2023/24 セリエA第12節が行われ、ホームにカリアリを迎えたユベントスはブレメル選手とルガーニ選手のゴールで逃げ切り、2-1 で勝利しました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus FC [3-5-2] |
Cagliari Calcio [4-2-3-1] |
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GK | 1: シュチェスニー | 22: スクフェット |
DF | 4: ガッティ 3: ブレメル 24: ルガーニ |
28: ザッパ 3: ゴルダニガ 4: ドッセーナ 27: アウジェッロ |
MF | 27: カンビアーゾ 16: マッケニー 5: ロカテッリ (C) 20: ミレッティ 11: コスティッチ |
16: プラティ 29: マコンボウ 21: ヤンクト 10: ヴィオラ (C) 77: ルヴンボ |
FW | 18: ケーン 7: キエーザ |
32: ペターニャ |
ユベントスのアッレグリ監督は 3-5-2 を選択。ラビオ選手の不在は「マッケニー選手の MF 起用」と「カンビアーゾ選手の右 WB」で乗り切る決断を下し、GK / DF / FW 陣は前節と同じ顔ぶれで試合に臨みます。
対するカリアリのラニエリ監督は事前の予想に反して 4-2-3-1 を選択。2列目に入るヤンクト、ヴィオラ、ルヴンボの3選手が最前線のペターニャ選手をサポートする布陣で試合を迎えます。
最初に惜しい場面を作ったのはカリアリ。12分にペターニャが利き足とは逆の右足で放ったシュートの跳ね返りを回収したヴィオラが思い切ったミドルシュート。しかし、ボールは枠のわずかに左へと逸れる。
対するユベントスは18分にキエーザが FK を直接狙ったが、これは枠を捉えずノーチャンス。
36分にはケーンが確保した奥行きを活かしてカンビアーゾに決定機が訪れたものの GK スクフェットを打ち破ることはできず。ユベントスは決め手を欠く状況が続く。
それでもユベントスは43分にケーンがフリックしたボールを回収したコスティッチが左サイドから折り返しのクロスを供給。これに合わせてゴール前に侵入したマッケニーが左足ボレーで合わせたが、シュートは枠のわずかに右。
結局、前半は両チームともに均衡を破れず、0-0 で終了する。
後半で先にチャンスを作ったのはユベントス。前線への圧力が強まったことで49分と54分にミレッティが絡む形でキエーザがシュートを放つも、どちらの決定機でも均衡は崩れない。
その中で試合が動いたのは60分。ユベントスは左サイドで得た FK をコスティッチが供給すると、ファーサイドから走り込んだブレメルがヘディングで合わせて先制に成功する。
先手を取ったユベントスは70分にコスティッチの入れた右 CK がゴール前まで抜けて来たところをルガーニが胸で押し込んで2点目を奪取。リードを2点に拡大する。
対するカリアリは75分にヤンクトの入れた高い弾道の左 CK にドッセーナが合わせて1点を返すことに成功。2-1 とカリアリが1点差に詰め寄って試合は終盤を迎える。
ドッセーナの高さ勝負で勝てると踏んだカリアリは82分に右サイドの FK からドッセーナが再びヘディングシュートを放つも、今度は GK シュチェスニーが好守で応戦してゴールを死守して同点弾は許さず。
試合は 2-1 で終了し、1点差で逃げ切ったユベントスが勝点3を獲得した。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
連続無失点記録は止まってしまったが、ドッセーナの2本目のヘディングシュートはストップ。守護神として期待された役割を全うした。
DF: ガッティ 6.0
イエローカードを貰うべきではない試合で辛抱強く耐え切ったことは大きい。インテルとのイタリア・ダービーに思い切って臨めることが何よりだ。
DF: ブレメル 7.0
ペターニャを封じるだけでなく、セットプレーからのヘディングシュートで均衡を破る大仕事も成し遂げる。週1試合のペースでコンディションを維持できていることが明らかにプラスに働いている。
DF: ルガーニ 6.5
得意とは言えない左 CB でも献身性の高いプレーを継続。そのご褒美と言っても良い得点にも恵まれた。円熟のキャリアを過ごせる可能性に現実味を帯びさせている。
WB: カンビアーゾ 5.5
アピールをしたい積極性が前半は良い形で作用していたが、試合を落ち着かせたい終盤戦でも一本調子では困る。局面での最適なプレー判断を最後までし続けることができるかが今後の評価基準だろう。
MF: マッケニー 6.5
ラビオの代役として申し分のない中盤 MF だった。右 WB として得たプレーへの自信が活かされている。43分に手にした決定機がゴールに結び付いていればと悔やんでしまう素晴らしい内容だった。
MF: ロカテッリ 5.5
前半30分すぎに負傷したこともあってか全体的なパフォーマンスは少し低調だった。それでも歯を食いしばってチームが結果を持ち帰ることに主将として貢献したことは大きい。
MF: ミレッティ 6.5
ライン間でボールを引き出しつつ、相手守備網のポケットにボールを供給して味方のチャンスを供給。チームの攻撃を後押しする落ち着きを見せていた。
WB: コスティッチ 7.0
左サイドからの良質なクロス供給だけでなく、セットプレーのキッカーとしてチームの全2得点に関与。ビルドアップ時にはサイドバックのポジションで待ち構える役割も担い出しており、欠かせない戦力になりつつある。
FW: ケーン 5.5
最前線のポストプレーヤーとして汗をかく。ゴール前にしっかりと詰めてはいたが、この試合では自身に決定的な場面が訪れなかったことがマイナスに評価されてしまうだろう。不貞腐れないことが重要だ。
FW: キエーザ 6.0
ケーンの背後に潜むことで良いタイミングで決定機を手にするもシュート精度が甘くてゴールとはならず。スランプ気味なのであれば復調を待つだけの価値はある。負傷への懸念で足の可動域が狭まっている場合は治療も検討すべきだ。
【交代選手など】
FW: ヴラホヴィッチ 6.0
66分にケーンとの交代で出場。試合に落ち着きを与える役割を担う。ポジショニングなど細かい改善点はあるが、成長を志す方向性は良いだけに着実な成長が観れたことが大きい。
WB: イリング 6.5
ミレッティとの交代で66分から出場する。首脳陣が期待したプレーやポジショニングをピッチ上で堅実に遂行。出場機会に関しては現時点で不遇だが、このプレー内容だと年内に序列が変わっても不思議ではない。
FW: ミリク ー
80分にキエーザとの交代で出場する。
MF: ニコルッシ ー
87分にカンビアーゾとの交代で出場機会を得る。
アッレグリ監督 6.5
最後はドッセーナの高さに冷や汗をかかされてしまったが、制約の多い試合で積極的に仕掛けて2点のリードを手にし、最終的に勝点3を持ち帰ったことは何よりも大きい。良い形で国際Aマッチデーによる中断期間を迎えられるだろう。若手選手を多く起用できたこともプラスだ。
ピッチニーニ主審 6.5
カリアリ側からはルガーニの得点シーンでマッケニーのプッシングを取るべきとの不満が出るかもしれない。しかし、判定はフェアだった。カードを出す基準も公平であり、審判団の存在がクローズアップされることはないだろう。