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ユベントススタジアムでバナーが逆さまに掲示された訳

 4月29日にユベントススタジアムで行われたユベントスフィオレンティーナ戦を観戦した人は客席のちょっとした違和感を覚えたことでしょう。ゴール裏のサポーターたちが掲げたバナーがすべて上下逆さまになっていたからです。

上下逆さまに掲示された応援バナー

 これは、うっかりミスで上下を間違えたのではありません。彼らなりの意思表示があるのです。上下をわざと逆さまにする意味は "thumbs down" であると捉えることが一般的です。親指を下にしますので、彼らの主張は何かへの「反対」であったり「拒否」、「抗議」といった内容となっています。

 理由は、トリノダービーでアウェーエリアからトリノサポーターが陣取るゴール裏に爆竹(紙爆弾)が投げ込まれたことによってペナルティが科されることへの抗議でしょうトリノの本拠地であるスタディオ・オリンピコのアウェーエリアは1400席。そのエリアの上段付近から投げられたとスポーツ裁判所は結論づけていますが、肝心の犯人の特定にまでは至っていません。

 そのため、(おそらくユベントスファンだと思われる)ごくわずかな愚か者のために9800人が収容できるユベントススタジアムのゴール裏南側スタンドの閉鎖処分はおかしいと主張している訳です

 ですが、リーグは10日のカリアリ戦と24日のナポリ戦の2試合はゴール裏の南スタンドの閉鎖処分を下しました。チームは異議申し立てを行っていますが、裁定が覆らないとユベントスはリーグ戦での残り試合はいずれも南スタンドが閉鎖された状態で戦わなくてはならない状況となります。

 

 ユベントスのクラブとしての主張は、暴力行為に反対する立場は変わりありません。ですが、犯人を特定できない中で“合理的な疑いがあるから”という基準で処分を決定することに反対を表明しています。イタリアのスタジアムには当局が捜査を行う上での問題があり、少なくとも捜査当局からセキュリティ要求を満たし、問題行為への抑止力を備える必要があるとも訴えています

 捜査に関しては“なりすまし”など、あらゆる可能性を除去することは間違いでしょう。問題行為に関しては実行犯を捕まえることができなければ、とばっちりや濡れ衣を着せられる人が出ることが予想されます。イングランドのようにスタジアム内に警官を配備したり、死角が発生しないように監視カメラを設置することを真剣に考える必要があると思われます。

 ユベントス側も自前スタジアムのアウェーエリアの警備体制を強化するがあります。発煙筒や爆竹(紙爆弾)がピッチに投げ込まれるのは決まってアウェー側からなのです。セリエAの共通課題とも言えるでしょうが、ウルトラスやフーリガンの暴挙に対してはホーム/アウェーを問わず厳しく対処する必要があると言えるでしょう。