コロナ禍による中断明けの初戦となった 2019/20 セリエA第27節ボローニャ戦はロナウド選手の PK とディバラ選手のゴールでユベントスが 0-2 で勝利しました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Bologna FC [4-3-3] |
Juventus [4-3-3] |
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GK | 28: スコルプスキ | 1: シュチェスニー |
DF | 14: 冨安 健洋 23: ダニーロ 4: デンスウィル 35: ダイクス |
16: クアドラード 4: デ・リフト 19: ボヌッチ 2: デ・シリオ |
MF | 21: ソリアーノ 5: メデル 32: スバンベルグ |
30: ベンタンクール 5: ピアニッチ 25: ラビオ |
FW | 7: オルソリーニ 10: サンソーネ 99: バロウ |
33: ベルナルデスキ 10: ディバラ 7: ロナウド |
ボローニャのミハイロビッチ監督は 4-3-3 を選択。予想された選手がスタメンに名を連ね、ソリアーノ選手がポジションを上げた場合は 4-2-3-1 にシフトできる陣容で試合を迎えます。
対するユベントスのサッリ監督も 4-3-3 を選択。左 SB にはデ・シリオ選手が入り、ラビオ選手とベルナルデスキ選手を中断後初のスタメンに起用する布陣で試合に臨みます。
試合はアウェイのユベントスがペースを掴む。まずは7分にロナウドがカットインから枠内シュートを放つが、これはスコルプスキがブロック。こぼれ球にベルナルデスキが詰めるも押し込むことはできない。
サイドでボールを持ち上がることができるもののシュートにまで持ち込めないボローニャに対し、ユベントスは22分に左 CK からの競り合いでデ・リフトが倒され、VAR の介入によってユベントスが PK を獲得。これをロナウドが中央に蹴り込んでユベントスが1点を先行する。
36分にはデ・リフトの縦パスをベルナルデスキが落とし、これをディバラが反転ターンでシュートコースを作り出してミドルシュートを叩き込み、ユベントスのリードは2点へと広がる。
ボローニャは38分にサンソーネが距離のある位置から狙うも、これは枠の右。45分にはクアドラードの横パスをカットしたオルソリーニがシュートまで持ち込むが、ボヌッチにブロックされてしまう。
0-2 で迎えた後半もユベントスが主導権を握る展開は変わらない。52分には冨安がベルナルデスキに食いついたことでフリーになったロナウドにボールが渡るが、シュートは枠を捉えず。その直後に訪れたベルナルデスキのシュートは左ポストに嫌われる。
ところが65分にアクシデント。サイドで仕掛けたデ・シリオが左もも裏を痛め、ダニーロとの交代を余儀なくされてしまう。
それでもユベントスは上手く時計の針を進める。89分にはシュチェスニーのパスに反応したD・コスタからの折り返しをロナウドが押し込むが、これはD・コスタがパスを受けた場所がオフサイドだったため得点は認められない。
このまま終了かと思われた91分にユベントスはダニーロがユワラを倒して2枚目のイエローで退場。82分にユワラへの足裏タックルで VAR で退場までには値せずの命拾いをしていたが、結局退場することになってしまった。
ただ、ユベントスはこのまま 0-2 で試合を終わらせることには成功。勝点3を積み重ね、現地24日にアタランタ戦を控えるラツィオにプレッシャーをかけることに成功した。
なお、試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: シュチェスニー 6.0
クリーンシートを達成したことで結果を残したが、グラウンダーのパスが予想よりも転がらずに3度ほど危ない場面を作ってしまったことが反省点。後半には学習していたので問題はないだろう。
DF: クアドラード 6.5
攻守に渡って90分間汗をかき続けてチームに貢献した。健康体であることが大きい。
DF: デ・リフト 6.5
PK 奪取に加え、2点目の起点となる縦パスを入れるなど攻撃面でも貢献。中央をボヌッチとともに封鎖し、ボローニャの攻撃陣を抑え切った。
DF: ボヌッチ 7.0
ボローニャの FW 陣に中央で起点を作らせず、決定的なシュートを作らせなかったことは大きい。また、オルソリーニのシュートを身体を張ってブロックするなど守備で大きな奮闘を見せた。
DF: デ・シリオ 6.0
オルソリーニの突破を抑え、ボローニャが強みとする攻撃の威力を削ぐことに成功した。しかし、65分に仕掛けた際に筋肉を痛め、余計なカードまでもらうなど残念な部分もあった。
MF: ベンタンクール 6.0
リンクマンとして3トップをサポートし、中盤でバランスを取る役割を担う。ピアニッチが下がった後はレジスタの役割を務め、どのポジションにおいても安定した内容を見せた。
MF: ピアニッチ 6.0
攻撃のかじ取り役は担っていたが、目を引くようなプレーはなかった。ボローニャの守備陣が全体的に緩かったため、中盤でのボールの動かし方が影響する比重が低かったことを差し引く必要があるだろう。
MF: ラビオ 5.5
中断明けは初の先発起用だったが多くの時間帯で消えていた。バランスを意識したプレーは評価されるべきが、物足りなさを感じる出来だったことは否めない。
FW: ベルナルデスキ 7.0
右 WG をスタートポジションにしていたが、中に侵入して偽9番としてポストプレーで貢献。攻撃に変化を加え、53分にはポスト直撃の惜しいシュートを放つなど持ち味をアピールすることに成功した。
FW: ディバラ 7.0
少し下がって中盤からボールを引き出して散らし、ベルナルデスキとの連携から36分にチームを楽にする追加点を奪取。ボローニャの守備陣を翻弄し続ける働きを見せた。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 6.5
冨安を上手く食い付かせ、前後左右への揺さぶりで翻弄した。カットインなどは効いていたが、シュート精度がそれほど高くはなかった。7分のシュートと22分の PK だけが枠内シュートでは寂しいところだ。
【交代選手など】
DF: ダニーロ 4.5
66分に負傷したデ・シリオに代わって出場。82分にユワラに足裏を見せたタックルでイエローをもらい、91分にはユワラの突破をオブストラクションで止めて2枚目のイエローで退場となる。悪目立ちしていた。
MF: マテュイディ 6.0
70分にラビオとの交代で出場。中盤を引き締め、クリーンシート達成に貢献した。
MF: ラムジー 6.0
70分にピアニッチに代わって出場し、ベンタンクールの役割を引き継ぐ。中盤から最前線への飛び出しを見せるなど持ち味をアピールしていた。
FW: ドウグラス・コスタ ー
ディバラとの交代で79分から出場する。シュチェスニーのフィードに反応してロナウドの決定機を作り出したが、オフサイドで得点は認められず。コンディションを維持することが必要な選手なだけに良い調整ができていれば問題ではない。
サッリ監督 6.5
ボローニャの守備陣が食い付きすぎた部分もあったが、相手の守備ブロックを引っ張り出すためのプランが機能したのは監督の準備による部分が大きい。結果を出せたことで批判は少し弱まることだろう。本職の SB が全員起用できない次節の相手がレッチェという点でもまだ運は残っている。
ロッキ主審 5.5
デ・リフトが倒された場面が PK に該当したのかは疑わしい。あれが PK なら、デ・シリオに蹴られたバロウにも PK を与えるべきだっただろう。ダニーロが結果的に退場になった判定は妥当である。