10月の代表戦を前に行われた 2019/20 セリエA第7節インテル戦はディバラ選手とイグアイン選手のゴールでユベントスが 1-2 で勝利しました。
試合に先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
FC Internazionale [3-5-2] |
Juventus [4-3-1-2] |
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GK | 1: ハンダノビッチ | 1: シュチェスニー |
DF | 2: ゴディン 6: デ・ブライ 37: シュクリニアル |
16: クアドラード 19: ボヌッチ 4: デ・リフト 12: アレックス・サンドロ |
MF | 33: ダンブロージオ 23: バレッラ 77: ブロゾビッチ 12: センシ 18: アサモア |
6: ケディラ 5: ピアニッチ 14: マテュイディ 33: ベルナルデスキ |
FW | 9: ルカク 10: ラウタロ |
10: ディバラ 7: ロナウド |
インテルのコンテ監督は 3-5-2 を選択。バルセロナ遠征への帯同を見合わせたルカク選手が先発メンバーに復帰し、ベストメンバーと呼べる陣容で試合を迎えます。
対するユベントスのサッリ監督は 4-3-1-2 を選択。ミッドウィークに行われたレバークーゼン戦からはイグアイン選手に代えてディバラ選手を先発させた他は同じ10選手が名を連ねる布陣で試合に臨みます。
試合は4分にセンターライン付近でロナウドがデ・ブライに潰されてルーズボールが発生。これを回収したピアニッチが前線に展開し、受けたディバラが豪快に蹴り込み、ユベントスが先制する。
ユベントスは9分に最終ラインからのフィードに反応したロナウドがシュートを放つが、これはクロスバーに嫌われてしまう。対するインテルはカウンターでルカクが決定機を手にするも、右足で放ったシュートはボヌッチにブロックされる。
インテルは17分に右サイドに開いたバレッラが入れたクロスへの反応が遅れたデ・リフトがボールを右肘に当ててしまい、PK を獲得する。これをラウタロ・マルティネスがゴール左下に決め、インテルが同点に追い付く。
勢いに乗ったインテルは28分にルカクの突破からボヌッチの不味い対応を突いたラウタロのシュートが枠を捉えるも、シュチェスニーにセーブ。一方のユベントスは41分にマテュイディのクロスをディバラが落とし、ロナウドが枠内シュート。しかし、ハンダノビッチが防ぐ。
ユベントスは直後にピアニッチのパスを受けたロナウドがディバラとのワンツーで抜け出し、ゴールネットを揺らすが、ディバラのポジションがオフサイドだったとしてゴールは認められず。前半は 1-1 で折り返すことになる。
後半も先に決定機を手にしたのはユベントス。49分にケディラのシュートが跳ね返ったところをベルナルデスキがコントロールシュートで狙うが、これはハンダノビッチがキャッチ。56分にはディバラが抜け出すも、これもハンダノビッチの良い飛び出しで防がれてしまう。
一方のインテルは69分にクアドラードのクリアを回収したベシーノがシュートを放つも、デ・リフトに当たって軌道が変わったシュートはニアポストに嫌われ、同点とはならない。
すると、勝ち越しゴールを狙ったサッリ監督の交代采配が的中する。ユベントスは80分にロナウドからのパスを受けたベンタンクールが落とすとスペースに走り込んだイグアインが決め、ユベントスが1点を勝ち越すことに成功する。
リードを許したインテルは86分に中に切れ込んだダンブロージオのパスに反応し、DF ラインを突破したベシーノに決定機が訪れたがシュチェスニーに飛び出しにとって防がれて同点とはならず。試合はユベントスが 1-2 で勝利し、首位に浮上した。
試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 7.0
PK 以外の決定機でことごとくインテル攻撃陣の前に立ちはだかり、勝点3を獲得する大きな原動力となる。
DF: クアドラード 7.0
コンテが採用するシステムの穴であるサイドのスペースでボールを引き出し、チーム全体を押し上げて攻撃の起点を作る。守備でも粘り強く対応し、攻守において高い貢献度を示した。
DF: ボヌッチ 6.0
ルカクのパワーに苦しむも、最後に身体を投げ出して何とか防ぎ切った。危なっかしい場面もあったが、周囲の献身性に救われる形となった。
DF: デ・リフト 5.0
序盤からラウタロの動きに翻弄され、インテルが狙う “穴” と化す。PK を与えた場面では判断が遅れていたし、同サイドからの突破を許すなど不安定さが目立った試合だった。
DF: アレックス・サンドロ 6.5
クアドラードほどではないにせよ、攻守においてチームのために汗をかき続けた。相手のプレッシングに対する駆け込み寺となるなど渋い貢献が光った。
MF: ケディラ 6.5
対面するセンシやバレッラの仕事内容を制限し、自らは相手陣内に侵入して攻撃の起点になるなど汗かき役として十分な働きを示した。
MF: ピアニッチ 7.5
中盤の数的優位性を活かし、ワンタッチでボールを動かすことで攻撃のリズムをもたらす。この試合での印象度を考えると、今後はマンツーマンで張り付かれる試合が極端に増えるだろう。
MF: マテュイディ 6.5
ケディラと同様に自らの持ち味を存分に発揮することができていた。特にボール奪取が光っており、DF ラインの前でフィルターとして機能していた。
MF: ベルナルデスキ 6.0
攻撃では目立った場面は少なかったものの、守備では起点となるブロゾビッチの働きを制限し続ける。ピアニッチを活かすための “ダミー” として十分な貢献だったと言えるだろう。
FW: ディバラ 7.0
ピアニッチの縦パスに反応し、電光石火で先制ゴールを奪取。その後はロナウドの決定機をお膳立てするなど攻撃にアクセントを加え続けた。悔やまれるのはオフサイドを取られたことぐらいだ。
FW: ロナウド 6.5
3バックの脇にあるスペースなどから積極的にシュートを放つ。何度か決定機を手にしたがゴールネットを揺らしたシュートが取り消されるなど不運な側面もあった。
【交代選手など】
MF: ベンタンクール 6.5
62分にケディラとの交代で出場。最終的に務めたトップ下で決勝ゴールのお膳立てとなるパスの引き出しから絶妙なアシストを供給。自身のクオリティーを示すことに成功した試合となった。
FW: イグアイン 7.0
ベンタンクールと同じタイミングでベルナルデスキに代わって出場する。80分に訪れた決定機を決め切り、チームに勝点3をもたらし、前回のインテル戦と同様にサンシーロでの勝負強さを示した。
MF: エムレ・ジャン 6.0
ディバラに代わり、71分から出場機会を得る。インサイドハーフとしてバレッラとアサモアの両選手に対抗。この投入でベンタンクールがブロゾビッチの動きを制限することができ、決勝ゴールの布石をなった。
サッリ監督 7.0
ベルナルデスキにブロゾビッチを見させることでピアニッチに自由を与え、試合の主導権を握る仕掛けが用意されていた。ディバラにその役割を任せたことは間違いだったが、エムレ・ジャンの投入で修正し、攻撃重視の姿勢を示し続けて勝点3を持ち帰ったことは大きい。
ロッキ主審 6.0
肉弾戦の多いダービー戦となったが、大荒れにはならないように気を配っていた。デ・リフトのハンドについての判断は妥当であり、ロナウドのゴールを VAR で取り消したことも適切だった。勝点を盗むようなジャッジはなかった。