夏の移籍市場も残り2週間となったこともあり、駆け込み補強の必要性のあるチームはここから一気に交渉をまとめ上げようとするでしょう。ユベントスは守備陣に不安があるため、DF を中心に動くことが予想されます。
実際に駆け込み補強をする可能性について整理することにしましょう。
1:ユベントスの現有戦力
ユベントスの現有戦力は下表のとおりです。
GK(3選手) | ||
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ブッフォン | ピンソーリョ | シュチェスニー |
DF(8選手) | ||
デ・シリオ | キエッリーニ | ベナティア |
A・サンドロ | バルザーリ | アサモア |
ルガーニ | リヒトシュタイナー | |
MF(5選手) | ||
ピアニッチ | ケディラ | マルキージオ |
ストゥラーロ | ベタンクール | |
FW(7選手) | ||
クアドラード | イグアイン | ディバラ |
D・コスタ | マンジュキッチ | ピアツァ |
ベルナルデスキ | ||
クラブ育成選手(残り2枠) 協会育成選手(残り0枠) |
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? | ? |
トップチームに登録されているのは23選手。ただ、『クラブ育成選手』で2枠分が存在するため、実質的には登録枠が満たされている状況です。
ただ、長いシーズンを考えると23選手というのは選手層が薄いため、1〜2選手は獲得に向けた動きがあると思われます。
2:駆け込み補強に動く可能性のあるポジション
ー DF (サイドバック)
まず、考えられるのは DF (SB) です。スーペル・コッパで CB を本職とするバルザーリ選手が右 SB で先発起用されたことから、リヒトシュタイナー選手は評価されていないのでしょう。そのため、SB をできる選手を獲得に本腰を入れることが考えられます。
- 現状戦力
- 右SB:デ・シリオ、バルザーリ、リヒトシュタイナー
- 左SB:A・サンドロ、アサモア
- 変更後の戦力
- 右SB:デ・シリオ、バルザーリ
- 左SB:A・サンドロ、スピナッツォーラ
スピナッツォーラ選手は “右利きの左 SB” ですから、「右サイドへのコンバートはそれほど大きな問題にはならない」と首脳陣は見ていることでしょう。そのため、両サイドでプレーができる SB を2選手抱えることになり、リヒトシュタイナー選手とアサモア選手を手放すという選択肢が生まれるのです。
ー MF (ボランチ)
次に可能性があるのはボランチです。ボランチを主戦場とするのは4選手で、ストゥラーロ選手は中盤の便利屋という立場で起用されています。そのため、もう1選手を加える可能性はあります。
メディアではマテュイディ選手の名前が盛んに出ており、移籍金の金額次第では理想的な補強選手となるでしょう。
現状で5選手がいる状況であり、ドウグラス・コスタ選手は3センターの左でバイエルン時代にプレー経験があります。したがって、優先度は DF 陣の補強を上回ることはないと言えます。したがって、獲得があるとすれば、本当に駆け込み補強となることが予想されます。
ー FW
FW は「ラツィオのケイタ選手など有望な即戦力選手が加入した場合に入れ替えが発生するもの」と言えるでしょう。
その場合はクアドラード選手が弾き出されることが濃厚です。スーペル・コッパでのパフォーマンスが良かったとは言えないため、オファー額次第ではユベントスが退団を認めることが十分に考えられるからです。
ユベントスの場合は「ボヌッチ選手が最後尾から供給していた縦パスの役割をどう分担するのか」が今季のテーマです。この部分をチームで上手く再構築できれば、安定感がもたらされることになるでしょう。
現状では中途半端なビルドアップがカットされ、カウンターを受けてピンチを招き、失点するという悪い流れの中にいるからです。能力のある選手を獲得するだけでは解決されない問題ですので、選手の考え方やアプローチ方法を組み立て直す必要もあると思われます。