2020/21 コッパ・イタリア準々決勝 SPAL 戦はモラタ選手のゴールを皮切りに4得点をあげたユベントスが 4-0 で勝利し、インテルの待つ準決勝に駒を進めました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
| Juventus [4-4-2] |
SPAL [3-4-2-1] |
|
|---|---|---|
| GK | 77: ブッフォン  |
1: ベリシャ |
| DF | 37: ドラグシン 28: デミラル 4: デ・リフト 38: フラボッタ |
20: オコリ 23: ビカーリ 3: ラニエリ |
| MF | 33: ベルナルデスキ 41: ファジョーリ 25: ラビオ 8: ラムジー |
41: ディックマン 7: ミッシローリ 6: エスポージト 17: セル二コラ 99: ブリニョーラ 10: フロッカリ |
| FW | 44: クルゼフスキ 9: モラタ |
80: セック |
ユベントスのピルロ監督は 4-4-2 を選択。クルゼフスキ選手とモラタ選手が2トップを組み、Ｂチームに本籍を置くドラグシンとファジョーリの2選手を抜擢する布陣で試合の臨みます。
対する SPAL のマリーノ監督は 3-4-2-1 を選択。フロッカリ、ブリニョーラ、セックの3選手が前線で流動的に入れ替わる陣容で試合を迎えます。
最初にチャンスを作り出したのはユベントス。8分にモラタのロングシュートが枠を捕らえるもベリシャが CK に逃れる。対する SPAL はこぼれ球を回収したフロッカリがフィニッシュまで持ち込むが、これは枠の上。
試合が動いたのは14分。ロングドリブルでペナルティーエリア内に侵入したラビオがビカーリに倒されるも主審はシミュレーションの判定。しかし、VAR で明らかな接触が確認されて判定が PK に覆る。これをモラタがゴール右下に決めてユベントスが先手を取る。
ユベントスは33分にクルゼフスキのキープから中央に折り返すと、走り込んだフラボッタが強烈なミドルシュートを突き刺し、リードを2点に広げる。
SPAL は37分にデミラルのスリップを突いてボール奪取に成功したフロッカリがシュートまで持ち込むも枠のわずかに左。ユベントスは前半終了間際にベルナルデスキが負傷するアクシデントに見舞われたが、前半を2点のリードで折り返す。
後半も主導権を握ったユベントスが左サイドからの崩しを起点にシュートを浴びせ続けるが、SPAL の GK ベリシャが枠内シュートを阻み続ける。
SPAL の攻撃陣は70分にディックマンのクロスをブリニョーラがフリックし、そのボールをセックが狙うも上手くミートせず。ユベントス守備陣にフィジカルの差を見せ付けられる形で攻撃陣が守護神の奮闘に応えることができない。
すると74分にユベントスはキエーザがトモビッチのトラップミスを見逃さずにボール奪取。キエーザからのラストパスを受けたクルゼフスキがベリシャの牙城を崩し、ユベントスのリードは3点に拡大する。
キエーザは94分にダ・グラサに縦パスを付け、ダ・グラサの反転シュートのこぼれ球を自ら回収してシュートを押し込みチーム4点目を決める。結局、試合はここで終了。ユベントスが 4-0 で SPAL を下し、準決勝に進出した。
なお、試合に出場したユベントスの選手は次のとおりです。
GK: ブッフォン 6.0
シュートは打たれたものの、枠内シュートで脅かされる場面はなくポゼッションへの参加が仕事だった。
DF: ドラグシン 6.0
マッチアップする機会の多かったセックへの対応に手を焼く場面もあったが、まずまずのパフォーマンスを披露。粘り強い守備で計算ができる存在であることを示した。
DF: デミラル 6.0
スリップなど不運な場面もあったが、対峙した SPAL の FW 陣を全く相手にせずフィジカルの差を見せ付ける。実戦調整の良い機会となっただろう。
DF: デ・リフト 6.0
ゴール前のスペースを封鎖してクロスを確実に跳ね返し続けた。相手との実力差を考えれば、見せて当然のパフォーマンスだろう。
DF: フラボッタ 6.5
ゴールで証明しているように攻撃面では非凡な才能を見せ付けた一方、守備では軽さが散見される場面もあった試合だった。自陣内での守備能力の向上が今後の出場機会を左右する最大の要因と思われる。
MF: ベルナルデスキ 6.0
ファジョーリを上手くガードし、持ち前の走力で汗かき役として貢献。ただ、足の負傷で前半のみで退くことになってしまった。
MF: ファジョーリ 6.5
中盤のレジスタ役としてデビュー。昨季のムラトーレと同様に上々のパフォーマンスだった。周囲からの信用を得るためにパスの判断と精度が課題となるだろう。
MF: ラビオ 7.0
歴然としたフィジカルの差があり、1人だけ抜きん出た存在だった。これだけの才能を持った選手を今後の過密日程の中でどのように起用するのか次第だ。
MF: ラムジー 6.5
左サイドで攻撃を円滑にする潤滑油としての役割を果たす。チームメイトがゴール前に侵入して存在感を発揮する黒子役として機能した。
FW: クルゼフスキ 7.0
週末のセリエＡは出場停止のため、前線でモチベーションの高さを示す。アシストと自らの得点を攻撃を牽引した。
FW: モラタ 6.5
相手 DF 陣の裏のスペースを活用するプレーを見せ、先制の PK や左サイドからのチャンスメイクを担当。良いパフォーマンスを見せていただけに削られた右足首の状態が気になるところだ。
【交代選手など】
MF: ディ・パルド 6.0
46分にベルナルデスキとの交代で出場。実質的に右 WB として卒なくプレーする。ただ、周囲からの信頼は得られておらず、ボールに触れる機会は限定的だった。
DF: アレックス・サンドロ 6.0
66分にフラボッタとの交代で出場する。約3週間ぶりのプレーだったが、良い調整となっただろう。コンディションを仕上げることが期待できる。
MF: キエーザ 7.0
モラタとの交代で66分から出場。突破力の違いを見せ付けて1ゴール1アシストの活躍。スーペルコッパを前半のみで退くことになった足首の状態は良さそうだ。
FW: ダ・グラサ ー
83分にデミラルに代わって出場。2トップの一角に入る。
MF: マッケニー ー
ファジョーリとの交代で86分から出場する。
ピルロ監督 7.0
主力選手を温存した状況で前半を2点のリードで折り返し、最終的には4点差のクリーンシートで準決勝進出を決めたのだから高評価を得るべきだろう。Ｂチームの選手がトップチームの選手たちから信頼を勝ち取れていないのは想定内。その中で一定の内容も示せたことは収穫だった。
ペッツート主審 5.5
角度的に見づらかったとは言え、ラビオが倒された場面でシミュレーションと判断してしまったのはマイナス。ただ、その後は落ち込んだり判定がブレたりせずに毅然としたレフリングを続けたことは評価される。
