『トゥット・スポルト』によりますと、ヴラホヴィッチ選手の代理人が契約延長交渉を行う目的でトリノを訪問していたとのことです。両者は「契約延長の方向で一致」しているものの「昇給額に隔たり」があるため交渉の進展はない状況です。
ニコロ・スキーラ記者が投稿した記事の概要は以下のとおりです。
- クラブとヴラホヴィッチの代理人は「2028年までの契約延長」で方向性は一致
- クラブは「年俸800万ユーロで2028年夏までの契約」を希望
- 現行契約は『1200万ユーロへの昇給』が時間の問題
- 代理人は「時間が経過すればクラブ側が歩み寄る」と長期戦の構え
- 会談前に 2023/24 セリエA第29節ジェノア戦を視察
- ヴラホヴィッチが退場したこともあり契約延長交渉での進展なし
代理人は「ラウタロに次ぐ得点数のヴラホヴィッチを放出することはない」との前提で強気な姿勢を採っています。
『戦力面』では正しい状況分析ですし、ジュントリ FD は現時点で「ヴラホヴィッチ放出」を微塵も考えていないでしょう。「昇給を伴う契約延長交渉」をしていることが何よりの証拠です。
ただ、『経営面』では状況が異なります。
- 『カルチョ・エ・ファイナンツァ』による 2023/24 シーズンのコスト
- ヴラホヴィッチ: 3180万ユーロ
- キエーザ: 2300万ユーロ
- ブレメル: 1640万ユーロ
- シュチェスニー: 1360万ユーロ
- ラウタロ・マルティネス: 1360万ユーロ
ヴラホヴィッチ選手は「人件費がラウタロ選手の2.4倍」なのですから、『経営面』では「ヴラホヴィッチ選手との昇給を伴う契約延長交渉」は正しいとは言えません。費用対効果が悪すぎるからです。
また、『ヴラホヴィッチ選手との昇給を伴う契約延長交渉』に熱を入れるほど『ユルディズ選手やスーレ選手との契約延長交渉』や『2025年夏に現行契約が満了する選手との契約延長交渉』に影響が及ぶことになります。
クラブ内の待遇格差を是正するどころか拡大させた編成責任者との契約延長交渉の場で『クラブからの提示条件』を素直に受け入れる “物分かりの良い代理人” がいるとは思えないからです。
「ヴラホヴィッチが現行契約満了で2026年夏に退団となっても止むなし」との姿勢を全く見せていない現状では代理人に足元を見られるだけです。両者の交渉がどのような結末となるのかに注目です。