マンチェスター・シティがカンセロ選手を獲得するために「金銭+ダニーロ選手」を再び提示したと『トゥット・スポルト』、『メディアセット』、『スカイ・スポーツ』などが報じています。「 “駆け込み補強” が起きるかが注目点」と言えるでしょう。
■ ダニーロを “厄介払い” したいマンチェスター・シティ
イタリア・メディアによりますと、マンチェスター・シティがカンセロ選手の獲得に向けて再オファーを行ったとのことです。ユベントスが要求するカンセロ選手の移籍金(= 5500万ユーロ超)を支払えば、移籍は成立するでしょう。
ただ、シティ側は余剰戦力になるダニーロ選手を交渉に組み込むことを希望していると見られています。
この条件はユベントスにとっては「メリットの少ない交渉」です。そのため、カンセロ選手を「金銭+ダニーロ選手」でのトレードに応じるようでは割に合わないと言えるでしょう。
■ グアルディオラ監督と似た志向スタイルのサッリ監督もダニーロを必要とはしていない
なぜなら、ユベントスにはダニーロ選手を獲得する理由がないからです。
- シティの評価額は3000万ユーロ
- ダニーロ選手の年俸はカンセロ選手より上
- 守備力の低さが大きな懸念材料
“カンセロ選手よりも高給取りで守備力に不安がある選手” をわざわざ大金をつぎ込んでまで獲得する必要はありません。シティ側がカンセロ選手を欲するなら、「移籍金のみでの支払い」をユベントスのフロント陣は要求すべきです。
サッリ監督が志向するサッカーのスタイルはグアルディオラ監督と似ています。シティのグアルディオラ監督に失格の烙印を押された状態にある選手がサッリ監督の下で “必要不可欠な選手” にはならないでしょう。その点からもダニーロ選手は「不要」と言わざるを得ないのです。
■ カンセロ売却時の右 SB の後任候補はチーム内にいる
レギュラー選手を売却した場合、通常であれば後任選手を獲得する必要があります。しかし、カンセロ選手の場合はその必要はありません。理由は「後任候補がチーム内にいるから」です。
まず、サッリ監督は「攻撃のメインサイドを左に設定する」ことが濃厚です。これはロナウド選手を中央ではなく、左に置く意向を示していることが根拠です。
そうなると、右 SB に要求されるのは「攻撃力」ではなく「守備力」が重要視されます。
具体的には「CB と3バックを形成し、ライン・コントロールなどのリスク管理ができるか」が問われるのです。また、攻め上がりについても「スペースをドリブルで持ち上がること」で十分であり、「対面する相手を突破すること」や「ピンポイントのクロス」は重要ではなくなります。
したがって、デ・シリオ選手が(現状では)1番手になりますし、「デミラル選手を右 SB にコンバートする」という選択肢も現実味を帯びるでしょう。リリアン・テュラム選手のように「右 SB で実績を重ね、CB に再コンバート」との “前例” もありますから、ダニーロ選手に大金を投入する理由は少ないはずです。
ユベントスのフロント陣が交渉相手の足元を見た交渉ができるのかに注目です。