エスタディオ・メスタージャで行われた 2018/19 UEFA チャンピオンズリーグ・第1節バレンシア戦は前半30分でロナウド選手が退場となるも、ピアニッチ選手の PK で2得点をあげたユベントスが 0-2 で勝利を手にしました。
先発した両チームの選手とフォーメーションは以下のとおりです。
Valencia CF [4-4-2] |
Juventus [4-3-3] |
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GK | 13: ネト | 1: シュチェスニー |
DF | 3: ヴェゾ 5: ガブリエウ 4: ムリージョ 14: ガヤ |
20: カンセロ 19: ボヌッチ 3: キエッリーニ 12: アレックス・サンドロ |
MF | 8: ソレール 10: ダニ・パレホ 18: ヴァス 7: ゲデス |
6: ケディラ 5: ピアニッチ 14: マテュイディ |
FW | 19: ロドリゴ 23: バチュアイ |
33: ベルナルデスキ 17: マンジュキッチ 7: ロナウド |
バレンシアのマルセリーノ監督は 4-4-2 を選択。ロドリゴ選手とバチュアイ選手が2トップを組み、両翼にソレール選手とゲデス選手を起用する陣容で試合を迎えます。
対するユベントスのアッレグリ監督は 4-3-3 を選択。キエッリーニ選手とピアニッチ選手が先発に復帰、右ウィングにはベルナルデスキ選手が入る予想された布陣で試合に臨みます。
試合はホームのバレンシアが押し気味で入るも、ユベントスが決定機を先に手にする。まずは11分、A・サンドロのクロスをファーで待ち構えていたロナウドがシュート。これがマンジュキッチへの折り返しとなるが、シュートは枠の上に外れてしまう。
17分にはロナウドのクロスをベルナルデスキが折り返し、ケディラに決定機が訪れる。しかし、これもシュートは枠の上に飛ばしてしまい、均衡を破ることはできない。21分にはA・サンドロのクロスからベルナルデスキとマテュイディに決定機が訪れるも、バレンシア守備陣が身体を張ってゴールを死守する。
すると、ユベントスにアクシデントが襲う。
23分にケディラが左足を痛め、エムレ・ジャンとの交代を余儀なくされる。29分にはガブリエウとの競り合いで暴力行為があったとの理由でロナウドが一発退場になってしまう。
1人少なくなったユベントスは籠城戦を選択し、勝点1に執念を見せる。耐え続けていたユベントスは43分にカンセロがエリア内でポレハからハイキックを受け、PK を獲得する。これをピアニッチがゴール右下に決め、1点をリードして折り返す。
後半もユベントスが自陣にブロックを築き、個人技によるカウンターで攻め込む展開となる。
ユベントスは49分にカンセロのロングカウンターから CK を獲得。すると、この右 CK の競り合いでボヌッチがムリージョに倒されて再び PK を獲得する。これをピアニッチが右下に決め、リードを2点差に広げる。
その後、自陣深くに 4-4-1 のブロックを敷いたユベントスはバレンシアの攻撃を耐え続ける。86分にはピアニッチに代わったD・コスタが個人技でシュートに持ち込み、枠内シュートでネトを脅かす。しかし、シュートの際に受けたタックルで左足首を負傷。ルガーニとの交代を強いられる。
迎えた95分、競り合いでルガーニの肘が相手選手の顔面を捉えたとの理由でバレンシアに PK が与えられる。ただ、パレホの PK はシュチェスニーがセーブ。1人少なくなりながらも、狡猾な試合運びを見せたユベントスが 0-2 で勝利した。
試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は以下のとおりです。
GK: シュチェスニー 7.0
枠内シュートを防ぎ、最後の砦として機能。PK もストップし、良くない流れの中で試合を終えることを防いだ。
DF: カンセロ 7.0
高い集中力を見せ、攻守において強い存在感を発揮した。右 SB で代えの効かない選手であることを証明した。どう休ませるかに頭を悩ませることになりそうだ。
DF: ボヌッチ 6.5
スピード不足が懸念され続けたが、この試合では闘志を見せ、バレンシアの攻撃を跳ね返し続けた。以前のパフォーマンスを取り戻していたと言えるでしょう。
DF: キエッリーニ 7.0
バチュアイとロドリゴを沈黙させ、バレンシアに攻撃の起点を作らせなかった。籠城戦を余儀なくされた中で結果を出した。
DF: アレックス・サンドロ 6.5
4-4-2 で守るバレンシアの外側のスペースを活かし、良質をクロスを何度も供給。チャンスを数多く演出した。守備においても、献身的に汗をかき続け、クリーンシート達成に貢献した。
MF: ケディラ 6.0
中盤でバランスを取り、17分には決定機に顔を出すなど良いスタートを切る。だが、負傷交代となり、不完全燃焼になってしまった。
MF: ピアニッチ 7.0
攻撃の起点として機能。守備でも身体を張った上、PK を2本決めてチームの勝利に大きく貢献した。
MF: マテュイディ 7.0
1人少なくなってから、持ち前の走力で広範囲をカバー。スタミナは最後まで落ちず、自陣エリア手前では身体を張った守備にも奔走した。
FW: ベルナルデスキ 6.5
両サイドで突破力を示し、攻撃での存在感を見せる。ロナウド退場後は守備でスペースを消す仕事を精力的に行い、集中した守備ができることを示した。
FW: マンジュキッチ 6.0
前線で身体を張り続け、籠城戦を継続する要因になった。決定機は前半の1本だけだったが、試合展開を考えると止むを得ないと言えるだろう。
FW: クリスティアーノ・ロナウド 5.0
よもやの一発退場となってしまった。出来は悪くなかっただけに、主審の判定があまりに酷すぎたことが悔やまれる。チームが勝点3を持ち帰ったことが唯一の救いである。
【交代選手など】
MF: エムレ・ジャン 6.5
23分にケディラとの交代で緊急出場。上手く試合に入り、籠城戦を強いられる中でゴール手前に鍵をかける仕事をやり遂げた。
FW: ドウグラス・コスタ 6.0
ピアニッチに代わり、66分から出場機会を得る。左ワイドの位置に入り、カウンターで時間を使うなど状況に応じたプレーを選択。バレンシアの波状攻撃に歯止めをかける役割を担う。こちらも負傷交代となってしまっただけに状態が気になるところだ。
DF: ルガーニ ー
89分にD・コスタに代わって出場する。PK を取られたが、先に落下地点に入った上で競っているのだから、気にする必要はないだろう。ただ、PK を止めてくれたシュチェスニーにディナーをご馳走すべきだ。
アッレグリ監督 6.5
バレンシアの 4-4-2 に対し、A・サンドロのクロスからチャンスを作るなど準備した戦術を機能させた。ロナウドの退場に負傷交代が2名と計算外の事態に陥ったが、それでも勝点3を持ち帰ることに成功した。これは的確な状況判断を下した監督采配による部分も大きいと言えるだろう。
ブリッヒ主審 5.0
W杯のバカンスからはまだ戻ってきていないようだ。審判団は欧州の舞台から引退を決断すべきだろう。それだけ悪目立ちをしていた。ただ、CL に VAR の導入を決定づける “仕事” をしたのであれば、評価はできなくもない。