ウクライナで行われた 2020/21 UEFA チャンピオンズリーグ第1節ディナモ・キエフ戦はモラタ選手の2ゴールでユベントスが 0-2 で勝利しました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Dynamo Kyiv [4-2-3-1] |
Juventus [4-2-3-1] |
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GK | 1: ブスチャン | 1: シュチェスニー |
DF | 94: ケンジオラ 25: ザバルニー 16: マイコレンコ 20: カラバエフ |
16: クアドラード 19: ボヌッチ 3: キエッリーニ 13: ダニーロ |
MF | 29: ブヤルスキ 5: シドルチュク 10: シャパレンコ |
30: ベンタンクール 25: ラビオ 44: クルゼフスキ 8: ラムジー 22: キエーザ |
FW | 15: ツィガンコフ 89: スプリアハ 14: デ・ペーニャ |
9: モラタ |
ディナモ・キエフのルチェスク監督は 4-3-3 を選択。スプリアハ選手を1トップに両翼でツィガンコフ選手とデ・ペーニャ選手がサポートする布陣で試合を迎えます。
対するユベントスのピルロ監督は 4-2-3-1 を選択。トップ下にはラムジー選手が復帰し、ダニーロ選手が左 SB/CB の役割を担い、クアドラード選手は右 SB/WB で先発する陣容で試合に臨みます。
試合は両チームともに慎重な入りを見せ、中盤での攻防が中心となる。その中で先に決定機を手にしたのはユベントス。12分にラムジーのパスを受けたキエーザが縦に突破して左足シュートを放つが、GK ブスチャンが好セーブ。
キエーザは15分にもカットインから右足の巻いたシュートでゴールを狙うも、これは枠の右。対するディナモ・キエフは17分にケンジオラのクロスにスプリアハがヘディングシュートで反撃するが上手くミートせず。
この直後の18分にユベントスはキエッリーニが右太ももを痛めてデミラルとの途中交代を強いられるアクシデント。
それでも34分にラムジーが左サイドを突破してクロスを入れると、これをクルゼフスキが左足ヒールで合わせる。しかし、相手 DF に当たったことでシュートコースが変わりニアポストに嫌われてゴールとはならず。
ディナモ・キエフは45分にゴール正面やや左で獲得した FK をツィガンコフが直接狙ったが、シュチェスニーの正面を突きノーゴール。前半は 0-0 で折り返すことになる。
スコアが動いたのは後半開始直後の46分。ユベントスはキエーザが左サイドを突破してクロスを入れるとラムジーがポストプレー。クルゼフスキが放ったシュートをブスチャンが弾いたところをモラタが押し込み、ユベントスが先制する。
この後はユベントスが中央で縦パスを通そうとするも、トラップが乱れたりディナモの守備網に引っかかったりして試合の膠着状態が続く。
72分にクアドラードのクロスからラムジーに決定機が訪れていたユベントスは84分にクアドラードのアーリークロスに逆サイドから中央に走り込んだモラタが頭で合わせてリードを2点に広げる。
一矢報いたいディナモ・キエフは試合終了間際に猛攻を仕掛ける。92分にはシドルチュクのロングシュートはシュチェスニーが横っ飛びセーブでゴールを死守。シャパレンコが狙った FK は枠を外れて試合終了のホイッスル。
試合は 0-2 で終了し、ユベントスがアウェイで勝点3を手にした。
試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は以下のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
シュートを打たれた回数は少なく、数少ない出番では確実に仕事を遂行。チームのクリーンシートに貢献した。
DF: クアドラード 7.0
右サイドで存在感を発揮。相手の前進を制限し、攻撃時では質の高いクロスでチャンスを演出。決定的な2点目となるピンポイントクロスの質は極上だった。
DF: ボヌッチ 6.5
注目のスプリアハを抑えるとともに、最終ラインを統率。クロトーネ戦での失態を挽回した。このパフォーマンスを維持することが求められるだろう。
DF: キエッリーニ ー
ディナモ・キエフがゴール前で最初にシュート放った直後に右太ももの負傷で途中交代。ボールタッチなどプレーへの関与が少ないまま試合を去ることになった。
DF: ダニーロ 6.0
今季初となる左サイドで3バックの左ストッパーを務める。左右反転させた役割を難なく遂行し、チームに戦術の幅をもたらした。この戦術幅は大きな貢献となるだろう。
MF: ベンタンクール 5.5
中盤でボールを配球し、DF の盾としても奮闘した。ただ、縦パスを引っ掛けられてしまったり、相手のプレスの餌食になってしまったりと本調子とは言えない内容だったことは否定できない。
MF: ラビオ 6.0
ベンタンクールとは対照的に身体を上手く使ってボールを隠し、サイドライン際で待つフリーの味方に展開するなど中盤で効いていた。また、ボール奪取などで中盤に安定感をもたらしており、この部分での評価も高い。
MF: クルゼフスキ 6.0
中央やサイドなどペナルティーエリア付近で顔を出し、攻撃に変化を加える。止められはしたが、46分のシュートはゴールでもおかしくなかった。良い内容が続いている。
MF: ラムジー 7.0
負傷明けの懸念を払拭するパフォーマンスだった。12分のキエーザへの展開を皮切りに、先制点となった46分ではクルゼフスキにシュートを託すなど視野の広さを証明。状態の良さを印象付けた。
MF: キエーザ 7.0
左サイドでのデュエルで存在感を発揮。縦への突破と中へのカットインはどちらも威力を発揮しており、ウィンガー的な役割をする時間帯を増やせるかがチームとしての課題となるだろう。
FW: モラタ 7.5
シュート機会は少なかったものの、決定機を最大限活かして2ゴールを奪取。エースとして申し分のない働きを見せた。ポストプレーに苦労する場面はあったが、それは小さな修正点だ。
【交代選手など】
DF: デミラル 6.0
19分にキエッリーニとの交代で急遽出場。右 CB としてディナモ・キエフの攻撃を跳ね返し、サイドのカバーを行うなど期待された仕事を確実に遂行した。
FW: ディバラ 5.5
クルゼフスキに代わり56分から出場。足元でボールを止める高い技術を見せたが、ドリブルを仕掛けた際のボールの扱いは本来の出来までには至っておらず状態を上げる必要性のある内容だった。
MF: アルトゥール ー
79分にベンタンクールとの交代で出場。プレッシャーを受ける位置でボールを持つ機会が多かったが、持ち前のテクニックで相手のプレスを回避。チームが求めるタイミングで精度の高いパスを出し続ければ中盤に君臨することになるだろう。
MF: ベルナルデスキ ー
79分にラムジーに代わり出場機会を得る。右サイドのアタッキングハーフに入り、守備時はスペースを消す仕事を遂行。攻撃面では沈黙気味だったが、貢献できれば序列が覆る可能性は多いにある。
ピルロ監督 6.5
可変システムは継続採用したが、これまでとは左右の役割が入れ替わっていたことが特筆点。キエーザの持ち味を活かすには今日の試合の方が良いだろう。戦術的な幅を持てるチームであると示されたため、今後の過密日程でどう活用するかが注目点だ。
ハツェガン主審 6.0
選手がエキサイトする前に上手く試合をコントロールしていた。キエッリーニが負傷交代を要求した際に試合再開を待ったことがマイナスと言えばマイナス。再開させるなり、アディショナルタイムを少し多めに取るなどとディナモ側 の配慮があって良かった。