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【コラム】 チーム史上歴代最高額でイグアイン獲得し、勝負に出たユベントスのフロント陣

 チーム史上歴代最高額となる移籍金9000万ユーロでイグアイン選手を獲得したユベントスですが、この動きはチャンピオンズリーグ獲得に向けた勝負に出たと言うことができるでしょう。

画像:ユベントスのクラブオフィスから背番号9をお披露目するイグアイン
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 ユベントスは健全経営を基盤にセリエAでは絶対王朝を築いています。しかし、チャンピオンズリーグ制覇を狙うのであれば、資金・戦力の両面で欧州のトップからは引き離された状況であることは明らかです。

 若手有望株の選手を中心に成長曲線を描いて来たユベントスですが、どこかのタイミングで欧州トップクラスの地位を確固たるものにする必要がありました。

 ユベントスのフロント陣はこのタイミングが本気でチャンピオンズリーグを狙うベストの時期だと判断したのでしょう。無謀なギャンブルに思えるかもしれませんが、チーム事情を考えると勝負に出たことも理解できることです。

 

1:ブッフォンとイタリア版BBCの存在

 まず、歴史に名を残すGKであるブッフォン選手の引退時期が徐々に迫っていることです。ロシアW杯まで現役を続けることを明言していますが、シーズンで考えると、残り2シーズンになります。

 ブッフォン選手の後継者となる選手を確保することは並大抵なことではありませんし、現役の間にチャンピオンズリーグ獲得を本気で狙う意味はあるでしょう。

 同じことはイタリア版BBCにも言えます。選手寿命という観点ではブッフォン選手に残された現役時代より長いでしょう。しかし、年齢的にベテランの域に突入していることを考えると、強固な守備陣がある間に勝負に出る価値はあると考えられるからです。

 

2:ポグバをもう1シーズン、残せるかも ...

 次に移籍が盛んに報じられているポグバ選手をもう1シーズン、チームに残すことができる可能性が高まることです。

 イグアイン選手を獲得し、2005/06 シーズン以降ではチャンピオンズリーグ制覇を本気で狙えるチーム編成になったと言えるでしょう。「タイトルを本気で狙えるチームとなったのだから、今夏の移籍は思い止まるべき」と主張することができます。

 仮に移籍が決定となれば、高額の移籍金がクラブに残されることとなります。戦力ダウンは否めないのですが、イグアインという屈指の点取り屋が存在感を発揮することで、攻撃面での迫力を保つことは可能になると思われます。

 

3:金庫に貯めた資金をどのタイミングでどう使うか

 クラブが “健全経営” を掲げ、順調に成長曲線を描いていることは経営の観点からは非常に望ましいことです。ただ、欧州のトップクラブも成長している訳ですから、どこかのタイミングでブーストボタンを押す必要が生じる可能性もあります。

 アニェッリ会長が「数シーズンは耐えられるだけの財政基盤がある」と宣言していましたので、今夏に有言実行したと言えるでしょう。

 ユベントスを手放す意図を持たないオーナー陣がクラブを率いている訳ですから、クラブの金庫を潤すことは最優先事項ではありません。クラブとして成長させることが1番であり、チームと周辺環境の両輪をうまく回す必要があるからです。

 

 トップ・オブ・トップのクラブにブランド的にも、実力的にも復帰するためには資金を適切なタイミングで正しい使い方をしなければなりません。そのためにはタイトルを渇望する即戦力選手と将来有望な若手選手で混成されたチームを作り上げることが不可欠です。

 ユベントスのフロント陣はその目的に向けたギャンブルを敢行したと言えるでしょう。この賭けが吉と出るか、凶とと出るか。今シーズンの戦いぶりでその結果が見えることになると思われます。