ヴラホヴィッチ選手のパフォーマンスが所属クラブと代表チームで違いすぎることを『ガゼッタ・デッロ・スポルト』などイタリアメディアが報じています。ユベントスでは即効性のある対処策を講じることが困難なのが問題と言えるでしょう。
セルビア代表では「70分に1点」のペースだが、ユベントスでは「215分に1点」
ヴラホヴィッチ選手が 2022/23 シーズンに出場したユベントスとセルビア代表での試合で記録したゴール数は以下のとおりです。(2023年4月10日現在)
- 2022/23 シーズンの成績
- ユベントス:31試合2361分・11得点
- 215分に1点のペース
- セルビア代表:7試合412分・6得点
- 69分に1点のペース
- ユベントス:31試合2361分・11得点
ユベントスは「2.5試合に1得点」のペースですが、セルビア代表では「1試合に1得点強」のハイペースを刻んでいます。対戦相手の強さが違うとは言え、これだけの差はメディアが問題視することは避けられません。
セルビア代表では『9番』のポジションを与えられていないヴラホヴィッチ
ユベントスとセルビア代表でのヴラホヴィッチ選手の起用方法に対する最大の違いは「ヴラホヴィッチ選手のポジション」です。
セルビア代表のストイコヴィッチ監督はヴラホヴィッチ選手を『9番』では起用していません。『9番』はフラムに所属するミトロヴィッチ選手が担当し、ヴラホヴィッチ選手は 3-4-2-1 の左シャドーです。
理由は「ヴラホヴィッチ選手が相手 CB にマークされた中でのプレーを苦手とするタイプ」だからでしょう。
2021/22 シーズン第12節ではマークに付いたルガーニ選手に封じられるなど「CB の監視を外すこと」は得意ではありません。この改善点がマイナスとして作用してしまっているのです。
ユベントスでは悪材料が多いことは否定できない
「スペースを使った駆け引きで相手 CB のマークを外して決定機の創出」を持ち味にするヴラホヴィッチ選手ですが、ユベントスではセルビア代表よりも相手 CB のマークを外すことは簡単ではありません。
- ミトロヴィッチのようなフィジカル自慢の CF は不在
- 選手自身が『9番』でのプレーを希望
- ビッグクラブとの対戦時に相手 CF のマークを緩める DF はいない
- 「ゴール前でスペースを消す」か「対人守備力で勝てる DF でのハイライン」のどちらか
『9番』としてプレーを希望するのであれば、相手 CB からマークされた状態で「チームの攻撃にどう貢献するか」がポイントになります。
【相手 CB を背負った状態でのポストプレー】や【ビルドアップへの参加】が代表例ですが、これらはヴラホヴィッチ選手はあまり得意としていません。
また、ユベントスは『CF 抜きでも問題のならないほどのビルドアップ能力』を有していないことが現状です。したがって、ヴラホヴィッチ選手を取り巻く状況が今季の残りシーズンで “劇的に” 好転する可能性はあまり期待できないでしょう。
獲得に多額の移籍金を費やしているため、“現状では真価を発揮することが難しいと言わざるを得ないヴラホヴィッチ選手” の処遇をクラブとしてどうするのかが注目点になると思われます。