現地6月29日に行われた EURO 2024 のラウンド16でイタリアは 2-0 でスイスに屈し、大会敗退となりました。イタリア代表組は「7月下旬にクラブチームに合流」することが唯一の収穫点と言えるでしょう。
イタリア代表がラウンド16で敗退した『結果』はショッキングなものですが、『試合内容』はグループステージを1勝2敗で終えても不思議ではない戦いぶりでした。
最大の要因は「大会直前から大会期間中にスパレッティ監督の方向性が定まらなかったから」でしょう。
- スパレッティ監督の想定
- 高いボール保持率を活かした能動的スタイル
- 「後方の守備に不安」があったので『インテル型の3バック』を採用
- スパレッティ監督が EURO 本大会で直面した現実
- 相手のプレッシングでボール保持を意図したエリアでできず
- 想定外の状況である『籠城戦』を強いられる
“ナポリのスパレッティ監督” をイタリア代表監督に招聘したはずなのに、大会本番でイタリア代表がピッチ上で見せた試合内容は『2023/24 シーズン後半戦のユベントス』でした。
『結果』と『内容』の両方が「(イタリアにとって)納得できるもの」ではありませんし、スパレッティ監督の求心力が大きく低下することは不可避です。そのことに起因する騒乱も避けられないでしょう。
ユベントスにとってはイタリア代表が早期敗退を喫したことで「イタリア代表に選出されていた4選手が(1ヶ月弱のバカンス期間を挟んだ後の)7月下旬にはチームに合流」する状況となりました。
チアゴ・モッタ監督の下で新チームとしてスタートを切るため、開幕節まで半月以上も時間的余裕のある中で “戦力としてカウントしている選手” が合流することは朗報です。
また、皮肉なことに「今回のイタリア代表は “招集されたことが評価になる選手” 以外に果実を得た選手は誰もいない」という状況です。
そのため、イタリア代表から選外となった選手は切り替えやすいでしょう。代表チームでの評価は「GK を除いて EURO2024 を機にリセットされる」ことが確定的だからです。
ポーランドとセルビアに続いてイタリアも EURO 2024 から敗退したため、今後は『それらの代表チームに招集されていた選手との去就に関する交渉』が本格化することでしょう。どのような動きが起きるのかに注目です。