2024/25 セリエA第16節が行われ、ホームにヴェネツィアを迎えたユベントスは逆転を許すもヴラホヴィッチ選手の PK で土壇場に追い付き、辛くも 2-2 で引き分けました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus FC [4-1-4-1] |
Venezia FC [3-4-2-1] |
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GK | 29: ディ・グレゴリオ | 35: スタンコヴィッチ |
DF | 37: サヴォナ 4: ガッティ 15: カルル 6: ダニーロ (C) |
4: イツェス 30: サヴォボダ 33: シュヴェルコ |
MF | 19: テュラム | 7: ザンパーノ 38: アンデルセン 14: ニコルッシ 77: エラートソン |
22: T・ウェア 8: コープマイネルス 16: マッケニー 10: ユルディズ |
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FW | 9: ヴラホヴィッチ | 11: オリスターニオ 6: ブシオ |
20: ポーヤンパロ (C) |
ユベントスのチアゴ・モッタ監督に代わって指揮をするウグー副監督は 4-1-4-1 を選択。シティ戦からロカテッリ選手とコンセイソン選手に代わってマッケニー選手とT・ウェア選手が先発する予想どおりの布陣で試合に臨みます。
対するヴェネツィアのディ・フランチェスコ監督は 3-4-2-1 を選択。こちらも CF にポーヤンパロ選手、2列目にオリスターニオ選手とブシオ選手が入る戦前に予想された布陣で試合を迎えます。
主導権を握ったのは予想どおり地力の差で上回るユベントス。ポゼッション能力の差を活かしてヴェネツィアを揺さぶりにかかる。
試合が動いたのは19分。ユベントスはコープマイネルスが入れた左 CK をニアでテュラムがフリックすると、ファーサイドのガッティが右足ボレーで合わせて幸先良く先制する。
対するヴェネツィアは29分に左サイドからのクロスをポーヤンパロがポストプレーで落とすと、アンデルセンが間髪入れずにミドルシュート。だが、ボールはクロスバーのわずかに上を通過する。
アンデルセンはこの直後の30分に今度は右サイドからブシオにクロスを送るもが、このシュートはテュラムがスライディングブロックで阻止。前半はユベントスが1点リードで折り返す。
後半で先にゴールネットを揺らしたのもユベントス。49分にコープマイネルスが入れた左 CK をヴラホヴィッチが競って最後はユルディズが頭で押し込むも、VAR でシュートが自身の右手に当たって軌道が変わる恩恵を得たと判断されて得点は取り消されてしまう。
すると、ヴェネツィアは61分に右サイドからザンパーノが入れたクロスに逆サイドの大外から勢い良く飛び込んだエラートソンがヘディングシュートを突き刺し、1-1 の同点に追い付くことに成功する。
追い付かれてしまったユベントスは67分に途中出場のD・ルイスのワンタッチパスに反応したヴラホヴィッチが枠内シュートを放つも、GK スタンコヴィッチとクロスバーに阻まれて勝ち越しとはならず。
勝ち越せないユベントスを尻目にヴェネツィアは左サイドで得た FK からニアサイドでイツェスがヘディングシュート。これがファーサイドのネットに突き刺さり、ヴェネツィアが83分に逆転に成功する。
追い詰められたユベントスは93分にコンセイソンが右サイドから仕掛けてシュート。これは GK スタンコヴィッチの横っ飛びセーブに阻まれたが、弾いたボールがカンデーラの手に直接当たったとして PK を獲得する。
ユベントスはこの PK をヴラホヴィッチがゴール左下に決めることに成功。土壇場で 2-2 の同点に追い付いたものの反撃はここまで。試合は引き分けで終了し、勝点2をまたも取りこぼす結果となった。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: ディ・グレゴリオ 5.5
2失点という結果は GK の責任ではないが、シュートセーブの体勢は甘さを指摘されてしまうだろう。偶然と実力の間には大きな差がある。
DF: サヴォナ 5.0
T・ウェアとの連動性が乏しく、エラートソンの動きに気づかずに同点ゴールを許してしまった。今日の低調なパフォーマンスを反省し、教訓にしなければならない。
DF: ガッティ 6.0
先制ゴールを決めて幸先の良いスタートを切ったものの徐々にペースダウン。ヴェネツィア攻撃陣の前に下がってしまい、持ち前の出足でピンチの芽を摘み取ることはできなかった。
DF: カルル 6.0
前半はガッティと同様に良い内容だった。後半はガス欠を気にしてチーム全体と同様にペースダウン。交代選手が不在な DF 陣では止むを得ないことだろう。
DF: ダニーロ 6.0
シティ戦と比較するとソリッドさは不足していたが、中2日の試合でチーム全体がコンパクトさを欠いていたことが根本的な原因。チームのアプローチミスの責任を個人に転嫁してはならない。
DMF: テュラム 6.5
アンカーとしてバランスを取りつつ、自身の特長を攻守でアピール。ガッティの先制点をお膳立てしたニアサイドでのフリックやブシオのシュートを阻むスライディングブロックが代表例。
OMF: ティモシー・ウェア 5.0
持ち前の器用さでチームに貢献しようとしていたが、周囲のチームメイトを噛み合っていなかったことで徒労に終わってしまった。相手に脅威と見なされていないことも響いている。
OMF: コープマイネルス 5.0
監督の目には “何でもできる選手” に映っているようだが、実態は “何もできない選手” だ。攻守で根詰まりを起こしている厄介者を重用して勝利から遠ざかることを自滅と言う。
OMF: マッケニー 6.0
チームとは逆でパフォーマンスは尻上がりに良化していた。得点貢献力に課題を抱える “何でもできる10番” のフォローも担っていることが消耗の激しさを物語っている。
OMF: ユルディズ 6.0
いつも通り左サイドで的確な判断力を発揮し、良い状態で周囲のチームメイトに攻撃参加を促す。ただ、チーム全体の動きが芳しくなく、決定的な存在にはなり切れなかった。
FW: ヴラホヴィッチ 6.5
得点は PK の1点だけだったものの、1得点に相当するプレーを流れの中で見せていた。ティフォージとの間に緊張が走っていた様子だったが、何があったのだろうか。
【交代選手など】
OMF: ドウグラス・ルイス 5.5
66分にコープマイネルスとの交代で出場。交代するだけの価値は示したが、及第点に達するプレーや献身性を示した訳ではなかった。
OMF: コンセイソン 6.0
T・ウェアとの交代で66分から出場する。右サイドからの仕掛けで存在感を発揮し、同点の PK を奪取する鋭いシュートを放って好調さをアピールしていた。
OMF: ファジョーリ ー
サヴォナに代わって80分から出場。
DMF: ロカテッリ ー
ダニーロとの交代で84分から出場。
FW: ニコラス・ゴンサレス ー
ユルディズに代わって84分から出場機会を得る。
ウグー監督代行 5.5
先行してからの試合運びには首を傾げざるを得ない。マンチェスター・シティを反面教師にする謙虚さが首脳陣にあれば、違った試合展開と結果になっていただろう。チーム内競争を止めていることも地味に影響している。
ジュア主審 6.0
ユルディズのゴールが VAR で取り消されたのは妥当だが、GK がシュートセーブで弾いたボールがダイレクトで当たったことを理由に PK を宣告するのはユベントス贔屓の判定だろう。この判定への揺り戻しがシーズン後半戦に訪れても文句は言えない。