2018/19 UEFA チャンピオンズリーグ準々決勝アヤックス戦はロナウド選手のゴールでユベントスが先制するも、逆転を許して 1-2 で敗れたユベントスが大会から姿を消すことになりました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Juventus [4-3-3] |
AFC Ajax [4-2-3-1] |
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GK | 1: シュチェスニー | 24: オナナ |
DF | 2: デ・シリオ 24: ルガーニ 19: ボヌッチ 12: アレックス・サンドロ |
3: フェルトマン 4: デ・リフト 17: ブリント 12: マズラウィ |
MF | 23: エムレ・ジャン 5: ピアニッチ 14: マテュイディ |
20: シェーネ 21: デ・ヨング 22: ツィエク 6: ファン・デ・ベーク 7: ネレス |
FW | 33: ベルナルデスキ 10: ディバラ 7: ロナウド |
10: タディッチ |
ユベントスのアッレグリ監督は 4-3-3 を選択。ファーストレグからはデ・シリオ、エムレ・ジャン、ディバラの3選手が先発メンバーとして名を連ねる布陣で試合に臨みます。
対するアヤックスのテン・ハフ監督は 4-2-3-1 を選択。こちらは出場停止のタグリアフィコ選手に代わり、出場停止が明けたマズラウィ選手が先発する他は同じ10選手で試合を迎えます。
試合は序盤に右足首を痛めたマズラウィ選手が11分での途中交代を強いられる展開で始まる。
先に決定機を得たのはアクシデントがあったアヤックス。21分に細かいパス交換からファン・デ・ベークが抜け出してシュートを放つが、枠の上へと大きく外していまう。
ファーストレグと同様にプレスに苦しんでいたユベントスだったが、22分に右 CK のクリアをボレーで狙ったディバラのシュートが枠を捉える。すると、28分には右 CK からロナウドがヘディングシュートを決め、1点を先制する。
アヤックスは34分に左サイドから折り返しをツィエクがシュート。これがユベントス守備陣に当たり、先述のクロスをブロックした関係で残っていたベルナルデスキがいたことでオンサイドだったファン・デ・ベークがゴール右下に決め、アヤックスが 1-1 の同点に追いつくことに成功する。
後半に入ると、よりアヤックスのペースとなる。52分にはピアニッチの横パスがカットされ、カウンターからツィエクがシュート。しかし、これはシュチェスニーが左手一本でストップ。
57分にはベルナルデスキのボールロストからファン・デ・ベークのシュートが枠を捉えるも、これもシュチェスニーが好セーブで CK に逃れる。62分には相手陣内深くで得た FK からのカウンターを許し、シュート寸前のところでピアニッチがクリアし、何とか難を逃れる。
しかし、67分に右 CK からデ・リフトの高い打点のヘディングシュートで逆転を許し、ユベントスの勝ち抜けには残り時間で2点が必要という厳しい状況に追い込まれる。
だが、後半になってから効果的な攻めを見せることができていなかったユベントスの調子は上がらず。89分にはエリア内でブリントの腕にボールが当たるも、ノーファールの判定。結局、試合はこのまま 1-2 で終了。2戦合計 2-3 となり、ユベントスの大会敗退が決定した。
試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.5
2度の決定機を防ぎ、相手の勝ち越しを許さないなど最後尾で奮闘。要求された水準は十分に満たしていた。
DF: デ・シリオ 5.0
前半は期待に応える内容だったが、後半に入るとガス欠からミスが目立つ。攻撃面での貢献も乏しく、歯がゆいパフォーマンスだった。
DF: ルガーニ 5.5
アムステルダムでの試合と同じようにタディッチを抑える。デ・リフトに自身の頭上から逆転ゴールを叩き込まれてしまったが、あのシュートを打たせるなという要求は過剰だろう。
DF: ボヌッチ 5.0
得意のフィードも鳴りを潜め、出場していたことを忘れるほどだった。苦境のチームを鼓舞することもできず、リーダーを任せるのは難しいようだ。
DF: アレックス・サンドロ 5.0
肉弾戦が容認されたこともあり、アヤックス戦の2試合はともに低調な出来に終始する。内容の上乗せが期待された選手であったが、相手を上回ることはできなかった。
MF: エムレ・ジャン 6.0
中盤で戦い、速い動き出しのドリブルで局面を打開するなどチームに推進力を与えた。後半は右 CB の位置でビルドアップなども行うが周囲の反応が悪く、空回りという結果に終わってしまった。
MF: ピアニッチ 5.5
中盤での構成力を期待されたが、ファーストレグ以上に封じられてしまう。パスコースもターゲットマンも存在しないのだから、威力が削がれるのは当然の結果だろう。
MF: マテュイディ 5.0
相手のパスワークに翻弄され、チームを手助けすることはできず。構成力とプレス耐性に乏しい現状を超えるプレーを求めるのは酷だが、悲願達成には要求せざるを得ないことも事実だ。
FW: ベルナルデスキ 5.0
運動量はあったが推進力にはならず、空回りに終わった。サイドチェンジのキック精度も思わしくなく、エリア付近でも脅威となるプレーは影を潜めていた。
FW: ディバラ 5.0
ゴールに近い位置でのプレーが可能な試合だったが、リンクマンとしての動きが染み付いたことで決定的な仕事はできず。前半終了間際に痛めたことで45分で退く結果となった。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 7.0
CK から決定機を活かし、2試合連続でチームに先制点をもたらす。エースとして期待された仕事は十分に果たしていると言えるだろう。チームとしてのプレーモデルを見直すべきだ。
【交代選手など】
FW: ケーン 5.5
46分にディバラとの交代で出場する。“持ってる選手” として期待されたが、チームを救うことはできず。ただ、ロナウドとのコンビはこの試合が「初めて」であることに留意しなければならない。
DF: カンセロ 5.0
デ・シリオに代わり64分から出場するも、ファーストレグの悪い出来を引きずったプレーをしてしまう。攻撃面での貢献が期待されての投入だったが、事態を好転させることはできなかった。
MF: ベンタンクール ー
ベルナルデスキとの交代で80分から出場機会を得る。サイドの攻撃的な位置でボールを引き出すなどの役割を担ったが、本職とは異なり、持ち味を存分に発揮することはできなかった。
アッレグリ監督 5.0
1戦目からの上乗せが期待されたが、求めに応じることはできなかった。奇妙なのはディバラの交代選手だ。デ・ヨングのマークを重視していたなら、ケディラかベンタンクールを投入していたはずだ。だが、ロナウドとのコンビが機能する可能性がゼロに近いケーンを投入したのだから、采配ミスの部分も大きいことは否定できない。
テュルパン主審 5.5
肉弾戦を容認したことでアヤックスが希望する判定基準で試合を裁く。ブリントのハンドを PK と取らなかったことで物議を醸すかもしれないが、試合結果への影響度は第1戦でタグリアフィコのファールを見逃した審判団と比較すれば微々たるものだ。