雨のアリアンツ・スタジアムで行われた 2018/19 セリエA第11節カリアリ戦はディバラ選手の先制ゴールなどでユベントスが 3-1 で勝利しました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus [4-3-3] |
Cagliari Calcio [4-3-1-2] |
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GK | 1: シュチェスニー | 28: クラーニョ |
DF | 20: カンセロ 19: ボヌッチ 4: ベナティア 2: デ・シリオ |
33: スルナ 19: ピサカーネ 23: チェッピテッリ 20: パドイン |
MF | 30: ベンタンクール 5: ピアニッチ 14: マテュイディ |
21: イオニータ 6: ブラダリッチ 18: バレッラ 29: カストロ |
FW | 11: ドウグラス・コスタ 10: ディバラ 7: ロナウド |
10: ジョアン・ペドロ 30: パボレッティ |
ユベントスのアッレグリ監督は 4-3-3 を選択。温存されたA・サンドロ選手に代わり、デ・シリオ選手が先発。前線はD・コスタ、ディバラ、ロナウドの3選手が担当する布陣で試合に臨みます。
対するカリアリのマラン監督は 4-3-1-2 を選択。こちらは事前に予想されたパボレッティ選手とJ・ペドロ選手が2トップを組み、カストロ選手がトップ下に入る陣容で試合を迎えます。
試合は1分、ベンタンクールからの縦パスを受けたディバラが左足でシュートを打つと見せかけて切り返し、右足シュートをゴール右下に決め、開始直後にユベントスが先制する。
ユベントスはD・コスタを中心に右サイドから崩してチャンスを作っていたものの、雨で水が溜まったピッチに手こずり、徐々にペースが落ち始める。
すると、16分に右サイドからのクロスがベナティアの手に当たったとして VAR が発動。これはベナティアがヘディングしたボールが右手に当たったため、スローインで再開となったが、そのスローインからのクロスにパボレッティが至近距離で合わせる。しかし、これはシュチェスニーがストップ。
その後も積極的に攻め続けたカリアリの姿勢が実ったのは36分。右サイドから入れたクロスがデ・シリオに当たり、逆サイドのJ・ペドロへの浮き球パスとなる。これをJ・ペドロがマークが緩くなっていたカンセロをトラップで交わし、ニアサイドに蹴り込んでカリアリが同点に追いつく。
だが、ユベントスは38分にD・コスタが左サイドを突破してグラウンダーのクロスを入れる。これをブラダリッチがオウンゴール。即座にユベントスがリードを奪い返す。
42分にはバレッラのクリアをブラダリッチがエリア内で手を使って処理をしたとして VAR が発動。しかし、主審のマリアーニは肩に当たったとして、ノーファールの判定。前半はユベントスが 2-1 と、1点のリードで終える。
ユベントスは後半開始と同時にクアドラードを投入し、縦への速さを活かしてカリアリゴールに迫るも、GK クラーリョを脅かすシュートを打つまでには至らない。
対するカリアリもパボレッティの高さを活かす狙いでサイドからのクロスに比重を置くが、シュチェスニーを中心にエリア内を固めるユベントス守備陣を相手に存在感を発揮とはならず、時間だけが経過する。
両チームともに決め手を欠いて迎えた85分にボックス内に人数をかけていたカリアリはパボレッティに決定機が訪れるも、シュートはベナティアがブロック。CK を得る。
ところが、この CK をユベントスにクリアされると、高速カウンターを受けてしまう。ユベントスはロナウドが持ち上がり、クアドラードが左サイドを猛スプリント。エリア内に侵入したところでラストパスを受けたクアドラードが冷静に決め、リードを2点差に広げる。
結局、試合はこのまま 3-1 で終了。ユベントスはチャンピオンズリーグ前の試合で勝点3を獲得することに成功した。
試合に出場したユベントスの監督・選手などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.5
パボレッティのシュートをストップし、ハイボールへ対処も問題なく行う。失点の場面で GK の責任が問われることはないだろう。
DF: カンセロ 5.5
普段よりも動きが重く、J・ペドロを離してしまうなど出来は良くなかった。疲労の蓄積が懸念されるだけに起用方法に注意を払うべきだ。
DF: ボヌッチ 6.0
中央で奮闘し、チームに勝点3をもたらした。ただ、守備の歯車があまり噛み合っておらず、この点は改善項目と言えるだろう。
DF: ベナティア 7.0
パボレッティに影のように張り付き、攻撃の起点として機能することを制限した。また、シュートブロックでは存在感を発揮し、良い状態にあることをアピールできていた。
DF: デ・シリオ 6.0
左 SB としてはまずまずのパフォーマンスを披露。注文を付けるなら、ロナウドとの連携やカウンター対策のポジショニングになるだろう。守備型の選手が持ち場にいない弊害は軽視できない。
MF: ベンタンクール 6.5
攻守にダイナミックさを見せ、要所に顔を出す。先制点以外にも決定機を創出するチャンスがあっただけに、それを具現化し切れなかったことだけが悔やまれる。
MF: ピアニッチ 6.0
中盤で時間を作り、攻撃の起点として機能する。ただ、この試合では周囲がピッチ状況に手こずったこともあり、自慢のパスワークがフル稼働とはならなかった。
MF: マテュイディ 6.0
ピッチ状況とデ・シリオのプレースタイルに慣れるまで時間を要し、左サイドでのスムーズな攻撃が影を潜める。持ち味は発揮されていたが、やや消化不良だった。
FW: ドウグラス・コスタ 6.0
持ち味のキック力とスピードで右サイドでアクセントを付け、左サイドに回った際は得意のクロスでオウンゴールを誘発。ただ、チームの攻撃とは噛み合い切らず、戦術的な理由で前半のみの出場となった。
FW: ディバラ 6.5
最初のプレーで切れのある動きから先制点を奪取。チームを勢いづけたが、その後は徐々にトーンダウン。それでも、決定的な3点目のきっかけとなるパスをロナウドに届け、FW としての仕事を果たした。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 6.5
前半の追加タイムにポスト直撃弾を放つなど、個の能力を見せつけ、好調さをアピール。試合を決定づける3点目でドリブルからクアドラードに絶好のラストパスを供給するなどチームの勝利に貢献した。
【交代選手など】
FW: クアドラード 7.0
46分にD・コスタとの交代で出場。持ち前のスピードで縦への奥行きを出し、カリアリの最終ラインを押し下げる。試合終盤はボランチを担当した上、チームの3点目を決めるなど大きな仕事を成し遂げた。
MF: アレックス・サンドロ 6.0
ピアニッチに代わり、70分から出場する。4-4-2 の左 MF を担当し、スペースを消すとともにボールの預け先として機能。ポリバレント性を見せる結果となった。
DF: バルザーリ ー
83分にマテュイディに代わって出場機会を得る。3バックの一角として空中戦を使って同点を狙うカリアリに対抗。期待された役割を果たした。
アッレグリ監督 6.5
リード直後に眠りについてしまうという悪癖が出たが、ハーフタイムに修正し、勝点3を手にすることに成功した。失点はミス絡みであり、改善の余地は残されている。どう対処するのかが注目点と言えるだろう。
マリアーニ主審 5.5
ベナティアのハンド疑惑は PK にはできないが、ブラダリッチのハンド疑惑を見逃すのは無理がある。明らかに、自らの意思で動かした左腕でトラップしていたからだ。これは誤審と言わざるを得ないだろう。試合結果に関与しなかったことがせめてもの救いである。