2020/21 UEFA チャンピオンズリーグ第5節ディナモ・キエフ戦はキエーザ選手のゴールを皮切りに3得点をあげたユベントスが 3-0 で勝利しました。

先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。

Juventus [4-4-2] |
Dynamo Kyiv [4-3-3] |
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GK | 1: シュチェスニー | 1: ブスチャン |
DF | 28: デミラル 19: ボヌッチ ![]() 4: デ・リフト 12: A・サンドロ |
94: ケンジオラ 25: ザバルニー 4: ポポフ 16: ミコレンコ |
MF | 22: キエーザ 14: マッケニー 30: ベンタンクール 8: ラムジー |
8: シェペレフ 5: シドルチュク ![]() 10: シャパレンコ |
FW | 9: モラタ 7: ロナウド |
15: ツィガンコフ 7: ヴェルビッチ 22: G・ロドリゲス |
ユベントスのピルロ監督は 4-4-2 を選択。モラタ選手とロナウド選手が2トップを組み、攻撃的な WB の役割を右サイドのキエーザ選手が担う布陣で試合に臨みます。
対するディナモ・キエフのルチェスク監督は 4-3-3 を選択。ヴェルビッチ選手を1トップにツィガンコフ選手とG・ロドリゲス選手が両サイドでサポートする陣容で試合を迎えます。
中盤での攻防が続く中で最初に決定機を迎えたのはユベントス。17分に左 CK から飛び込んだマッケニーがヘディングシュートを放ったが、GK ブスチャンがストップ。
決定機を手にしたユベントスは21分に左サイドのA・サンドロがクロスを入れると、中央に侵入していたキエーザが上手くヘディングシュートを決め、ユベントスが1点を先制する。
ユベントスは30分にペナルティーエリア内に侵入したA・サンドロがボールを離したところに上手く顔を出したロナウドが決定的なシュートを放つもクロスバーを直撃。追加点の機会を逸してしまう。
すると、今度はディナモ・キエフに決定機。41分に右サイドのケンジオラがクロスを入れると、中央でヴェルビッチが胸を使ったポストプレー。これをツィガンコフが左足で流し込もうとするもシュチェスニーが右足に当ててゴールを死守。ユベントスが1点のリードで前半を折り返す。
1-0 で迎えた後半、先に決定機を得たのはディナモ・キエフ。54分に右 CK をショートコーナーで再開し、ツィガンコフが左足で入れたクロスが中央で待ち構える選手の頭上をかすめてゴールに向かうが、これもシュチェスニーがストップ。
するとユベントスは57分に縦に突破したキエーザの折り返しにモラタが飛び込むも詰め切れず。しかし、流れたボールは左サイドで詰めていたロナウドが押し込み、ユベントスが待望の2点目を奪取する。
ユベントスは66分にキエーザからのパスを受けたモラタがペナルティーエリア内での細かいステップで相手 DF 陣を翻弄してゴール右下に決めて3点目。勝利を大きく手繰り寄せることに成功する。
その後は試合の行方が決したこともあり、両チームのペースはダウン。時計の針がそのまま進んだために試合は 3-0 で終了。ユベントスが勝点3を積み重ねた。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 7.0
ハーフタイム前後にツィガンコフの決定機を2度セーブ。チームがリードを保つ大きな役割を果たした。
DF: デミラル 6.0
マッチアップしたG・ロドリゲスに上手く対処。3バックの一角として相手の左サイドからの攻めを上手く制限した。堅実なプレーは計算できるため、コンディション維持が課題となる。
DF: ボヌッチ 6.0
ヴェルビッチを監視しつつ、最終ラインを統率。守備陣としての課題はあったもののクリーンシートだったことが自信となるはずだ。
DF: デ・リフト 6.0
浮き球フィードに対する判断が悪く、ディナモ・キエフに決定機をプレゼント。それ以外では力強さはあったものの思わぬ欠点が露呈したかもしれない。
DF: アレックス・サンドロ 6.5
機を見た攻撃参加からキエーザの先制点をお膳立てし、ロナウドの決定機も演出した。また、90分フル出場をして好パフォーマンスを示したことも大きい。主力選手が帰ってきた。
MF: キエーザ 7.5
後ろに入ったクロスに上手く合わせて先制点を決め、後半の2得点を生み出すクロスを供給。守備では献身的に WB として自陣のペナルティーエリアまで戻るなど素晴らしい活躍を見せた。
MF: マッケニー 6.5
中盤でチームのために汗をかき続ける役割を全うした。細かくボールを繋ぐことが求められると厳しいが、オープンで肉弾戦の様相を呈した試合では頼りになる存在であり、起用のタイミング次第で輝く選手だ。
MF: ベンタンクール 6.0
開始10分でイエローをもらったことで積極性は自重。それでもレジスタに比重を置いた役割を遂行し、マッケニーと上手く仕事を分担できていた。
MF: ラムジー 6.0
左サイドをスタートポジションにインサイドハーフやトップ下でリンクマンとして顔を出す。今日は逆サイドのキエーザが眩い輝きを放っていたため目立たなかった。
FW: モラタ 6.5
キエーザが縦への仕掛けを見てゴール前に侵入して勝負。CF として最も重要な仕事をし、ゴールという結果を残した。ポストプレーや守備にも献身的でチームのために汗をかき続けた。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 6.5
前半に決定機を逸したが、後半はラッキーゴールで750得点を達成。ロナウドにしかできないプレーは影を潜めたが、存在感は絶大でボールを持たずとも影響を与えたのは大きい。
【交代選手など】
DF: ダニーロ 6.0
62分にボヌッチとの交代で出場。最終ラインの一角に入り、堅実なプレーで危なげなく試合を終えた。
MF: ベルナルデスキ 6.0
ラムジーに代わり、62分から出場する。左サイドでの縦への突破で違いをアピール。この調子を維持すれば出場機会はコンスタントに得られるため、自らのプレーで序列が覆る可能性は大いにある。
DF: ドラグシン 6.0
69分にデミラルとの交代で出場機会を得る。トップチーム・デビューで堂々たるプレーを見せた。キエッリーニのコンディションが怪しいため、年末までに再び起用されると思われる。
MF: クルゼフスキ ー
76分にキエーザとの交代で出場。比較対象のキエーザが桁違いのパフォーマンスを見せていたため、プレーは霞んでしまうのは止むを得ない。
MF: アルトゥール ー
ベンタンクールに代わり、76分から投入される。
ピルロ監督 6.5
クリーンシートによる勝利で勝点3を獲得したのは朗報。ドラグシンに経験を積ませるなど思い切った采配も見せた。課題は「継続性」であり、肉弾戦の様相が強くなる今週末のトリノ戦での内容が「真価」が図られることになるだろう。
フラッパール主審 6.0
女性審判として注目度が高かったが、VAR の存在で難を逃れたと言えるだろう。2点目の場面ではモラタと GK ブスチャンの接触によって詰め寄られて試合が荒れる可能性もあったからだ。とは言え、UEFA のコンペティションに顔を出せる能力を示せたことが収穫。