ジュントリ FD の下で再建に取り組むユベントスですが、「スポンサー収入の減少」がチーム編成に影を落としかねない状況となっています。逆風が想定される状況でどう振る舞うかが鍵と言えるでしょう。
マロッタ GM 時代のユベントスは『入場料収入』と『スポンサー収入』が「年間7000万ユーロ弱でほぼ同額」でした。
その後、アニェッリ前会長時代にクラブは拡大戦略を採用。『スポンサー収入』は「倍増」したものの、『(選手に支払う)人件費』がそれ以上で拡大してしまい、巨額赤字を計上する結果となりました。
現状では年間7000万ユーロの『入場料収入』に対し、『スポンサー収入』は2倍超の1億5000万ユーロ。
ただ、「(年間で約5000万ユーロを拠出する)Jeep 社との契約が2024年6月30日で満了」するため、後任スポンサーが確保できるか次第で年間予算が変動することは避けられない状況となっています。
ユベントスにとって(経営的に)苦しいのは「優良な大口スポンサーを確保できる見込みがほとんどない」ことでしょう。
- 親会社が Exor
- スクーデリア・フェラーリやステランティスの筆頭株主
- 『高級自動車ブランド』が候補から外れる
- イタリア代表から「FIAT」が撤退し、ユベントスから「Jeep」が撤退
→ 親会社に泣き付くのは難しい
- 天然資源を持つ中東系も乗り気ではない
- 国家ファンドを経由すれば「クラブ経営」が可能
- “賭博問題や飲酒運転をした選手が所属するクラブ” への投資するメリットは少ない
- アメリカ企業が敬遠する動機もある
- 『イタリア市場』より『(歴史的にアジア圏へもリーチできる)プレミアリーグ』の方が費用対効果は大きい
- 「ルカクへの人種差別チャント」と「マッケニーの扱い」もネガティブな印象を残す
大口スポンサーになり得る企業は存在しますが、“現在のユベントス” は「大型投資をしても得られる費用対効果が低すぎる」との結論にならざるを得ません。
現実的には「ミランの胸スポンサーを務めるエミレーツ航空を少し下回る水準」が目標になるでしょう。トリノという都市の知名度(と人口)も加味されてしまうからです。
ピッチ上の結果で得られる収入はライバル勢とは差が付きにくく、ビッグクラブの資金力は「スポンサー収入」で差が付くことはデロイト社の『フットボール・マネーリーグ』からも一目瞭然です。
クラブの収入が確保できていなければ、移籍市場での選手補強もままならなくなります。ユベントスがクラブとしてどう立ち回るのかに注目です。