『トゥット・スポルト』によりますと、セリエA第25節パレルモ戦でアッレグリ監督の交代采配を試合中に批判し、口論となったボヌッチ選手がクラブから罰金処分を科された模様とのことです。
問題はパレルモ戦での2人目以降の選手交代で起きました。
ボヌッチ選手がアッレグリ監督の交代策に異を唱えたところ、アッレグリ監督が「黙れ!」と応戦。試合後、ボヌッチ選手がファンへの挨拶に向かわず、「(アーセナルに)行っちまえ!」との悪態も付いていたと『メディアセット』は報じています。
パレルモ戦でアッレグリ監督が行った選手交代は次のようなものでした。
- 46分:ケディラ OUT、レミナ IN
→ ケディラの温存 - 70分:ストゥラーロ OUT、クアドラード IN
→ クアドラードの調整目的 - 75分:マルキージオ OUT、リンコン IN
→ 負傷明けのマルキージオを温存
いずれの交代も事前予想が可能な交代策であり、異を唱えられるものではありません。問題が起きた理由は交代の対象とすべき “4人目の選手” がいたことだと言えるでしょう。
前半を 2-0 で折り返したことでフル稼働状態だったケディラ選手を交代した判断は適切なものであり、批判する人はいないはずです。
判断が分かれるのはイグアイン選手のゴールで3点差とした65分以降に「残る2つの交代枠をどう活用するか」です。ここでボヌッチ選手とアッレグリ監督の優先度の違いが生じたものだと考えられます。
- アッレグリ監督の判断
- ストゥラーロ(太ももに不安)
- マルキージオ(負傷明け)
- ピアツァ(足を釣った状態)
- ボヌッチ選手の判断
- ピアツァ(足を釣った状態)
- ストゥラーロ(パフォーマンスに問題なし)
- マルキージオ(負傷明け → 問題なし)
交代の対象になったのは3選手だったのですが、交代枠は2枠しか残っていない状況でした。アッレグリ監督は「負傷離脱する可能性が現実にある選手」から優先的に下げましたが、ボヌッチ選手は「ピッチ上でパフォーマンスの落ちた選手」から交代すべきと考えたのだと思われます。
ユベントスはクラブとして “喧嘩両成敗” にすることもできたのですが、ボヌッチ選手にのみ罰金処分を科すことになったと報じられています。これは「采配に関する責任は監督が持つ」とクラブが意思表示したと言えるでしょう。
「選手の意向」が「監督の采配」より優先される状況になれば、チーム統制に問題が生じることは時間の問題です。それを防ぐ意味でも、クラブの判断は適切だったと思われます。
“不満分子” の存在をメディアは書いていますが、ディバラ選手(第22節サッスオーロ戦)やリヒトシュタイナー選手(第23節インテル戦)の振る舞いを根拠にしているのでしょう。どちらのケースも解決済みであり、出場機会を求めるトップレベルの選手を抱えていれば、どのクラブでも起きることです。
チャンピオンズリーグ、ポルト戦の前日会見でボヌッチ選手の件についてはイタリアメディアが質問すると思われます。そこで何らかの情報が発信されることになるのではないでしょうか。