2018/19 UEFA チャンピオンズリーグ・ラウンド16のアトレティコ・マドリード戦(1st Leg)はヒメネス選手とゴディン選手のゴールでアトレティコが 2-0 で先勝しました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Atletico Madrid [4-4-2] |
Juventus [4-3-3] |
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GK | 1: オブラク | 1: シュチェスニー |
DF | 20: ファンフラン 24: ヒメネス 2: ゴディン 3: フェリペ・ルイス |
2: デ・シリオ 19: ボヌッチ 3: キエッリーニ 12: アレックス・サンドロ |
MF | 8: サウール 5: トーマス 14: ロドリゴ 6: コケ |
30: ベンタンクール 5: ピアニッチ 14: マテュイディ |
FW | 7: グリーズマン 19: ジエゴ・コスタ |
10: ディバラ 17: マンジュキッチ 7: ロナウド |
アトレティコのシメオネ監督は 4-4-2 を選択。両サイドのアタッキングハーフにはコケ選手とサウール選手を起用し、ジエゴ・コスタ選手を先発で使う堅守速攻に重点を置いた陣容で試合を迎えます。
対するユベントスのアッレグリ監督は 4-3-3 を選択。右 SB にはデ・シリオ選手が入り、前線はディバラ、マンジュキッチ、ロナウドの3選手が起用される布陣で試合に臨みます。
試合は両チームとも守備に意識を置いた入りを見せる。その中で最初にチャンスを得たのはユベントス。8分に距離のある位置から放たれたロナウドの FK が枠を捉えるが、これは GK オブラクが弾き出す。
対するアトレティコは15分に右サイドからのクロスのこぼれ球をトーマスがダイレクトシュート。しかし、こちらは GK シュチェスニーがキャッチする。
固着状態が続いたが、27分にアトレティコはスルーパスに反応したジエゴ・コスタがデ・シリオに倒されて PK を獲得する。だが、VAR でエリア外と判定され、PK は取り消されてしまう。それでも、その FK をグリーズマンが枠内に飛ばしたが、シュチェスニーがセーブ。
決定機はアトレティコがやや多かったものの、0-0 で前半を折り返すこととなる。
後半、先に絶好機を手にしたのはアトレティコ。50分に中盤でグリーズマンがボール奪取に成功すると、ジエゴ・コスタが裏に抜け出してシュチェスニーとの 1対1 の場面を作り出す。しかし、シュートを枠の右へと外してしまい、先制とはならない。
52分にはグリーズマンが抜け出してループシュートを放つが、これはシュチェスニーが指先で触れたことでクロスバーを直撃。跳ね返りもキエッリーニが真っ先に処理し、このピンチも防ぐ。
すると、攻勢を強める交代をしていたアトレティコの姿勢が実る。70分にF・ルイスのクロスにモラタがヘディングで合わせたが、キエッリーニを押していたことが VAR で確認され、ゴールは認められない。
それでも、78分にアトレティコは左 CK からモラタが折り返して生じた混戦からヒメネスが押し込み、遂に均衡を破ることに成功する。83分には右サイドで得た FK から今度はゴディンが押し込んでリードを2点に広げる。
一方のユベントスは90分にロナウドがグラウンダーで入れた FK からベルナルデスキが放ったダイレクトシュートが枠を捉えるに留まり、反撃とはならず。試合は 2-0 で終了し、アトレティコが準々決勝進出を大きく手繰り寄せる結果となった。
試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は以下のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.5
グリーズマンのシュートを防ぐなど試合全体を通して良い働きができていた。2失点はしたものの、どちらも GK の責任になることはないだろう。
DF: デ・シリオ 5.0
守備力を期待されての起用だったが、ジエゴ・コスタにバトルを挑まれて歯が立たず。PK の判定はダイブ気味だったが、手をかけた印象が悪すぎた。攻撃面でも沈黙し、良い内容とは言えなかった。
DF: ボヌッチ 5.0
マンマークの衰えは隠し切れず。1失点目も接触はあったが、ピッチに倒れたことが裏目に出る結果となった。また、得意のフィードで局面を打開することができず、ストレスの溜まる試合だった。
DF: キエッリーニ 6.0
身体を張った守備は評価されるべきだろう。ただ、中盤でピアニッチに渡そうとした場面を2度ほど狙われて、そこからピンチを招いていた。失点にはならなかったが、ここは反省点だ。
DF: アレックス・サンドロ 5.0
デュエルで競り敗け、サイドの主導権を奪うことができず。その上、カードをもらって次節出場停止となるなど良い部分が見当たらなかった。
MF: ベンタンクール 5.5
ディバラのポジションを見てバランスを取り続けたが、肝心のディバラが消されたことで自身も消えてしまう結果に。持ち味のテクニックを敵陣で使う場面をほとんど得られなかった。
MF: ピアニッチ 5.5
中盤で素早くボールを動かそうとはしたものの、普段とは異なるリズムだったことでパスミスも発生。有効なパスコースが消され続けていたことで不完全燃焼となってしまった。
MF: マテュイディ 5.0
推進役を担うはずがグリーズマンのフィジカルチェックに手を焼き、停滞の一端となる。調子は上がり切っていなかったようだ。
FW: ディバラ 5.0
時間の経過とともにペナルティーエリアから遠ざかり、試合から消えていた。メッシに対する守備を確立させているアトレティコからすれば、ディバラを消すことは難しいミッションではなかったのだろう。
FW: マンジュキッチ 5.5
ポストプレーを惜しまず、ゴディンとのバトルを続ける。だが、クロスが届かず、徒労に終わる結果になってしまった。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 6.0
8分に FK を枠内に飛ばし、自らのドリブルでエリア内に侵入するなど最低限の仕事は果たしていた。だが、組織で守るアトレティコを崩すまでには至らず。これ以上の仕事を個人に要求するのは無理だろう。
【交代選手など】
MF: エムレ・ジャン 5.5
72分にピアニッチとの交代で出場。中盤のレジスタ役を担当するも、守備ブロックを崩すような仕事をすることはできず。
FW: ベルナルデスキ ー
ディバラに代わり80分から出場する。シュートとクロスでそれぞれ1度ずつ惜しい場面を作り出し、与えられた出場時間の中で十分な内容を示していたと言えるだろう。
DF: カンセロ ー
86分にマテュイディとの交代で出場機会を得る。前線での攻撃を担当したが、スペースを消して守るアトレティコの守備網を揺さぶることはできず。存在感を発揮できなかった。
アッレグリ監督 5.0
完敗の内容だった。ロナウドとマンジュキッチがエリア内でボールをほぼ触れず、守備はセットプレーでこじ開けられてしまった。アトレティコが攻撃的な選手を入れた60分以降もチャンスを作れなかったという現実は非常に厳しいものがある。このラウンドで敗退することになるだろう。
ツバイヤー主審 6.0
VAR の発動に関しての文句は出たが判定基準は一定だった。イエローが出された判定も的確であり、物議を醸すことはないだろう。