ユベントスは 2017/18 UEFA チャンピオンズリーグのラウンド16でトッテナムと対戦することが決定しました。プレシーズンマッチでの対戦経験を踏まえ、トッテナムの現状を確認することにしましょう。

1:4-2-3-1 が基本
ポチェッティーノ監督が率いるトッテナムの特筆点は「戦術的な柔軟性を持ったチーム」であることです。
イタリアのチームを彷彿とさせるほど、試合中にシステムを難なく変更しますし、様々なポジションで力を発揮する選手がそろっています。システムとしては 4-2-3-1 が基本形と言えるでしょう。

GK: ロリス
DF: トリッピア、D・サンチェス、ベルトンゲン、ローズ
DMF: デンベレ、ワニャマ
MF: エリクセン、デリ・アリ、ソン・フンミン
FW: ケイン
ただ、エリクセン選手はサイドよりも中央で力を発揮し、インサイドハーフもできる『10番』タイプです。そのため、試合中に 4-3-3 や 4-3-1-2 にも変更できることを念頭に置いておかなければなりません。
2:CF のケインと GK のロリス以外はシステムごと変えられる柔軟性
トッテナムは3バックと4バックを併用できるチームです。そのため、代えが効かないのは CF のケイン選手と GK のロリス選手ぐらいでしょう。
攻撃では主に2列目で起用される選手(エリクソン、デリ・アリ、ソン)が互いのポジションを入れ替え、CF のケイン選手と連動した攻めを特徴としています。また、カウンターを狙う際はケイン選手ではなく、ソン・フンミン選手を前線に残し、相手 SB の裏を突かせる狙いを見せることも特筆点です。
守備は中盤にボールハンター型の選手が起用され、1対1の能力が高い CB との連動で中央には高さと硬さを兼ね備えています。
チーム全体が攻撃と守備での “約束事” が整理されており、「システムは選手の初期配置に過ぎない」と割り切れるから、試合中にも難なく変更することが可能になっているのでしょう。それだけにトッテナムの試合プランに乗っかってしまうと、勢いに飲み込まれるリスクが高いと言えるはずです。
3:「中盤で主導権を握り、ケインを孤立させることができるか」がポイント
勝敗の行方は「ケイン選手が仕事をすることができるか」が大きなウエイトを占めるでしょう。ただ、ケイン選手にボールが渡ってしまうと持ち前の決定力やポストプレーで攻撃を牽引されることになります。
そうした状況を回避するには「中盤で主導権を握り、ケイン選手を孤立させてトッテナムの攻撃を停滞させることができるか」がユベントスの課題になると言えるでしょう。
トッテナムはユベントスのコンディションが上がり切っていない状態で勝てる相手ではありません。そのため、まずは主力選手に怪我が相次ぐような事態を避けることが求められます。
その上で、講じた対策をピッチ上で示すことが期待されるでしょう。2月中旬から始まる大一番に対し、アッレグリ監督がどのような準備をして迎えるのかに注目です。