ベナティア選手に差別発言を浴びせたイタリア国営放送の RAI が謝罪文を発表しましたが、内容があまりにお粗末なもので火に油を注ぐ結果となっています。
“お詫び” の内容は以下のとおりです。
- 人種差別の事故が起きたことを残念に思う
- だが、幸いにも視聴者へは聞こえていなかった
- RAI の社員による発言ではありません
- 選手とクラブへの連帯を表明します
現地7日の12時過ぎに謝罪文として上記が発表されたのですが、火に油を注ぐことになって当然です。なぜなら、「自分たちが問題を起こしたのではない」との無責任さが浮き彫りとなっているからです。
ユベントスは公式声明を出し、RAI の対応を暗に批判しています。
- RAI の『カルチョ・シャンパーニュ』が起こした事故に対し、遺憾を表明する
- 選手は起きた事故に対する説明を受ける権利があるはずだ
- ネット上で指摘されている “干渉説” は話にならない
- ミラノにある RAI のスタジオとヘッドセットをつなぐ n-1 では技術的に混線は起きない
- RAI の技術スタッフは選手と接触していない
- ユベントスは事実が歪曲されることなく、RAI の調査が継続されると確信している
番組出演者が「自分たちではない」と否定し、RAI は「技術者による発言ではない」と表明しました。これに対し、ネット上の一部では「スタジアムで “干渉” による混線が起きたのでは?」との説が述べられていましたが、ユベントスが起こり得ないと全面否定しました。
それに加え、「誤魔化すな」と釘を刺されたことも見落とすべきではないでしょう。
干渉説を持ち出し、「何者かの差別発言が混線した」とのシナリオが RAI にとっては理想的です。しかし、混線が起きるような “問題のある技術” を生中継で使うことはメディアとして考えられないことです。
『ユベントスTV』という形で自前のチャンネルを持ち、放送する側としての一面を持つサッカークラブに対する弁解内容としては粗末なものと言わざるを得ません。
混線できるなら、インタビュアーのオーディオラインに「もっと厳しい質問をしろ」と促し、取材現場を険悪なムードにするいう愉快犯が多数出没してマスコミ業界で大きな問題になっているはずだからです。今後、RAI が真摯に調査を行う企業風土があるかが鍵になると思われます。