2023/24 セリエA第16節が行われ、アウェイでジェノアと対戦したユベントスはキエーザ選手の PK で先制するもグドムンドソン選手のゴールで追い付かれ、1-1 の引き分けで終わりました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Genoa CFC [3-5-2] |
Juventus FC [3-5-2] |
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GK | 1: マルティネス | 1: シュチェスニー |
DF | 5: ドラグシン 13: バーニ (C) 4: デ・ヴィンテル |
4: ガッティ 3: ブレメル 6: ダニーロ (C) |
MF | 20: サベリ 17: マリノフスキ 47: バデリ 32: フレンドルップ 22: バスケス |
27: カンビアーゾ 16: マッケニー 5: ロカテッリ 20: ミレッティ 11: コスティッチ |
FW | 10: メシアス 11: グドムンドソン |
9: ヴラホヴィッチ 7: キエーザ |
ジェノアのジラルディーノ監督は 3-5-2 を選択。レテギ選手が不在の2トップは予想どおりメシアス選手とグドムンドソン選手が担当。マリノフスキ選手を中盤の一角に起用して試合を迎えます。
対するユベントスのアッレグリ監督は 3-5-2 を選択。先発予定だったラビオ選手が新たなフィジカル問題を抱えてしまったためベンチ外。代役をミレッティ選手に託した他は前節と同じ10選手で試合に臨みます。
追記:ジェノアの先発選手およびフォーメーション図の誤りを修正しました
最初に惜しい場面を作ったのはユベントス。14分に抜け出したカンビアーゾとペナルティエリア内でスイッチしたキエーザが角度のない場所から右足を振り抜くも、シュートはサイドネットに突き刺さる。
積極的なプレーを続けるユベントスは27分にビルドアップを試みるバデリのトラップが大きくなったところを突いたヴラホヴィッチがボール奪取に成功。ラストパスを受けたキエーザが GK マルティネスに倒されて PK を獲得する。
この PK は獲得したキエーザが自らゴール左下に蹴り込んでユベントスが先制する。
対するジェノアは35分に右 CK が流れたものの、ボールを回収したバスケスが左足でシュート。しかし、ボールはゴール左上をかすめて枠外に逸れてしまう。
同点に追い付きたいジェノアは43分に右サイドからのクロスをバスケスがファーサイドで折り返すと走り込んだグドムンドソンが右足で狙うもシュートは空振り。ユベントスは肝を冷やしたが、0-1 と1点のリードを持って前半を折り返す。
ハーフタイムでの修正が機能したのはジェノア。後半開始直後の48分にフレンドルップの浮き球パスをエクバンが右肩で巧みに処理をしてボレーでラストパス。これにグドムンドソンが左足ボレーで応えてスコアを 1-1 の振り出しに戻す。
ユベントスは51分にキエーザが GK マルティネスのフィードを引っ掛けてボールを得たが、キエーザのシュートはそのまま飛び出して来た GK マルティネスに阻まれて勝ち越しとはならず。
勝利には1点が必要となったユベントスは選手交代による局面の打開を図るも、5-3-2 の守備ブロックで応戦するジェノアを脅かせず。88分のキエーザの左 CK に合わせたブレメルのシュートも GK マルティネスの好セーブに阻まれてしまう。
結局、試合は 1-1 のままで終了。ユベントスは勝点2を取りこぼす形となった。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
決定機なパスからラストパスを経由してのフィニッシュが全て浮き球だったのだから同点ゴールを許してしまったのは止むを得ない。それ以外の場面ではゴールをほとんど脅かされなかった。
DF: ガッティ 6.0
直近2戦で印象的なパフォーマンスだったことで期待値が上がっているのは喜ばしいことだが、今節ではその期待に応えるまでには至らなかった。
DF: ブレメル 6.0
キエーザの左 CK を執念で押し込めていればヒーローになっていただろう。抜けて来たボールが太ももに当たる形になるなど今夜の苦戦ぶりが濃縮されたような場面だった。
DF: ダニーロ 5.5
状態がまだ上がり切っていないことは否定できない。後半開始直後の混乱期に自らが担当するエリアから同点ゴールを許してしまった結果は重い。
WB: カンビアーゾ 6.5
古巣との対戦で持ち味を存分に発揮。抜け出しや精度の高いクロスなど得意の攻撃面で眩い輝きを放っていた。
MF: マッケニー 6.0
カンビアーゾとの良好な連携で右サイドに安定感をもたらす。補完関係にあるカンビアーゾとのコンビは機能しているだけに同胞であるT・ウェアとのコンビの成熟が待たれるところだ。
MF: ロカテッリ 5.5
ラビオ不在による影響なのか消極的なプレー判断が散見された。パスコースが見当たらなかったのであれば、受け手にポジショニングの要求をすべきだろう。そうしなければならない立場と役割を背負っているからだ。
MF: ミレッティ 5.0
久方ぶりの出場だったが、試合勘と体力の欠如が明確に示されていた。周囲の味方と連動するリンクマンとしての持ち味が消えている現状は厳しいものがある。
WB: コスティッチ 5.5
カンビアーゾが担当していた右サイドを比較すると時間の経過とともに存在感が希薄していた。
FW: ヴラホヴィッチ 5.5
先制点の起点となるボール奪取を決めたが、それだけでは貢献度は不十分だ。キエーザからのクロスを枠外に飛ばしてしまうなどシュート精度の悪さに目を瞑り続けるのは限界に達しつつある。
FW: キエーザ 6.5
PK をきっちり決めるなど DF ライン裏への動き出しを中心に持ち味である攻撃的センスでチームに貢献。相手 GK の動きを冷静に見ることができる視野の広さが備われば、さらに得点を量産できるだろう。
【交代選手など】
WB: ティモシー・ウェア 6.0
68分にコスティッチとの交代で出場。チームに勝ち越しゴールをプレゼントできなかったが、選手層に厚みをもたらせることのアピールはできていた。
FW: ミリク 5.5
ヴラホヴィッチに代わって68分から出場する。出場直後にイエローカードを受けてしまい、攻撃面での変化をもたらす任務を遂行することはできなかった。
MF: イリング 6.0
73分にミレッティとの交代で出場機会を得る。限られた時間とチーム事情によって与えられた本職とは言えないポジションで最善を尽くしていた。この苦労が報われて欲しいものだ。
FW: ユルディズ ー
88分にカンビアーゾとの交代で出場する。
アッレグリ監督 5.5
ラビオ不在の中で上手く先手を取ったが、ラビオ不在を痛感させられる形での失点を許して勝点を取りこぼす結果になってしまった。フィオレンティーナから引き抜いた2トップを FW 陣の序列最上位にまだ留め続けるのかと問われるのは時間の問題だろう。
マッサ主審 5.0
“リグーリア州出身のインテリスタ” として最高のレフリングだった。「カンビアーゾのクロスが手に触れるも PK にならなかったバーニ」と「ユルディズに足裏タックルを敢行するもイエローで済んだマリノフスキ」の2つの誤審は驚きを禁じ得ない。