが、これはマテュイディがオフサイドポジションにいたため、ゴールは認められない。
反撃に転じたいミランだったが、72分にケシエがエムレ・ジャンに足裏を見せるタックルでイエローカードが提示される。ところが、このプレーに VAR が発動。悪質で危険なタックルと判定されたことでレッドカードに変更され、ミランは10人での戦いを強いられてしまう。
1人少なくなったミランにユベントスの守備網をこじ開けるだけの力は残っておらず、試合は 1-0 のままで終了。ロナウドのゴールを守りきったユベントスが3年ぶりにスーペル・コッパのタイトルを手にすることとなった。
試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は以下のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
チャルハノールの CK への目測は誤ったが、それ以外では安定したプレーを披露。チームがタイトルを手にすることに貢献した。
DF: カンセロ 6.5
ぶっつけ本番とは思えないほど、攻守において大きな存在感を発揮した。手術から復帰したばかりであるため、酷使とならないよう休養を与えながら起用すべきだ。
DF: ボヌッチ 6.0
時折、行方不明となっていたものの全体的にはキエッリーニと良いコンビでミランの攻撃陣を抑え切った。期待された仕事は果たせていただろう。
DF: キエッリーニ 6.5
主将として初のトロフィーを掲げる。パスミスはあったが、自ら挽回するなど闘志あふれるプレーで守備陣を牽引した。
DF: アレックス・サンドロ 6.0
前線のウイングやマテュイディと連携して左サイドでアクセントを付け、守備でも安定した内容を見せた。中央でのターゲットが不足しており、インパクトが薄かったことが残念だった。
MF: ベンタンクール 5.5
相手陣内でのプレーは的確で良い内容だった。ただ、自陣内でのビルドアップ中に狙われ、ボールロストを複数回してしまったことがマイナス。慎重さにメリハリを付けることが要求される。
MF: ピアニッチ 6.5
ボールを動かしてリズムを作り、ボール奪取でも存在感を放つなど良い出来だった。ロナウドへのアシストは自らの持ち味が存分に発揮されたプレーだった。
MF: マテュイディ 6.0
バカヨコとのフィジカルバトルでは劣勢となるも、その後は修正し、黒子役としてチームに貢献。中盤でチームのバランスを取り、落ち着きをもたらす役割を果たした。
FW: ドウグラス・コスタ 6.5
右サイドを主戦場に持ち味の爆発的なドリブルを駆使し、ミラン守備陣を翻弄する。攻撃面でアクセントを付け続け、大きな存在感を見せつけた。
FW: ディバラ 5.5
攻撃を牽引することが期待されたが、肉弾戦と主体にして守ろうとするミラン DF を相手に沈黙。不完全燃焼に終わってしまった。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 7.0
ジャンピングボレーに始まり、自らのカットインからのシュート、決勝点と厳しいマークを受けながらも結果を残した。存在感が明らかに抜きん出た選手と言えるだろう。
【交代選手など】
MF: エムレ・ジャン 6.0
64分にピアニッチとの交代で出場する。フィジカル勝負が強まることを見越しての起用に応える内容を見せた。ボックス・トゥ・ボックスの役割を担当できる走力もあり、チームにどう組み込んで行くか次第だろう。
MF: ベルナルデスキ ー
ベンタンクールに代わり、86分から出場。中盤のインサイドハーフやウィングなどチームから求められたポジションで献身性を見せ、戦力であることをアピールした。
MF: ケディラ ー
90分にD・コスタとの交代で急遽出場する。足を攣ったD・コスタに代わり、アディショナルタイムでの守備を完遂。クリーンシートで試合を終えることに貢献した。
アッレグリ監督 6.0
一発勝負の決勝戦ということで、守備から入って貴重な先制点を守り切るという手堅い試合運びを見せた。その反面、クロスのターゲットがエリア中央に陣取っておらず、マンジュキッチ不在の影響が垣間見えた試合でもあった。この問題点への対策を講じることは不可避と言えるだろう。
バンティ主審 6.0
ミランのオンサイドがオフサイドとなるなど審判団が微妙だったことは否めない。だが、ジャッジとしては一定だったため、批判をしにくいことも事実だ。エムレ・ジャンのコンティへのタックルを PK と主張する声もあるが、それならサパタのハンドも PK だ。どちらも VAR は発動しなかったのだから、公平と言わざるを得ない。