2020/21 コッパ・イタリア決勝はクルゼフスキ選手とキエーザ選手のゴールでアタランタを振り切ったユベントスが 1-2 で勝利し、14度目のタイトルを手にしました。

先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。

Atalanta BC [3-4-1-2] |
Juventus [4-4-2] |
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GK | 95: ゴッリーニ | 77: ブッフォン |
DF | 2: トロイ ![]() 17: ロメロ 6: パロミーノ |
16: クアドラード 4: デ・リフト 3: キエッリーニ ![]() 13: ダニーロ |
MF | 33: ハテブール 11: フロイラー 15: デ・ローン 8: ゴセンス 32: ペッシーナ |
14: マッケニー 30: ベンタンクール 25: ラビオ 22: キエーザ |
FW | 18: マリノフスキー 91: サパタ |
44: クルゼフスキ 7: ロナウド |
アタランタのガスペリーニ監督は 3-4-1-2 を選択。2トップにはサパタ選手とマリノフスキー選手が入り、予想された選手がスタメンに名を連ねる陣容で試合を迎えます。
対するユベントスのピルロ監督は 4-4-2 を選択。こちらはロナウド選手とクルゼフスキ選手がインテル戦に引き続き先発。GK にはブッフォン選手が入る布陣で試合に臨みます。
立ち上がりにペースを握ったのはアタランタ。3分にサパタが左サイドを突破してクロスを入れるとパロミーノが合わせるが、シュートはブッフォンがストップ。サパタは5分にゴセンスのクロスを素早く処理して反転シュートを放つも枠の左。
対するユベントスは16分にファールで獲得した FK を自ら狙うが、こちらは壁を直撃してしまう。
試合が動いたのは31分。持ち上がったクルゼフスキからのパスを受けたロナウドが狙うも、これはアタランタ DF 陣がブロック。しかし、こぼれ球をマッケニーが回収して展開するとクルゼフスキが右サイドから巻いたシュートを突き刺し、ユベントスが先制する。
ビハインドを背負ったアタランタは41分にダニーロからの縦パスを奪ったフロイラーがハテブールに展開。折り返しを受けたマリノフスキーが強烈なミドルシュートを決め、1-1 の同点に戻して前半を折り返す。
逆転を狙うアタランタは52分にサパタが倒されて得た FK をマリノフスキーが入れ、サパタとロメロが飛び込むも押し込むことはできず。
勝ち越したいユベントスは60分にロナウドのヒールパスに反応してフリーの状態になったキエーザが巻いたシュートを放つがボールは右ポストを直撃。こちらもリードを奪うことができない。
それでも73分に左サイドでクロスを回収したキエーザが仕掛けてクルゼフスキとのワンツーで抜け出しに成功すると今度は左足でシュートを流し込み、ユベントスが勝ち越しに成功する。
再び1点が必要になったアタランタはイリチッチを投入して攻撃の圧力を高めるが、ユベントスは出場が危ぶまれたボヌッチを投入して実質的な5バックによる籠城戦を敢行。
リーグ屈指の攻撃力を持つアタランタもなりふり構わず自陣で籠城するユベントス守備陣の前に沈黙。試合はこのまま 1-2 で終了し、ユベントスが14度目の栄冠を手にすることとなった。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: ブッフォン 6.5
パロミーノのシュートなど立ち上がりはセーブに忙しかった。結果的にタイトルを獲得できたし、有終の美を飾ることができたことだろう。
DF: クアドラード 6.5
攻撃参加で厚みを出し最後まで走り続ける。背後のスペースを突かれ続けたが、これはチーム戦術の弊害であるため選手の責任とは言えないだろう。
DF: デ・リフト 6.0
左サイドに流れるサパタとのマッチアップではほとんどの局面で劣勢を強いられる。失点に結びつかなかったことで命拾いをした。
DF: キエッリーニ 6.5
マリノフスキーやムリエルの脅威を上手く排除。アタランタの右サイドからのカットインはリスクにはなっておらず、強固な守備を大事な決勝戦で披露した。
DF: ダニーロ 6.0
偽 SB としてボランチの位置からボールを配球。ピルロが志向するポゼッションに欠かせない能力を示したが、失点の起点となる縦パスを出したことは反省すべきだろう。
MF: マッケニー 6.0
右サイドをカバーし、攻撃時にはクアドラードやクルゼフスキと重複しないコースをフリーランニングするなど周囲に気を配る潤滑油として機能していた。
MF: ベンタンクール 6.5
レジスタとして周囲の味方に素早くパスを展開する仕事には改善すべき点があることは事実。だが、アンカーとしてバランスを維持し、守備能力で貢献した内容は評価される必要がある。
MF: ラビオ 6.0
ダブルボランチとしても計算ができる存在となっており成長の跡が見て取れる。一方でダニーロからの縦パスをファールにならない形でフロイラーに奪われて失点を招いたことは改善すべき点でもある。
MF: キエーザ 7.0
サイドライン際をスタートポジションにし、そこから仕掛けて相手 DF を振り切ることで決定的な仕事をした。良い状態を維持しており、力強くシーズンを締めくくりそうだ。
FW: クルゼフスキ 7.5
ピルロが志向するスタイルでの適性ポジションが見つかったようだ。運動量とフィジカル、周囲との連携に冷静なシュート力。直近のパフォーマンスで何選手かの序列が大きく下がったことは否定できない。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 6.0
囮としてチームに貢献。シュート機会もあるにはあったが、キエーザの決定機をお膳立てするなど水を運ぶ仕事に尽力。コッパ・イタリアのトロフィーを自らのコレクションに加えることに成功した。
【交代選手など】
FW: ディバラ ー
74分にキエーザとの交代で出場。2トップの1角に入り、時計の針を上手く進める役割を遂行した。
DF: ボヌッチ ー
クルゼフスキに代わり、82分から出場する。ゴール前を5バックの状態で固める仕事を担った。
ピルロ監督 6.5
立ち上がりはアタランタに主導権を奪われたもののカウンターなど相手のマーカーを振り切った状態でフィニッシュまで持ち込む狙いが機能した。準備をしていたであろう戦術が機能しており、監督としての評価を高める要因になったはずだ。今週末のセリエA最終節での采配が注目される。
マッサ主審 6.0
上手く試合を進めていたと言えるだろう。1点ビハインドとなったアタランタのラフプレーが目立ち始めた終盤も試合を壊さずに冷静さを保っていたことへの評価は高い。