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ユベントスの選手・監督に対する通信簿【DF編 2018/19 シーズン前半戦】

 2018/19 シーズンの前半戦が終了しましたので、ユベントスの選手・監督への評価を行いたいと思います。評価は A〜D の4段階、A が最高評価です。

画像:高いクオリティーを発揮したジョアン・カンセロ

 第3回目の評価対象は DF です。

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 個々の選手に対する評価を下す前に、出場時間を確認することにしましょう。2018/19 シーズン前半戦は4バックが採用され、右からカンセロ、ボヌッチ、キエッリーニ、A・サンドロの4選手がレギュラー格という位置づけでした。

画像:ユベントスDF陣の出場時間(2018/19シーズン前半戦)

 ターンオーバーが上手く実施できた点もあれば、そうとは断言できない点もありました。それでは個別の選手ごとに評価を下していくことにしましょう。まずは CB として起用された選手からです。

 

■ センターバック

ジョルジョ・キエッリーニ(34):A

 キエッリーニ選手が 2018/19 シーズン前半戦で記録した出場時間は以下のとおりです。

表1:キエッリーニ選手の出場成績
  大会名 得点 時間
2018/19
(出場時間率:68.1%)
セリエA 14 (13) 1 (1) 1173'
UEFA CL 4 (4) 0 360'
合計 18 (17) 4 (4) 1533'
全試合 25 2250'

 時間率に置き換えると 70% 弱。前半戦以上の稼働を要求することは非現実的ですが、十分な貢献度と言えるでしょう。パフォーマンス内容も良く、主将としてチームの守備を牽引しています。

 後半戦で期待されるのは「週1試合のペースで試合に出場し、好パフォーマンスを維持すること」です。つまり、キエッリーニ選手が休養する試合が全体の 30% ありますので、このチャンスをどの選手が活かすことになるのかが注目点になります。

 

メディ・ベナティア(31):B

 ベナティア選手は「ボヌッチ選手の出戻り」による影響が最も大きく被った選手と言えるでしょう。

表2:ベナティア選手の出場成績
  大会名 得点 時間
2018/19
(出場時間率:24.0%)
セリエA 5 (5) 0 450'
UEFA CL 1 (1) 0 90'
合計 6 (6) 0 540'
全試合 25 2250'

 今季前半戦の出場時間率は 24%。昨シーズンは 49% でしたので、半分の出場時間しか得られていないことになります。昨シーズンはレギュラー格として起用されていたことを考えると、起用方法に不満を溜め込むのは当然です。

 ただ、第9節ジェノア戦で軽率な判断ミスに加え、12月にはひざの炎症で戦列を離れるなど「理由」は存在します。そのため、後半戦での課題は「出場した試合でボヌッチ選手の平均パフォーマンスを上回る内容を見せること」になります。

 越えられないハードルではないだけに、どれだけ高いモチベーションを保ってチャンスを待てるかが鍵になるでしょう。

 

アンドレア・バルザーリ(37):C

 バルザーリ選手の出場成績は下表のとおりです。

表3:バルザーリ選手の出場成績
  大会名 得点 時間
2018/19
(出場時間率:8.8%)
セリエA 4 (1) 0 94'
UEFA CL 3 (1) 0 106'
合計 7 (2) 0 200'
全試合 25 2250'

 “引き際” が訪れたと言わざるを得ないでしょう。約 54% を記録した昨シーズン前半戦の出場時間率がそれを示しているからです。

 「試合終盤の守備固め」などベテラン選手を重宝するアッレグリ監督が起用方針で出場機会はありましたが、チャンピオンズリーグのユナイテッド戦で限界が示される結果となりました。現在は負傷離脱中ですが、CB の序列が5番手であることは変わらないでしょう。

 現役最後のシーズンなる可能性が現実味を帯びているため、有終の美を飾ることが後半戦のテーマになると思われます。

 

レオナルド・ボヌッチ(31):B-

 ミランから1年で出戻りをしたボヌッチ選手の成績は次のとおりです。

表4:ボヌッチ選手の出場成績
  大会名 得点 時間
2018/19
(出場時間率:88.0%)
セリエA 16 (16) 1 1140'
UEFA CL 6 (6) (3) 540'
合計 22 (22) 1 (3) 1980'
全試合 25 2250'

 ボヌッチ選手の評価は「費用対効果が悪い」に集約されます。高額な移籍金を費やし、DF 最高給を得ている選手が見せるパフォーマンスとしては明らかに不十分です。

 ファビオ・カペッロ元監督の「足元にボールがある時は世界でも3本の指に入る選手」との指摘が的を得ていると言えるでしょう。「守備」では衰えが隠せず、特にセットプレーなどの対人守備で弱さが目立っています。

 後半戦は「内容を向上させること」がボヌッチ選手の課題ですが、調子が上がらないケースを念頭に置いておく必要があります。そのため、「アッレグリ監督がボヌッチ選手をどれだけ他の選手と同じ基準で扱うか」もポイントになるはずです。

 

ダニエレ・ルガーニ(24):B

 ルガーニ選手もベナティア選手と同じで「ボヌッチ選手の出戻り」による影響を被った選手です。

表5:ルガーニ選手の出場成績
  大会名 得点 時間
2018/19
(出場時間率:20.0%)
セリエA 4 (4) 0 360'
UEFA CL 2 (1) 0 91'
合計 6 (5) 0 451'
全試合 25 2250'

 出場時間率が 45% から 20% へと半減しており、伸び悩みの状況になっています。ただ、出場機会が限られる中では「伸びようがない」のは当然のことです。

 後半戦は「出場機会がどれだけ継続的に与えられるか」でしょう。最低でも昨シーズンと同じぐらいの出場機会を与えられるべきパフォーマンスは見せています。アッレグリ監督のさじ加減次第と言えるでしょう。

 

■ サイドバック

マッティア・デ・シリオ(26):B

 デ・シリオ選手が 2018/19 シーズン前半戦に記録した成績は以下のとおりです。

表6:デ・シリオ選手の出場成績
  大会名 得点 時間
2018/19
(出場時間率:42.9%)
セリエA 9 (9) (1) 810'
UEFA CL 2 (2) 0 155'
合計 11 (11) (1) 965'
全試合 25 2250'

 開幕当初は怪我で出遅れましたが、復帰後は SB としてチームに貢献。負傷離脱を繰り返したことで不完全燃焼に終わった昨シーズンと比較すると大きな成長と言えるでしょう。

 ミランで頭角を現した当時から、足元の技術は評価されていました。そのため、「突破力を兼ね備えたカンセロ選手との “違い” をどのように示すことができるか」が後半戦のポイントになります。

 また、負傷で離脱することなく、シーズン後半戦を戦い抜くことも課題になるしょう。カンセロ選手が離脱している間にどれだけ評価を高められるのかに注目です。

 

アレックス・サンドロ(27):A

 シーズン中に2023年までの契約延長に応じたA・サンドロ選手が前半戦に残した成績は次のとおりです。

表7:アレックス・サンドロ選手の出場成績
  大会名 得点 時間
2018/19
(出場時間率:81.5%)
セリエA 17 (15) (3) 1361'
UEFA CL 6 (5) 0 472'
合計 23 (20) (3) 1833'
全試合 25 2250'

 まさに「フル稼働」でした。攻守で貢献するには運動量が求められるポジションであり、後半戦は「パンクしないように上手く休養を与えられるか」がポイントになるでしょう。

 これまでの実績から左 SB のレギュラーは揺るぎようがありません。大一番に心身ともに良好なコンディションで迎えられるように調整が上手くできるかがポイントと言えるでしょう。

 

ジョアン・カンセロ(24):A+

 今夏に新加入したカンセロ選手の出場成績は次のとおりです。

表8:カンセロ選手の出場成績
  大会名 得点 時間
2018/19
(出場時間率:56.8%)
セリエA 12 (11) (3) 1011'
UEFA CL 3 (3) (1) 267'
合計 15 (14) (4) 1278'
全試合 25 2250'

 12月上旬のヤングボーイズ戦から右ひざの負傷で離脱しましたが、それまでの貢献度は極めて高いものでした。チームへの適応はスムーズに進んだ上、左右両方の SB で攻守において絶大な存在感を発揮したからです。

 負傷がなければ、キエッリーニ選手ぐらいの出場時間を記録していたでしょう。「まずは万全の状態で復帰すること」が期待されます。実力は証明済みですので、焦る必要はありません。

 3月以降の大一番に良いコンディションを維持していることが求められます。

 

レオナルド・スピナッツォーラ(25):ー

 2018年3月のイタリア代表で右ひざ前十字靭帯を痛め、最終的に手術を選択したためトップチームでの出場機会はありませんでした。復帰が11月でしたので、ある意味では止むを得ないと言えるでしょう。

 ただ、コッパ・イタリアが始める後半戦では出場時間を積み重ねることが課題です。「後半戦だけの出場時間率 25%」が具体的な目標になります。

 戦力であることを示唆する起用がされるのかに注目です。