2019/20 コッパ・イタリア準決勝ファーストレグのミラン対ユベントス戦はユベントスがロナウド選手の PK で追い付き、試合は 1-1 で終了しました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
AC Milan [4-4-2] |
Juventus [4-3-3] |
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GK | 99: ドンナルンマ | 77: ブッフォン |
DF | 2: カラブリア 24: ケアー 13: ロマニョーリ 19: テオ・エルナンデス |
2: デ・シリオ 4: デ・リフト 19: ボヌッチ 12: アレックス・サンドロ |
MF | 7: カスティジェホ 79: ケシエ 4: ベナセル 18: レビッチ |
8: ラムジー 5: ピアニッチ 14: マテュイディ |
FW | 21: イブラヒモビッチ 10: チャルハノール |
16: クアドラード 10: ディバラ 7: ロナウド |
ミランのピオーリ監督は 4-4-2 を選択。イブラヒモビッチ選手を核にチャルハノール選手やレビッチ選手がサポートに入る予想された布陣で試合を迎えます。
対するユベントスのサッリ監督は 4-3-3 を選択。クアドラード選手が右 WG に入り、守備時はクアドラード選手が MF に下がって 4-4-2 を形成する陣容で試合に臨みます。
試合はホームのミランが5分のレビッチの枠内ミドルシュートなどで積極的にゴールを狙う姿勢を示し、良い入りを見せる。
22分にミランはケシエの横パスを受けたカラブリアがボックス手前からシュート。これはブッフォンが左手1本で CK に逃れる。28分にはデ・リフトのパスミスからミランボールとなり、最後はレビッチがシュート。しかし、上手くミートしなかったため、ブッフォンがキャッチ。
対するユベントスは36分にクアドラードの強烈なミドルシュートが枠を捉えるも、こちらはドンナルンマが好セーブで防ぐ。結局、前半は両チームともに均衡を破ることはできず、0-0 で折り返すこととなる。
後半も先にチャンスを得たのはミラン。47分に抜け出しに成功したレビッチがシュートを放つも、これはブッフォンが身体に当ててストップする。
均衡が破れたのは61分。イブラヒモビッチのシュートなどで良い流れを掴んでいたミランはカスティジェホのクロスからイブラヒモビッチの背後にいたレビッチが右足で合わせ、ミランが1点を先制する。
ところが、72分にミランはテオ・エルナンデスがディバラを踏みつけたことで2枚目のイエローとなって退場。残り時間を10人で戦うことになったため、籠城戦を選択する。
中央のスペースを消されたことで攻めあぐねていたユベントスだったが、88分にベンタンクールの高い弾道のクロスをファーサイドで待ち構えていたロナウドがジャンピングボレー。これがカラブリアの左手に当たり、VAR が介入し、ユベントスが PK を獲得。
この PK をロナウドがゴール中央に蹴り込み、ユベントスが 1-1 に同点に追いつく。
ミランは97分のラストプレーの FK をイブラヒモビッチがファーサイドで折り返し、これをケシエがヘディングシュートで狙うも、力のないシュートはブッフォンがキャッチ。試合はここで終了のホイッスル。ファーストレグは 1-1 で終了し、決勝進出はセカンドレグの結果に委ねられることになった。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: ブッフォン 6.5
シュートストップで存在感を発揮。シュチェスニーとの差である足元の技術が問われることなく、情報のパフォーマンスを見せた。
DF: デ・シリオ 5.5
レビッチに対して守勢となり、攻撃面での貢献も限定的だった。失点の場面ではレビッチに上手く距離を作られてしまったことが決定打となってしまった。
DF: デ・リフト 5.5
鋭い縦パスは通していたが、それ以外の面で不安を残す。無人のスペースに横パスを出したり、レビッチに簡単に入れ替わられるなど再び迷走が始まった感が否めない。
DF: ボヌッチ 6.0
可もなく不可もない凡庸な内容だった。ただ、ミランの FW 陣に狙われなかっただけのことで、狙い撃ちをされていた場合の保証はない。
DF: アレックス・サンドロ 6.0
カスティジェホの献身的な動きで攻撃面での関与を制限される。バランスは取れていたが、局面を打開できる能力はあるだけに不完全燃焼の印象が残った。
MF: ラムジー 5.5
ボールを持った際はリンクマンとして機能したが、スタートポジションが低かったことで脅威とはならず。本領を発揮できないまま途中交代となった。
MF: ピアニッチ 5.5
チャルハノールなどに張り付かれたことでミランの守備ブロックを崩す役割ができず低調な出来だった。インサイドハーフが適任者ではなかったという弁解の余地はあるものの、試合から消えていた。
MF: マテュイディ 5.0
ボールが足に着かず、フィジカル面での貢献があった訳でもなく、実戦感覚が鈍っている現状を見せただけだった。真価が問われることになるだろう。
FW: クアドラード 6.0
右 WG で先発し、イグアイン投入後は右 SB としてプレー。サイドバックとしての連携は良かったが、ウィンガーとしてはもう少し改善の余地があった。
FW: ディバラ 6.5
中盤まで下がってボールを受け、そこから自らのドリブルで局面を打開する仕事を何度も行う。前線で仕事をさせたかったが、それができないチーム状況だった。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 6.5
厳しいマークで抑え込まれたが、試合終了間際に自ら PK を獲得して同点に持ち込む。「ロナウド依存」に陥る前に攻撃陣が対応できるかがポイントだろう。
【交代選手など】
MF: ベンタンクール 6.0
62分にラムジーとの交代で出場。一日の長があるため、インサイドハーフの動きはスムーズになったが、守備の意識を強めたミランの守備網を崩すまでには至らず。それでもロナウドに浮き球のクロスを託し、同点機を演出した。
FW: イグアイン 5.0
デ・シリオに代わり、69分から出場する。出場していたことを失念してしまうぐらい存在感がなかった。劣勢時に高さ勝負やポストプレーが期待できない選手を投入せざるを得ないのは皮肉なことだ。
MF: ラビオ ー
73分にマテュイディとの交代で出場機会を得る。ミランが撤退・籠城戦を敢行すると腹をくくっていたため、持ち味のテクニックが活きるまでには至らなかった。
サッリ監督 5.5
収穫は何もなかった。戦術の幅はなく、試合内容はミランが上。守備力の限界が露呈している現状では打ち勝つしかないが、中央を固められると得点の確率が劇的に下がる攻撃陣のテコ入れができなければ、無冠も現実味を帯びることになるだろう。
ドベリ主審 5.0
41分にイブラヒモビッチからボール奪取したディバラをシュート妨害でファールを取った場面から、ラフプレー容認となり、一気に荒れ模様の試合になってしまった。PK については枠内シュートがゴール方向を向いていたカラブリアに当たったため、理解できる判定だった。