「ヴラホヴィッチ選手の不振でチームが親アッレグリと反アッレグリに分断しつつある」と『トゥット・スポルト』が報じています。分裂状態にある場合は「選手起用の是非が原因」ですが、経営陣の思惑も影響していると言えるでしょう。
まず、『良い監督』や『最高の監督』の定義は「評価者によって異なる」という現実があります。
選手目線 | 経営陣目線 | |
---|---|---|
最高 | 自分が希望するポジションで使ってくれる上でチームを勝たせてくれる監督 | 『現所属選手の評価総額』を高める起用方法をした上でチームを勝たせてくれる監督 |
良い | 自分を起用してくれる監督 | “自分たちがチームに加入させた選手” を起用してくれる監督 |
『ヴラホヴィッチ選手とキエーザ選手の2トップ起用』を最も支持しているのは現経営陣。『両選手の評価額が下がる起用方法』をされてしまうと、経営面でのマイナスが生じてしまう問題を抱えているからです。
彼らが『アッレグリ監督の現起用方法を支持する勢力(=親アッレグリ派)』の本丸です。
一方でトゥット紙に『反アッレグリ』のレッテルを貼られたのは「ヴラホヴィッチとキエーザの2トップに起用に不満を覚える選手(やその代理人など)」です。
彼らは「 “不振の” ヴラホヴィッチ選手とキエーザ選手に出場機会を阻まれている」のですから、アッレグリ監督は『良い監督』とはなりません。だから、現在の起用方法は不支持(=反アッレグリ)となるのです。
ちなみに、ユベントスの攻撃のクオリティーが上がらないのは「ヴラホヴィッチ選手とキエーザ選手がチーム内でもポストプレーの精度が低い2選手だから」です。
ポストプレー | 俊敏 | 高さ | 守備力 | ||
---|---|---|---|---|---|
強靭 | 技術 | ||||
キエーザ | ◎ | ||||
ヴラホヴィッチ | △ | △ | |||
ミリク | △ | 〇 | 〇 | 〇 | |
ケーン | 〇 | 〇 | △ | 〇 | |
ユルディズ | △ | △ | ? |
チームに「縦パスを収めて容易に前を向くことができる屈強な体躯を持つ FW」は在籍していませんが、「縦パスを当てる対象になれる FW や攻撃的 MF」は複数在籍しています。
現在のユベントスは「縦パスのコースが最初から2つ消えている」という『縛りプレイ』をしているため、攻撃のクオリティーが芳しくない(=カウンターやセットプレーでしか点が取れない)のは想定内でしょう。
結局のところは「フロント陣が選手をどう評価しているのか」なのです。
“飛躍するための課題を持った若手選手” に『(ユベントスでの実績を有する選手の待遇を軽く上回る)ポジション最高給』を提示して獲得した前フロント陣の行為がそもそもの原因です。
損切りを視野に入れた『シビアで公平な査定』ができなければ、チーム再建の足をフロント陣が引っ張ることになるでしょう。