2020/21 セリエA第30節ジェノア戦はクルゼフスキ選手の先制点を皮切りに3点を奪ったユベントスが 3-1 で勝利しました。

先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。

Juventus [4-4-2] |
Genoa CFC [3-5-2] |
|
---|---|---|
GK | 1: シュチェスニー | 1: ペリン |
DF | 16: クアドラード 4: デ・リフト 3: キエッリーニ ![]() 13: ダニーロ |
55: マジエッロ 21: ラドバノビッチ 4: クリシート ![]() |
MF | 44: クルゼフスキ 30: ベンタンクール 25: ラビオ 22: キエーザ |
14: ビラスキ 11: ベーラミ 47: バデリ 65: ロベッラ 77: ザッパコスタ |
FW | 9: モラタ 7: ロナウド |
19: パンデフ 9: スカマッカ |
ユベントスのピルロ監督は 4-4-2 を選択。ナポリ戦からはクアドラード選手が右 SB に下がり、クルゼフスキ選手が MF で先発。2トップはモラタ選手とロナウド選手が組む布陣で試合に臨みます。
対するジェノアのバッラルディーニ監督は 3-5-2 を選択。組み合わせが豊富な2トップはパンデフ選手とスカマッカ選手が先発する陣容で試合を迎えます。
先手を取ったのはユベントス。5分にクアドラードがロベッラを引き剝がして折り返したボールをクルゼフスキがコントロールショットで流し込み、立ち上がりにユベントスが先制する。
押し込まれ続けるジェノアは8分にザッパコスタが個人技でユベントスの右サイドを突破し、中央にカットインして右足でシュート。しかし、デ・リフトの足でブロックされたシュートは浮き球となり、最後はシュチェスニーがキャッチして攻撃が終了する。
試合の主導権を握るユベントスは22分にラドバノビッチのトラップミスを突いたキエーザが高速ドリブルから右足でシュート。これはペリンのセーブに遭ったが、こぼれ球をロナウドが狙うも左ポスト。それでも跳ね返りをモラタが押し込んでユベントスのリードは2点に広がる。
対するジェノアは45分にパンデフからの縦パスを受けたスカマッカがターンでデ・リフトとキエッリーニの間を割って入り決定的なシュートを放つもシュチェスニーが身体に当ててブロック。前半はユベントスが2点のリードで折り返す。
ハーフタイムで上手く修正したのはジェノア。49分に抜け出したギリオーネが CK を獲得すると、ロベッラが入れた右 CK にスカマッカが高い打点で合わせてジェノアが1点差に詰め寄る。
勢いに乗ったジェノアは途中出場のピアツァが55分に低い弾道のシュートで枠を捕らえるが、これはシュチェスニーが辛くもセーブ。ピアツァは直後の56分にも自ら決定機を作ったがシュートを浮かせてしまい絶好の同点機を逸してしまう。
窮地を脱したユベントスは61分にカウンターから3対2の局面を作ったが、ラストパスのタイミングを逸したキエーザが結果的にペリンにボールを渡す形になってしまい突き放すことはできず。
リスクを取って果敢に仕掛けるジェノアに同点の雰囲気が漂う中、ユベントスは70分にダニーロのスルーパスに反応したマッケニーがオフサイドを疑ったままシュートを流し込むとギリオーネが残っていたことでゴールが認められてリードは2点に拡大する。
思わぬ失点を喫したジェノアは74分にザッパコスタが太もも裏を痛めてプレー続行が不可能に。この時点で交代枠を使い切っていたために残り時間を10人で戦うことになったジェノアに2点ビハインドを追い付く力は残されておらず。
試合はこのまま 3-1 で終了。ユベントスが勝点3を積み重ねた。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.5
最終ラインの緩さから失点の機会に直面したが、好セーブを披露してチームの追加点を呼ぶことになった。
DF: クアドラード 6.5
ロベッラを手玉に取って先制点をアシスト。一方で守勢に回った際はザッパコスタの対応に苦労したことも事実。退場のリスクを回避する意味でも前半だけでお役御免となった。
DF: デ・リフト 5.0
スカマッカとの競り合いで弾き飛ばされてヘディングシュートを決められるのは頂けない。反転ターンで決定機を簡単に許したこともマイナス。
DF: キエッリーニ 5.5
スカマッカのポストプレーは制限できていたものの、肝心のペナルティーエリア内での守備で脆さが露呈。ピアツァへの対応も不味く、同点弾を決められてもおかしくなかった。
DF: ダニーロ 6.5
3バックの一角として前後半で最終ラインの左右をそれぞれ担当。効果的な縦パスを供給するなど安定したパフォーマンスだった。
MF: クルゼフスキ 7.0
クアドラードからの折り返しをコントロール重視で合わせて先制ゴール。攻撃時に右サイドで重なって渋滞を起こすことなく、役割を上手く分担できていた。守備でも奮闘していた点はプラス。
MF: ベンタンクール 6.5
中央でバランスを取り、最終ライン前の盾として機能。シュートを打てる場面でパスを選択する場面には疑問も残るが、これも個性だろう。
MF: ラビオ 6.0
中盤でのパス交換でチームにリズムを作り、ゴール前に顔を出しては積極的なシュートで枠を捕らえる。堅実なプレーでの貢献だった。
MF: キエーザ 7.0
持ち前の加速力でジェノア DF 陣の裏を突いて決定的なチャンスを作り出していた。効果は抜群と言えるだろう。
FW: モラタ 6.0
DF と MF の間に下りてパスを引き出すことで相手の守備陣を撹乱。ポストプレーをする位置とタイミングが良かった。こぼれ球を確実に押し込んでおり、苦労が報われた試合となった。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 5.5
絶好機を逸したのだから評価はマイナスとならざるを得ないだろう。この試合では左サイドで WG 的な仕事をすることが多かった。戦術的な指示なのか自己判断なのかが今後の注目点となるはずだ。
【交代選手など】
DF: アレックス・サンドロ 5.5
46分にクアドラードとの交代で出場。対面したギリオーネの仕掛けを制限できず、クロスなどの供給源を作られ続けていた。
MF: マッケニー 6.5
68分にクルゼフスキとの交代で役割を引き継ぐ。中盤のインテンシティーを高め、上手い抜け出しから試合の行方を決める3点目を奪取し、勝利を大きく手繰り寄せた。
FW: ディバラ 6.0
モラタに代わり68分から出場。長期離脱からの復帰直後であり、しばらくは交代投入での起用が続くだろう。試合終盤でスペースが比較的存在する状況でコンスタントに躍動できるかが鍵だ。
MF: アルトゥール ー
74分にキエーザとの交代で出場する。
MF: ラムジー ー
83分にラビオとの交代で出場機会を得る。
ピルロ監督 6.5
守備が予想以上に脆弱でハーフタイム前後に複数失点を覚悟するピンチに見舞われたものの、これらは監督の采配や指示で試合中に修正できるものではなかった。ともあれ、他の上位勢と同様に勝点3を上乗せできたことがすべてだろう。混戦から脱落しない粘り強さが求められている。
ディ・ベッロ主審 6.0
難しい判定が必要となる場面はなく、淡々とジャッジを下したと言えるだろう。映像リプレイも21分のクアドラードのハンドをした位置を取り上げるぐらいだった。