イギリス・ガーディアン紙が毎年若手有望株選手を選出している “ネクスト・ジェネレーション” の2018年版が発表され、ユベントスからはニコロ・ファジョーリ選手が選出されていましたので紹介いたします。
1:“ネクスト・ジェネレーション” の選出方法
ガーディアン紙の “ネクスト・ジェネレーション” ですが、選出方法は「サッカー記者個人による推薦」です。(日本はベン・メイブリー氏が推薦)
対象となる選手は「17歳になる選手」で、毎年1回のペースで10月頃に発表されています。そのため、17歳の時点でトップチームへの招集歴を有するなど “早熟な選手” が選出されやすい傾向にあります。
したがって、選出された選手が必ずしもトップ選手にまで成長する訳ではありませんので、過度な期待は禁物と言えるでしょう。
2:ガーディアン紙が選出した主な若手有望株選手
2014年から始まった “ネクスト・ジェネレーション” で選出された主な選手は下表のとおりです。
ユベントス | 主な有力選手 | |
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2014 (97年生) |
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2015 (98年生) |
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2016 (99年生) |
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2017 (00年生) |
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2018 (01年生) |
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ユベントスは保有権を持つ選手が毎年1選手のペースで選出されています。ただ、期限付き移籍で加入していた選手(= 表中で * の表記がある選手)は今夏新加入したマコウン選手を除いてチームから離れており、厳しい現実を窺い知ることができます。
2018/19 シーズンはケーン選手がトップチーム登録、マテウス・ペレイラ選手とファジョーリ選手がBチーム登録、マコウン選手がプリマベーラ登録となっています。
17歳のファジョーリ選手は2018年夏のプレシーズンツアーでトップチームに帯同。背番号44を付け、途中出場という形でプレー機会を得た攻撃的な選手です。「プレー機会の確保」という点でプリマベーラでの出場が続いていますが、Bチームへの昇格が現実的にある選手だと言えるでしょう。
3:18歳すぎから急成長した選手は “ネクスト・ジェネレーション” には選出されていない
若手有望株は「成長度合い」によって大きく変化します。ガーディアン紙は「17歳の時点」で選出しているため、18歳以降に飛躍的成長した選手がリストから漏れるという欠点があるのです。
具体例をあげると、キリアン・ムバッペ選手(現・PSG)やフェデリコ・キエーザ選手(現・フィオレンティーナ)は選外となっています。
彼らは17歳までの実績では “若手有望株選手のトップ” に位置づけられていませんでした。そのため、どのサッカー記者もガーディアン紙に推薦しにくかったのでしょう。
早熟型であれ、大器晩成型であれ、重要なのはトップチームで実績を残すことです。したがって、20歳前後の若手有望株選手が成長曲線を描き続けることができる環境が重要になるのです。
注目株という形でスポットが当たった若手選手が期待どおりの飛躍を遂げることができるのかに注目です。