2020/21 UEFA チャンピオンズリーグ第6節バルセロナ戦はロナウド選手の PK を皮切りに3得点を奪ったユベントスが 0-3 で勝利し、逆転でグループ首位通過を果たしました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
FC Barcelona [4-2-3-1] |
Juventus [4-4-2] |
|
---|---|---|
GK | 1: テア・シュテーゲン | 77: ブッフォン |
DF | 2: デスト 4: アラウホ 15: ラングレ 18: ジョルディ・アルバ |
13: ダニーロ 19: ボヌッチ 4: デ・リフト 12: A・サンドロ |
MF | 8: ピアニッチ 21: デ・ヨング 17: トリンコン 10: メッシ 16: ペドリ |
16: クアドラード 5: アルトゥール 14: マッケニー 8: ラムジー |
FW | 7: グリーズマン | 9: モラタ 7: ロナウド |
バルセロナのクーマン監督は 4-2-3-1 を選択。ピアニッチ選手がボランチの一角として先発。トリンコン選手とペドリ選手が両翼で先発起用した他は主力選手が名を連ねる陣容で試合を迎えます。
対するユベントスのピルロ監督は 4-4-2 を選択。休養が示唆されていたデ・リフト選手は先発。クアドラード選手が1列前のポジションに入り、モラタ選手とロナウド選手の2トップをサイドでサポートする布陣で試合に臨みます。
試合はピッチ幅を上手く活用したユベントスが立ち上がりからリズムを掴む。まずは8分にマッケニーのパスを受けたロナウドが狙うもこれは GK 正面。9分にはロナウドのポストプレーからダニーロがシュートも枠の左。
それでもユベントスは12分に左サイドから仕掛けたロナウドがエリア内でアラウホに倒されて PK を獲得。これをロナウド自身がゴール正面に蹴り込み、1点を先行する。
20分には左サイドのスローインから中央に持ち込んだラムジーからパスを受けたマッケニーはクアドラードに展開。クアドラードからのクロスにマッケニーがジャンピングボレーで合わせ、ユベントスのリードは2点に拡大する。
一方のバルセロナは22分にメッシのロングシュートが枠を捕らえたが、これは GK ブッフォンが好セーブで CK に逃れる。メッシは35分にJ・アルバからのリターンに合わせたが、こちらは GK 正面。前半はアウェイのユベントスが2点のリードで折り返すことになる。
後半は選手交代をしたバルセロナが攻勢を強めてユベントスゴールに迫る展開で始まったが、スコアを動かしたのはまたもユベントス。
49分に右サイドからのクロスをロナウドが競り合い、こぼれ球をマッケニーが回収してラムジーがシュート。これはテア・シュテーゲンが CK に逃れる。しかし、VAR でマッケニーと競ったラングレが手を使ってクリアを試みていたことが判明し、ユベントスが PK を獲得。これをロナウドがゴール左に決め、ユベントスのリードは3点となる。
2点差での敗戦では首位通過ができなくなったバルセロナは攻勢を強めるも、ゴールを奪うことはできない。58分のグリーズマンのシュートはクロスバーに嫌われ、73分の抜け出しはオフサイド。頼みのメッシもシュートはブッフォンの正面を突き、ゴールは遠いまま。
一方のユベントスは75分に左 CK からA・サンドロがフリックしたところをロナウドが合わせ、最後はボヌッチが押し込んで4点目かと思われたが、VAR でボヌッチのオフサイドが確認されてゴールは認められず。
しかし、3点のリードを保ったまま試合を終えることには成功。ユベントスが 0-3 で勝利し、逆転でグループG首位通過を決めた。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: ブッフォン 7.0
枠と捕らえたメッシのシュートに落ち着いて対処。相手 FW にプレゼントをすることなく、堅実なプレーでクリーンシートに貢献した。
DF: ダニーロ 6.0
3バックの右ストッパーとして最終ラインで粘り強く対処。序盤の思い切ったロングシュートやビルドアップへの参加など攻撃面でのサポートも遂行した。
DF: ボヌッチ 6.5
中央で最終ラインを上手く統率。グリーズマンやブライトバイテなど相手の CF によるポストプレーを制限し、メッシを危険なペナルティーエリア付近から遠ざけたのは大きい。
DF: デ・リフト 6.5
メッシやトリンコンの動きに惑わされずに危険なエリアを確実に封鎖。デュエルでの危なっかしさが露呈することもなく。強固な壁として立ち塞がった。
DF: アレックス・サンドロ 6.0
左サイドバックとして守備ブロックを形成し、攻撃時にはサイドライン際の高い位置で横幅と奥行きを出す。奥行きの深さが相手の守備陣を引き延ばす効果をもたらした貢献は無視できない。
MF: クアドラード 7.0
持ち味が最大限発揮される WB の役割で躍動。マッケニーのゴールをお膳立てするなどキックの精度も高く、J・アルバの監視役も上手く担えていた。
MF: アルトゥール 7.0
古巣を相手にレジスタとしてボールを上手く配球する一方、守備時には相手が使いたいスペースを先に占有して妨害するなど良い面が示されていた。この内容をセリエAにどれだけ移植できるかが鍵になるだろう。
MF: マッケニー 7.5
ボックス・トゥ・ボックス型の選手として真骨頂が発揮された試合だった。ピッチ上の広範囲で攻守において奮闘し、得点に関係する決定的な仕事までしてくれる。文句が出るはずがない。
MF: ラムジー 6.0
左サイドのリンクマンとして周囲の味方にボールを的確に託すなど潤滑油として機能。ペナルティーエリアへのフリーランニングなど汗かき役としても貢献した。
FW: モラタ 6.5
ロナウドの2得点に注目が集まるが、CF としてポストプレーやニアサイドに相手 CB を引き連れて移動し、中央のスペースを開けるチームプレーは高く評価されるべき。良い仕事をしていた。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 7.5
先制の PK とダメ押しの PK による2得点でチームを牽引。自らのプレーで PK を奪取しており、この点での評価も大きい。大一番での勝負強さを改めて見せ付けた試合でもあった。
【交代選手など】
MF: ベンタンクール 6.0
71分にアルトゥールとの交代で出場。守勢に回る時間が増えたものの、危険の芽を事前に摘み取り続けた。
MF: ラビオ 6.0
マッケニーとの交代で71分から出場する。役割を引き継ぎ、左サイドを縦に持ち上がって時計の針を進めるなど任務を忠実に遂行した。
MF: ベルナルデスキ ー
85分にクアドラードとの交代で出場機会を得る。
FW: ディバラ ー
モラタに代わり、85分から出場する。
MF: キエーザ ー
92分にロナウドとの交代でピッチに立つ。
ピルロ監督 7.5
第2節での対戦で辛酸を嘗めさせられたのをお返しすることに成功した。戦術的にやられたことをやり返せたのだから気分はすこぶる良いだろう。バルセロナ戦で得た好感触を今週末のジェノア戦でも継続することが注文になる。ストロング・フィニッシュができるかが注目点だ。
シュティーラー主審 6.0
バルセロナは1本目の PK 判定に文句を言うかも知れないが、手を使った進路妨害は反則と取られても文句は言えない。むしろ、意図的なハンドをしたラングレに2枚目のイエローを出さなかった温情に感謝すべきだ。両チームが判定に何らかのストレスを抱えたという点では公平だった。