エスタディオ・ド・ドラゴンで行われた UEFA チャンピオンズリーグ、ラウンド16のファーストラウンドはピアツァ選手とダニ・アウベス選手のゴールでユベントスが 0-2 で勝利しました。
先発した選手とフォーメーションは以下のとおりです。
FC Porto [4-1-3-2] |
Juventus [4-2-3-1] |
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GK | 1: カシージャス | 1: ブッフォン |
DF | 2: マキシ・ペレイラ 28: フェリペ 5: マルカーノ 13: アレックス・テレス |
26: リヒトシュタイナー 15: バルザーリ 3: キエッリーニ 12: アレックス・サンドロ |
MF | 22: ダニーロ 16: エクトル・エレーラ 6: ルベン・ネベス 8: ブラヒミ |
5: ピアニッチ 6: ケディラ 7: クアドラード 21: ディバラ 17: マンジュキッチ |
FW | 29: ソアレス 10: アンドレ・シウバ |
9: イグアイン |
ポルトは 4-1-3-2 を選択。ダニーロ・ペレイラ選手とルベン・ネベス選手が縦の関係となり、両ワイドのMFが前線のアンドレ・シウバ選手とソアレス選手を活かす狙いで試合に臨みます。
ユベントスは 4-2-3-1 を継続。アッレグリ監督が前日会見で宣言したようにボヌッチ選手がベンチ外となり、CBは負傷明けのバルザーリ選手とキエッリーニ選手がコンビを組み、試合を迎えます。
試合は開始直後からのポルトの勢いを上手く吸収したユベントスが徐々にポゼッションを高め、ポルト守備陣の穴を探す拮抗した展開で時間が経過する。
両チームとも守備の意識が高い相手守備陣に手を焼き、決定を作れない状況が続いたが、25分過ぎに試合の展開が大きく動く出来事が発生する。
25分にアレックス・テレスがセンターライン付近でクアドラードの背後からタックルを敢行し、イエローカードを受けてしまう。すると、そのわずか2分後には右サイドを突破したリヒトシュタイナーの足にタックルを見舞い、2枚目のイエローで退場することとなり、ポルトは10人での戦いを強いられる。
守備を固め、カウンターの意識をより強くしたポルトに対し、ユベントスは前半アディショナルタイムにディバラがエリア外から左足で強烈なシュートを放つものの、ポストに嫌われ得点できず。前半はゴールレスで折り返す。
ユベントスは後半開始直後にDFラインの裏に抜け出したディバラがネットを揺らしたものの、これはオフサイドの判定でゴールは認められない。すると、アッレグリは67分にクアドラードに代えて、ピアツァを投入するとこれが的中する。
72分、右サイドから中央に切れ込んだピアツァがディバラにボールを預けると、ディバラは裏のスペースに走り込んだリヒトシュタイナーにパスを通そうとする。これはミゲル・ラユンが足に当てたものの、こぼれ球がエリアに侵入したピアツァに渡る結果となり、この絶好機を右足でファーサイドに流し込んだユベントスが待望の先制点をあげる。
ユベントスは74分にアレックス・サンドロからのクロスをダニ・アウベスが胸トラップから左足ボレーで決め、リードを2点に広げる。
3点目は奪えなかったものの、ユベントスはこのリードを守りきることに成功。0-2 でユベントスが勝利し、優位な立場でセカンドレグを迎えることとなった。
試合に出場したユベントスの選手・監督などへの採点は次のとおりです。
GK: ブッフォン 6.0
守備陣が決定機を許さなかったこともあり、ピンチらしいピンチに陥ることがなかった。
DF: リヒトシュタイナー 6.5
効果的な攻め上がりを見せ、攻撃にアクセントを加えた。アレックス・テレスを退場に追い込んだこと、ブラヒミに粘り強く対応したことは大きい。
DF: バルザーリ 6.0
対人マークの強さを見せつけ、ポルトに攻撃の起点を作らせなかった。ぶっつけ本番だったが、力強いパフォーマンスを見せたと言えるだろう。
DF: キエッリーニ 6.0
主審の傾向を素早く把握し、ファールにならないラインで相手FWにストレスを与え続けた。バルザーリとのコンビも良く、最終ラインからの起点としても機能した。
DF: アレックス・サンドロ 6.5
古巣を相手にサイド突破、ボール奪取、2点目となるクロスも供給した。左サイドの起点となっており、良いパフォーマンスを継続していたと評価されるべきだろう。
MF: ピアニッチ 6.0
中盤から前線に対して効果的な縦パスを供給し、攻撃のリズムを作り出していた。決定機なパスとはならなかったが、チャンスを演出するきっかけを生み出すことに成功していたと言える。
MF: ケディラ 6.5
チームのバランスを保つとともにエリア内に侵入してターゲットマンの役割を果たすなど攻守に渡り存在感を発揮した。
MF: クアドラード 5.5
献身的な動きを見せていたが、ポルト守備陣に上手く守られ、攻撃面での違いを生み出すことはできず。ただ、アレックス・テレスを退場に追い込むきっかけとなるファールを誘発するだけの脅威になっていたことは事実だ。
MF: ディバラ 6.0
自由にさせてもらえず、エリア近辺でボールを持つこと自体が不可能な状況だった。それでも惜しいシュートを放ったり、ボールを動かして攻撃にアクセントを付けるなど期待される役割を全うした。
MF: マンジュキッチ 6.0
ポルトがカウンターを仕掛けた際には献身的に戻って守備を行い、クロスにはターゲットマンとしてボールを呼び込む動きをするなど黒子役として90分間走り続けた。
FW: イグアイン 6.0
徹底マークを受け、エリア付近でボールを持つことはできなかった。それでも、下がってボールを受けたり、前線からプレスをしたりとCFとして献身的に働き続けた。
【交代選手など】
MF: ピアツァ 7.0
67分にクアドラードとの交代で出場。右サイドから独特のリズムで切れ込み、先制点をあげることに成功した。ディバラとの意思疎通が互いに未完成であることが見えた試合でもあったが、この点を改善することで大きな相乗効果が生まれることになるだろう。
DF: ダニ・アウベス 7.0
リヒトシュタイナーに代わり73分から出場機会を得る。直後にアレックス・サンドロのクロスから追加点を奪い、決定的な2点目をチームにもたらし、試合の行方を大きく引き寄せた。
MF: マルキージオ ー
ディバラとの交代で86分から出場する。守備固めの意味を理解し、中盤を引き締めることで試合を確実に終わらせた。
アッレグリ監督 7.0
ボヌッチをベンチ外にするという罰を科したが、不在を感じさせたいパフォーマンスをチームに披露させた。交代した選手が得点を決めたという事実は試合を冷静に分析できていたという根拠と言えるだろう。
ブリッヒ主審 6.5
細かい部分での判定基準が掴みづらかった。ただ、「足へのタックルがカードの対象」と気づき、利用したリヒトシュタイナーと気づかなかったポルトとの差が試合結果として現れることとなった。生真面目な “ドイツ人らしい” 主審によるジャッジと評することが適切ではなかろうか。