レガ・セリエAは公式サイト上で現地2月5日に行われた会合で「プレミアリーグ型の組織および運営形態を目指して改革することを確認した」などと発表いたしました。
この方針に対し、FIGC のグラヴィーナ会長は「大衆騙し」と批判しています。サッカー連盟の影響力が減少する改革案であるため、反対の意向を示すのは想定内と言えるでしょう。
レガ・セリエAと FIGC の歩調が合わない理由は「イタリア・サッカー連盟(FIGC)の評議会での議決権」にあります。
- FIGC (イタリアサッカー連盟)の評議会での議決権
- プロ: 34%
- セリエA: 12%
- セリエB: 5%
- レガ・プロ(≒ セリエC): 17%
- アマチュア(≒ セリエDなど): 34%
- アスリート(≒ 選手): 20%
- 技術員: 10%
- 審判員: 2%
- プロ: 34%
レガ・セリエAが有する議決権は全体の 12%。問題なのは「 “FIGC の評議会で議決権を持つ組織” の中で最も稼いでいるセリエAの意向が反映されにくいこと」でしょう。
放映権という形で最も大きな稼ぎを生み出すセリエAは議決権の割合で4位。アマチュアリーグ、選手会、レガ・プロ(≒ セリエC)の方が「声が大きい」のです。
イタリア国内で起きているのは「ビッグクラブによる大会主催団体の運営方針への不満」が発端となった『スーパーリーグ構想』と構図は同じです。似たような展開が起きることになるでしょう。
レガ・セリエAは会合で『プレミアリーグ型の運営形態への改革』を宣言。改革案を取りまとめて発表する方針を示しています。これに対し、イタリア・サッカー連盟(FIGC)のグラヴィーナ会長は「大衆騙し」と取り合わない姿勢です。
- プレミアリーグでの議決権
- サッカー協会: 21票
- プレミアリーグ参加クラブ: 20票(※ 各クラブ1票)
グラヴィーナ会長は「プレミアリーグ型の運営形態に変更しても FIGC が拒否権を持つことになる」と言いたいのだと思われます。
ただ、『参加クラブが全20票を賛成に投じた議案』を『連盟側の反対21票』で潰すには “相当の覚悟” が必要です。そもそも、重要議案の議決は「過半数」では成立しないでしょう。
現実的には「グラヴィーナ会長の方が希望的観測による主張」になっています。
ユベントスからレガ・セリエAの会合に出席しているのはフランチェスコ・カルヴォ前 CFO の役割です。スカナヴィーノ CEO は出席していないため、「レガ・セリエAとも FIGC とも距離を取るスタンス」と言えるでしょう。
名物会長を中心としたレガ・セリエAの改革が実現されることになるのかに注目です。