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イタリア歳入庁が「国外の選手獲得時における税制優遇措置は認められない」と通告、有力クラブの税負担が増加する恐れが浮上

 カルチョ・エ・フィナンツァ』によりますと、イタリアの歳入庁が「国外の有力選手を獲得した際の税金優遇措置は認められない」との通告が出されたことでセリエAや FIGC に思わぬ逆風が吹いているとのことです。

 税制優遇措置を継続する選択肢はありますが、コロナ禍での政治的案件ですから先行きは不透明と言わざるを得ないでしょう。

画像:Serie A
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 イタリアでは『コンテ法』の通称で知られる『成長法令』が2019年1月に発令され、「2年以上イタリア国外に住んでいた人物をイタリアで雇用する場合の個人所得税が 43% から 30% に軽減される」という税制優遇措置があります。

 何が問題かと言いますと、イタリアの歳入庁が「サッカー選手は『成長法令』で規定される駐在員ではない」との見解を通達したからです。

 要するに「サッカー選手は税制優遇措置の対象外」とされてしまった状態ですから、クラブの負担が増えることになります。これは税率が各国で異なるため、選手に提示する年俸は基本的に「税引き後」であることが理由です。

 したがって、クラブの税負担が増すと有力選手の獲得時における障害となるため、競争力を維持したいリーグ機構にとっては厄介な事態が発生したと言えるでしょう。

 

 なお、現時点でサッカー選手を『成長法令』の駐在員として認める最もシンプルな方法は「『首相令(dpcm)』で指定する」というものです。

 ただ、コロナ禍でどの国も税収がガタ落ちすることは確実であり、イタリア・コンテ政権が「サッカー選手への税制優遇措置を継続するのか」は不透明と言わざるを得ないでしょう。それもあり、イタリア政府は本件に対しては沈黙を貫いています。

 ちなみにユベントスでは少なくともデ・リフト、ラムジー、ラビオ、ダニーロ、アルトゥールの5選手が恩恵を受けています。(モラタ選手とマッケニー選手は期限付き移籍で加入中のため対象とは断言できない)

 税制上の負担が増えるシナリオが思わぬ形で浮上したため、予算での経営戦略の練り直しは必要になる可能性があることは留意しなければならないでしょう。

 

 まずはレガ・セリエAやイタリア・サッカー連盟(FIGC)の政府への陳情が功を奏することになるのかに注目です。