『トゥット・スポルト』が「2024年のユベントスのキーポイント」と題した記事を掲載しています。1つ目の項目として「胸スポンサー契約の満了」が取り上げられており、後任スポンサーを獲得できるかで来季以降の予算規模が変わってくることになるでしょう。
ユベントスの胸スポンサーは親会社 Exor が経営権を持つステランティス傘下の自動車ブランド Jeep。ユベントスは年間で約5000万ユーロほどのスポンサー料を得ていると見られています。
そのジープ社とのスポンサー契約が「2024年夏で終了する」との報道は今回が初めてではありません。過去記事で取り上げたように2023年7月中旬の時点で報じられていました。
したがって、「Jeep 社との胸スポンサー契約が終了することは既定路線」との認識で経営プランを立案する必要があります。
Jeep との胸スポンサー契約が終了することで問題となるのは「後任スポンサーの業種が限定されていること」と「スポンサー料」です。
- 問題点1: 後任の胸スポンサーの業種が限定される
- 自動車製造業: 親会社(≒ステランティス)と競合
- 保険業: スタジアム命名権をアリアンツ社が保有
- 金融: クラブが不正会計問題を抱える
- 移動通信: TIM (Telecom Italia Mobile) がリーグスポンサー
- 問題点2: 胸スポンサー料の金額
ユベントス側がクラブとして希望する胸スポンサー料を提示する可能性が現実的にあるのは「アメリカのテック系企業」や「中東の政府系企業」などでしょう。それ以外だと減収は避けられないと思われます。
ただ、2023/24 シーズンのユベントスは UEFA チャンピオンズリーグに不参加(=5000万ユーロ超の大会参加報酬を逃している状態)です。
来季のチャンピンズリーグ出場権を獲得できれば、Jeep 社との胸スポンサー契約が終了しても “今季(2023/24 シーズン)と同程度の予算規模” は維持できます。この現実が多少の安心感をもたらすはずです。
親会社 Exor からは『持続可能な経営』を注文されているため、「親会社(が傘下に収める企業)からの約5000万ユーロのスポンサー料を前提とした経営戦略」は方針転換を求められる定めにありました。
Jeep 社の『胸スポンサー』が終わったとしても『左袖のスリーブスポンサー』や『背中のスポンサー』として関係が存続する可能性はゼロではありません。現・経営陣がどのようにクラブの舵取りをしていくのかに注目です。