2023/24 セリエA第33節が行われ、アウェイでカリアリと対戦したユベントスは PK で2点のビハインドを背負うも後半に追い付くことに成功し、2-2 で引き分けました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Cagliari Calcio [3-4-2-1] |
Juventus FC [3-5-2] |
|
---|---|---|
GK | 22: スクフェット | 1: シュチェスニー |
DF | 17: ハツィディアコス 26: ミナ 4: ドッセーナ |
4: ガッティ 3: ブレメル 6: ダニーロ (C) |
MF | 8: ナンデス (C) 29: マクンブ 25: スレマナ 27: アウジェッロ |
22: T・ウェア 26: アルカラス 5: ロカテッリ 25: ラビオ 27: カンビアーゾ |
FW | 77: ルヴンボ 61: ショムロドフ |
9: ヴラホヴィッチ 7: キエーザ |
77: ガエターノ |
カリアリのラニエリ監督は 3-4-2-1 を選択。ガエターノ選手を CF に起用し、2列目にルヴンボ選手とショムロドフ選手を配置する攻撃に重点を置いた陣容で試合を迎えます。
対するユベントスのアッレグリ監督も 3-5-2 を選択。こちらはマッケニー選手を温存し、アルカラス選手が先発。右 WB にT・ウェア選手が起用されたため、カンビアーゾ選手は左 WB で先発する布陣で試合に臨みます。
良い入りを見せたのはホームのカリアリ。2分にルヴンボが右サイドから持ち上がって左足シュートを放つも、ボールはクロスバーの上を通過する。
カリアリが押し気味に進める中で試合が動いたのは27分。右 CK にドッセーナがヘディングで合わせたところ、シュートはブレメルの上げた左手に当たって VAR で PK が与えられる。
この PK をガエターノが GK シュチェスニーの飛んだ方向とは逆のゴール左下に流し込み、ホームのカリアリが先制に成功する。
勢いに乗ったカリアリは33分に右サイドを抜け出したショムロドフからのクロスをフリーのルヴンボが左足ジャンピングボレーで合わせるもシュートは枠のわずかに左。ユベントスは肝を冷やす。
だが、36分にスルーパスに反応して抜け出したルヴンボを GK シュチェスニーが倒し、カリアリがまたも PK を獲得する。これをミナがゴール左下に決め切り、カリアリのリードは2点に拡大する。
ユベントスは前半終了間際にキエーザとヴラホヴィッチのコンビでネットを揺らしたものの、オフサイドで得点は認められず。前半は 2-0 とカリアリが2点のリードで折り返す。
後半で先にチャンスを作ったのもホームのカリアリ。51分に右サイドからプラティの巻いたシュートが枠を捉えたが、GK シュチェスニーが横っ飛びセーブで応戦。何とか食い下がる。
するとユベントスは61分にゴール正面左側で得た FK をヴラホヴィッチが GK の裏をかく形でニアサイドに突き刺し、2-1 と1点差に詰め寄ることに成功する。
ここから勝点が必要なユベントスがさらに攻勢を強めるもカリアリ守備陣が応戦。試合は膠着したまま、2-1 での終了が現実味を帯び始める。
しかし、86分に左サイドのユルディズが入れたクロスをファーサイドで合わせようとしたミリクの目前でクリアを試みたドッセーナがオウンゴール。試合終了間際でユベントスが 2-2 の同点に追い付く。
ユベントスは後半アディショナルタイムにマッケニーのロングスローから混戦を作り出したが、劇的逆転弾とはならずに試合終了のホイッスル。試合は 2-2 で終了し、両チームが勝点1を分け合った。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 5.5
2失点はどちらも PK であり、GK の責任ではない。プラティのシュートへの反応は良かったが、ルヴンボを倒した場面で飛び出しの判断と余計なイエローを貰ったことが反省点。
DF: ガッティ 5.0
ルヴンボとのマッチアップではスピードで翻弄される苦しい試合だった。事前に防げたはずのカリアリのチャンスもあっただけに思わしくない評価となるだろう。
DF: ブレメル 5.0
ポストプレー役の選手が頻繁に入れ替わったため、どの選手を潰すかの判断に手間取って後手に回ったことが痛手となった。効果的な戦術を用意したラニエリの手腕を讃えるべきだ。
DF: ダニーロ 6.0
GK や最終ラインのパフォーマンスが芳しくなかったことで相対的に良く見えた。ただ、チームのエンジンを始動させるまでには至らず。
WB: ティモシー・ウェア 5.0
久方ぶりの先発出場だったが、デュエルで競り負け続けるなど存在感を示すことなく試合から消えていた。
MF: アルカラス 4.5
序盤で受けた肘打ちによる脳震盪の影響があったのだろう。そうとしか思えない残念なパフォーマンスだった。
MF: ロカテッリ 5.0
攻守両面での不味い判断でチームに勢いが出ることを阻害。低調なプレーを続けても先発の座は全く揺るがないのだから、移籍市場での補強ポジションとマスコミが報じるのも無理はない。
MF: ラビオ 5.5
個人として最善を尽くしてはいるが、シーズン最終盤になって疲労の蓄積が隠し切れなくなってきた。残り全試合の先発フル出場はかなりリスクを伴うだろう。
WB: カンビアーゾ 6.0
攻撃面での貢献度は誰もが認めている。しかし、攻撃に先走りすぎてビルドアップやポゼッションの手数を減らしてしまうことは改善すべきだ。そうする方が不得意な守備に奔走せずに済む。
FW: ヴラホヴィッチ 6.5
壁に入った選手が身体を折り曲げる幸運に恵まれたとは言え、クオリティーの高い FK だった。フィジカルコンタクトにも冷静さを保っていた点も良かった。次戦からの強敵との3連戦で真価が問われる。
FW: キエーザ 5.5
数回の映えるプレーとの引き換えが守備免除とポゼッション時の軽率なプレーでは割りに合わない。自己評価が高すぎるのだろう。別々の道を選ぶべきだ。
【交代選手など】
FW: ユルディズ 6.5
46分にアルカラスとの交代で出場。キエーザのサポート役を担いつつ、攻撃でチームに活力を与える。オウンゴールを誘発したクロスもミリクが届いていた良質のものだった。最後に逆転弾を決めれていれば完璧な夜だった。
MF: マッケニー 6.0
T・ウェアとの交代で68分から出場する。ロングスローが可能になるまで脱臼した左肩が回復したことが収穫。休養させることができなかった試合展開は悔やまれる。
FW: ミリク 6.0
ロカテッリに代わって74分から出場機会を得る。最前線で奥行きを確保するターゲットマンとして最終ラインとの駆け引きを行う。得点とはならなかったが、ユルディズのクロスを呼び込む動き出しは良かった。
WB: イリング ー
86分にカンビアーゾとの交代で出場。
アッレグリ監督 5.5
選手起用や試合に向けて用意した戦術に疑問はあるが、2点ビハインドから挽回して勝点1を持ち帰った結果は評価されるべきだ。“鼻差” で4位に滑り込んでしまえば良いのだから。
ピッチニーニ主審 6.0
肘打ちなどフィジカルコンタクトとは言い難いプレーに関しては厳しく取り締まるべきだったのではなかろうか。前半終了間際にキエーザのオフサイドを正確に判断できる力量のある審判団だっただけにファールやカードの判定基準に不満が残った。