2020/21 セリエA第31節アタランタ戦はマリノフスキー選手の決勝弾でアタランタが勝利を手にしました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Atlanta BC [3-4-1-2] |
Juventus [4-4-2] |
|
---|---|---|
GK | 95: ゴッリーニ | 1: シュチェスニー |
DF | 2: トロイ 6: パロミーノ 19: ジムシティ |
16: クアドラード 4: デ・リフト 3: キエッリーニ 12: A・サンドロ |
MF | 3: メーレ 11: フロイラー 15: デ・ローン 8: ゴセンス 32: ペッシーナ |
14: マッケニー 30: ベンタンクール 25: ラビオ 22: キエーザ |
FW | 91: サパタ 9: ムリエル |
10: ディバラ 9: モラタ |
アタランタのガスペリーニ監督は 3-4-1-2 を選択。パロミーノ選手が CB の中央に入り、前線はムリエル選手とサパタ選手の2トップで試合を迎えます。
対するユベントスのピルロ監督は 4-4-2 を選択。A・サンドロ選手が左 SB で先発し、ディバラ選手とモラタ選手が2トップを組む布陣で試合に臨みます。
両チームが積極的な姿勢を見せる立ち上がりで先に得点を感じさせたのはアタランタ。4分に抜け出したムリエルがクアドラードに上にのしかかられる形で倒されるも PK の笛は鳴らず。
インテンシティーが高い状態から両チームが互いにシュートを狙う展開で先に決定機を得たのもアタランタ。24分にペッシーナがムリエルとのワンツーでフリーとなってシュートも放つが、力み過ぎたことで枠を捕らえない。
両翼が機能していたユベントスは34分にキエーザがメーレからボール奪取すると GK ゴッリーニを引き付けてモラタがシュート。だが、ボールはゴールラインを越えるまでにジムシティがクリアして得点とはならず。
ユベントスは38分にディバラのスルーパスに反応したマッケニーが、45分にはクアドラードのクロスに合わせたキエーザが枠内シュートを放つが、いずれもアタランタ守備陣のブロックでゴールは生まれず。前半は 0-0 で折り返すこととなる。
ハーフタイムでの修正が機能したアタランタがディバラへのプレッシングからのボール奪取でカウンターを発動させる中、ユベントスは57分にキエーザが左太もも裏を痛めて負傷交代を余儀なくされて縦への推進力を削がれる形となっていまう。
アタランタは70分に途中出場のイリチッチが右足で入れたクロスにサパタが飛び込むが、ヘディングシュートは枠のわずかに左。
対するユベントスは76分にこちらも途中出場のクルゼフスキが入れたクロスをモラタが右足ボレーで合わせたが、こちらは GK ゴッリーニが好セーブ。均衡が崩れないまま試合は最終盤を迎える。
引き分けが濃厚となった86分にアタランタはマリノフスキーが少し距離のある位置からの FK をゴール右上に放つも、これは GK シュチェスニーが横っ飛びセーブで CK に逃れる。
しかし、この右 CK をショートコーナーで再開し、マリノフスキーがミドルで狙うとA・サンドロに当たって軌道が変わったボールはシュチェスニーの逆を突いてゴールイン。アタランタが土壇場で先制に成功する。
ユベントスは同点を狙って攻勢を強めるもゴールを奪うことができずに試合終了のホイッスル。チャンピオンズリーグ出場権を争う直接対決はホームのアタランタに軍配が上がった。
試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
マリノフスキーの強烈な FK を好セーブで防ぐなど奮闘。失点は跳ね返りによるもので防ぎようがなかった。
DF: クアドラード 6.5
ボールを持った際の仕掛けで相手を手玉に取り、決定機を演出するチャンスメイクを繰り返し行う。守備面でもゴセンスを上手く監視して脅威を減らせていた。
DF: デ・リフト 6.0
ムリエルに対して堅実な守備で対応。安定した内容だった。
DF: キエッリーニ 5.5
守備の強さは見せていたが、不味いプレーが発端となって作られた危ない場面は散見された。24分にペッシーナが得た決定機が代表例だろう。A・サンドロとの連携も微妙だった。
DF: アレックス・サンドロ 5.5
メーレに釣り出されて生じたスペースを利用されてクロスを供給されるなど守備時の穴となっていた。マリノフスキーのシュートが身体に当たってコースが変わる原因にもなってしまった。
MF: マッケニー 5.5
持ち前の走力で攻守において献身的な働きをしたが、相手を悩ませるほどの存在ではなかった。決定機に顔を出したり、ボール奪取で存在感を発揮していれば違ったかもしれない。
MF: ベンタンクール 6.0
スペースを縦に突進するサパタを止めるなどピンチの芽を摘み取り続けたことは高く評価されるべきだろう。ダブルボランチの一角として申し分のない仕事ぶりだった。
MF: ラビオ 5.5
前半は最終ラインにまで下がってボールを散らし、中盤ではボールを持ち上がるなど素晴らしいパフォーマンス。だが、後半はチームと同様にガス欠気味で試合から消えてしまっていた。
MF: キエーザ 6.0
縦への推進力やペナルティーエリアのボール奪取など決定的な場面に関与。攻撃で存在感を発揮していたが、負傷で途中交代を強いられる形となってしまった。
FW: ディバラ 5.5
前半は持ち味や特長を存分に発揮するパフォーマンスを見せたが、ハーフタイムでアタランタがボール奪取の対象として厳しいプレッシングを浴びせるとボールロストを連発。以後は消えてしまった。
FW: モラタ 6.0
前後半にそれぞれ1回ずつの決定機があったが GK ゴッリーニの好守に阻まれてゴールとはならず。チームに勝点をもたらすまでには至らなかった。
【交代選手など】
DF: ダニーロ 5.5
58分にキエーザとの交代で出場。右 SB 兼 CB としてプレー。ただ、アタランタの攻撃陣の前に存在感を発揮できず低調なパフォーマンスに終始した。
MF: クルゼフスキ 6.0
ディバラとの交代で68分から出場する。前節ジェノア戦と同様に右サイドでフィジカルを活かした存在感を発揮。モラタへのクロスの質も良かった。
MF: アルトゥール 5.0
77分にマッケニーとの交代で出場機会を得るが、短い出場時間の中でアタランタに2度もボール奪取を許すなど試合に入ることができていなかった。最後に失点を許す遠因を作った1人と言わざるを得ないだろう。
ピルロ監督 5.5
前日会見で匂わせた自信を体現した素晴らしいパフォーマンスの前半だった。ただ、ハーフタイムで修正を施したアタランタに対して後手に回り、60分過ぎからはガス欠に見舞われ、最後に決勝弾を許して敗戦。力負けと言わざるを得ないだろう。“王者” としては失態である。
オルサート主審 6.5
バトルを容認する基準を採用したものの試合からは消えていて存在感が皆無だった。審判団として良い仕事をしていた。